まず「タグは何のためにあるか」を言語化しよう
タグは、WordPress で記事に「キーワードラベル」を付ける仕組みです。
カテゴリが「大きな分類(本棚)」だとしたら、タグは「本に貼る付箋・キーワード」のイメージです。
同じテーマの記事を横断的にまとめたり、
「カテゴリは違うけど、このキーワードでつながっている記事」を束ねたりするためのものです。
ここで大事なのは、
タグは「なんとなく思いついた単語を全部付ける場所」ではなく、
サイト全体の“検索性”と“整理のしやすさ”を上げるための道具だ、という認識です。
この前提がないと、タグは一瞬でカオスになります。
タグ濫用が起きると何がまずいのか
似たようなタグが大量発生して「意味のないラベル」だらけになる
例えば、こんなタグの付き方を想像してみてください。
「WordPress」「ワードプレス」「WP」「ブログ」「サイト作成」「サイト制作」「ホームページ作成」…
一見それっぽいですが、
どれも微妙に意味がかぶっていて、
ユーザーからすると「何が違うの?」状態になります。
結果として、
1 記事にタグが 10 個以上付いている
タグ一覧ページを開いても、1 記事しか入っていないタグが大量にある
自分でもどのタグを使えばいいか分からなくなる
という「タグ疲れ」状態になります。
プログラミングで言えば、
変数名が data1, data2, data3, data4… と増え続けて、
誰も意味を把握していない状態に近いです。
タグアーカイブが「スカスカのページ」だらけになる
タグを思いつくままに増やしていくと、
「そのタグが付いている記事が 1 件だけ」というタグアーカイブが大量にできます。
/tag/◯◯/ を開いても、記事が 1 件だけ。
しかも、その内容はカテゴリや他のタグアーカイブとほぼ同じ。
これは、ユーザーにとっても検索エンジンにとっても、あまり価値がありません。
むしろ「中身の薄いページ」を量産している状態になります。
自分たちも運用で迷子になる
タグ濫用の一番の被害者は、実は「自分」です。
新しい記事を書くときに、
前はどのタグを使ったっけ?
このタグとあのタグ、どっちを使えばいい?
新しいタグを作るべき? 既存のタグを使うべき?
と、毎回悩むことになります。
これは、
「ルールのない命名規則」でクラスや関数を増やし続けるのと同じで、
後になればなるほどツラくなります。
だからこそ「タグの方針」を先に決める
方針は“技術”ではなく“運用ルール”
タグ濫用を避けるために必要なのは、
プラグインでもコードでもなく、「運用ルール」です。
例えば、こんなことを事前に決めておきます。
タグは何のために使うのか(目的)
1 記事に付けるタグの上限(数)
タグを作るときの基準(いつ新しいタグを作っていいか)
似たタグをどう扱うか(統合・禁止など)
これは、プログラミングで言えば「命名規則ガイドライン」を作るのと同じです。
ルールがあるから、後から見ても分かりやすく、増やしても破綻しにくくなります。
「カテゴリとタグの役割分担」をはっきりさせる
タグ方針を決める前に、
カテゴリとタグの役割を分けておくと、ブレにくくなります。
例としては、こんな分け方が分かりやすいです。
カテゴリ
記事の“ジャンル・テーマ”を表す。
(例:WordPress、デザイン、マーケティング)
タグ
記事の“具体的なトピック・要素”を表す。
(例:プラグイン名、機能名、ツール名、バージョン、技術用語など)
こうしておくと、
「これはカテゴリにすべきか、タグにすべきか」で迷いにくくなります。
具体的なタグ運用方針の例
例1:技術ブログの場合の方針イメージ
目的
「同じ技術要素の記事を横断的にたどれるようにする」ためにタグを使う。
ルールの例
1 記事あたりタグは 3〜5 個まで。
タグは「技術名・ツール名・機能名」に限定する。
「WordPress」「PHP」「JavaScript」などの大きな概念はカテゴリ側で扱う。
新しいタグを作るのは、「今後も同じタグを付ける記事が増えそうなときだけ」にする。
こうしておくと、
「なんとなく思いついた単語」をタグにするのではなく、
「このタグは今後も使い回せるか?」という視点が生まれます。
例2:企業サイト・お知らせ系の場合の方針イメージ
目的
「お知らせの種類や対象を絞り込む」ためにタグを使う。
ルールの例
カテゴリは「お知らせ」「プレスリリース」「メンテナンス情報」など。
タグは「サービス名」「対象エリア」「キャンペーン名」などに限定。
1 記事あたりタグは 2〜3 個まで。
一度使ったタグは、できるだけ再利用する(似たタグを増やさない)。
こうすると、
「◯◯サービスに関するお知らせだけ見たい」
「東京都向けの情報だけ見たい」
といったニーズにタグで応えられるようになります。
タグ濫用を防ぐための“実務的な工夫”
新しいタグを作る前に「既存タグを検索する」習慣をつける
記事編集画面でタグを入力するとき、
WordPress は既存のタグ候補をサジェストしてくれます。
ここで、
すでに似たタグがないか
表記ゆれ(カタカナ・英語・全角半角など)がないか
を必ず確認してから、新しいタグを作るようにします。
プログラミングで言えば、
「新しいクラスを作る前に、似たクラスがないか検索する」
という基本動作と同じです。
「タグ一覧」を定期的に眺めて、整理する
投稿 → タグ から、
今まで作ったタグの一覧と、
それぞれに何件の記事が紐づいているかが見られます。
ここで、
1 件しか使われていないタグ
意味がかぶっているタグ
表記ゆれしているタグ
を見つけて、
統合する
不要なものは削除する
名前をリネームして揃える
といった“タグのリファクタリング”を、たまにやると良いです。
これは、
「使われていない関数を消す」
「似たメソッドを統合する」
といったコードの整理とまったく同じ発想です。
プログラミングの感覚でタグ方針を捉える
タグは「自由なラベル」だからこそ、ルールが必要
タグは、カテゴリより自由度が高いです。
だからこそ、ルールがないと一瞬で崩壊します。
これは、
「動的型付け言語だからこそ、命名とテストが大事」
という話に少し似ています。
自由度が高いものほど、
人間側の運用ルールと意識が重要になります。
「増やす前に設計する」が、後の自分を救う
タグ方針を決めるのは、
最初は少し面倒に感じるかもしれません。
でも、記事が 50 本、100 本と増えてからタグを整理するのは、
かなり大変です。
最初のうちに、
タグは何のために使うのか
1 記事に何個までにするか
どんな種類の言葉だけをタグにするか
をざっくり決めておくだけで、
後からの運用が圧倒的に楽になります。
これは、
「最初にディレクトリ構成と命名規則を決めてからコードを書き始める」
のと同じで、地味だけど効き目の大きい設計作業です。
まとめ:タグは「増やす前にルールを決める」のが天才ムーブ
「タグ濫用を避けるため方針を決める」というのは、
タグを“なんとなくの飾り”にしない
サイト全体の検索性・整理しやすさを上げる
自分たちが運用で迷子にならないようにする
ための、頭のいい準備です。
やることはシンプルで、
タグの目的を一文で言語化する
カテゴリとの役割分担を決める
1 記事あたりのタグ数の目安を決める
新しいタグを作る条件を決める
この 4 つを、メモでもいいので一度書き出しておくこと。
それだけで、
あなたの WordPress サイトは「タグがカオスなブログ」ではなく、
「情報設計まで考えられたサイト」に一段レベルアップします。


