保存前チェックの基本
Excelで「保存する前に入力内容を確認したい」「必須項目が空欄なら保存させない」といった場面では 保存前チェック を組み込むと便利です。
初心者向けに、コード例やテンプレートをかみ砕いて説明します。
基本の考え方
- 保存前チェックとは？
データを保存する直前に「必須項目が入力されているか」「数値が正しいか」などを確認する仕組み。 - 用途:
- 入力漏れ防止
- 不正データの保存防止
- 保存前に確認メッセージを出す
テンプレ1：必須項目の空欄チェック
UserFormに TextBox1（氏名）、TextBox2（年齢）、CommandButton1（保存ボタン） を配置。
Private Sub CommandButton1_Click()
' 氏名が空欄なら保存させない
If TextBox1.Value = "" Then
MsgBox "氏名を入力してください"
Exit Sub
End If
' 年齢が空欄なら保存させない
If TextBox2.Value = "" Then
MsgBox "年齢を入力してください"
Exit Sub
End If
' 保存処理（例：シートに書き込み）
Dim ws As Worksheet: Set ws = Worksheets("Data")
Dim lastRow As Long: lastRow = ws.Cells(ws.Rows.Count, "A").End(xlUp).Row
ws.Cells(lastRow + 1, 1).Value = TextBox1.Value
ws.Cells(lastRow + 1, 2).Value = TextBox2.Value
MsgBox "保存しました！"
End Sub
- ポイント:
Exit Subで保存処理を中断。- 必須項目が空欄なら警告を出す。
テンプレ2：数値チェック（年齢は数字のみ）
Private Sub CommandButton1_Click()
If Not IsNumeric(TextBox2.Value) Then
MsgBox "年齢は数値で入力してください"
Exit Sub
End If
' 保存処理
Dim ws As Worksheet: Set ws = Worksheets("Data")
Dim lastRow As Long: lastRow = ws.Cells(ws.Rows.Count, "A").End(xlUp).Row
ws.Cells(lastRow + 1, 1).Value = TextBox1.Value
ws.Cells(lastRow + 1, 2).Value = TextBox2.Value
MsgBox "保存しました！"
End Sub
- ポイント:
IsNumericで数値チェック。- 不正な入力を防げる。
テンプレ3：保存前に確認メッセージを出す
Private Sub CommandButton1_Click()
Dim ans As VbMsgBoxResult
ans = MsgBox("この内容で保存しますか？", vbYesNo)
If ans = vbNo Then
MsgBox "保存をキャンセルしました"
Exit Sub
End If
' 保存処理
Dim ws As Worksheet: Set ws = Worksheets("Data")
Dim lastRow As Long: lastRow = ws.Cells(ws.Rows.Count, "A").End(xlUp).Row
ws.Cells(lastRow + 1, 1).Value = TextBox1.Value
ws.Cells(lastRow + 1, 2).Value = TextBox2.Value
MsgBox "保存しました！"
End Sub
- ポイント:
MsgBoxで Yes/No を選ばせる。- ユーザーが確認してから保存できる。
テンプレ4：複数項目をまとめてチェック
Private Sub CommandButton1_Click()
Dim errorMsg As String
If TextBox1.Value = "" Then errorMsg = errorMsg & "氏名が未入力です" & vbCrLf
If TextBox2.Value = "" Then errorMsg = errorMsg & "年齢が未入力です" & vbCrLf
If Not IsNumeric(TextBox2.Value) And TextBox2.Value <> "" Then errorMsg = errorMsg & "年齢は数値で入力してください" & vbCrLf
If errorMsg <> "" Then
MsgBox errorMsg
Exit Sub
End If
' 保存処理
Dim ws As Worksheet: Set ws = Worksheets("Data")
Dim lastRow As Long: lastRow = ws.Cells(ws.Rows.Count, "A").End(xlUp).Row
ws.Cells(lastRow + 1, 1).Value = TextBox1.Value
ws.Cells(lastRow + 1, 2).Value = TextBox2.Value
MsgBox "保存しました！"
End Sub
- ポイント:
- 複数のエラーをまとめて表示。
- ユーザーが一度に修正できる。
例題で練習
'例1：必須項目の空欄チェック
'例2：数値チェック
'例3：保存前に確認メッセージ
'例4：複数項目をまとめてチェック
初心者向けポイント
- 保存処理の前に必ずチェックを入れる →
Exit Subで中断できる。 - IsNumericで数値判定 → 数値入力欄に便利。
- MsgBoxで確認を取る → 誤保存を防げる。
- 複数エラーをまとめると親切 → ユーザーが一度に修正できる。
👉 この「保存前チェックテンプレ」を覚えておけば、Excel VBAで 入力漏れや誤入力を防ぎ、安心してデータを保存できるフォーム を簡単に作成できます。