1日目のゴールとテーマ
1日目のテーマは「Pythonで“コンピュータに命令する感覚”をつかむ」です。
今日はまだ難しいことはやりません。
Pythonを動かす環境をイメージするprint でコンピュータにしゃべらせる
変数に値を入れて、簡単な計算をさせる
キーボードから入力を受け取って、ちょっとした“ミニアプリ”にする
ここまで行ければ、1日目としては最高です。
Pythonってどんな言語?をざっくりイメージでつかむ
人間の言葉にかなり近い書き方ができる
Pythonは「読みやすさ」をとても大事にしている言語です。
他の言語に比べて、記号が少なく、英語の文章に近い形で書けます。
例えば、画面に「こんにちは」と表示したいとき、Pythonではこう書きます。
print("こんにちは")
Pythonこれだけです。print は「表示する」という意味の命令です。
カッコの中に表示したいものを書くだけ。
この「シンプルさ」が、Pythonが初心者に向いている大きな理由です。
まずは「print」でコンピュータにしゃべらせる
一番最初の一歩は「文字を出す」
Pythonのファイルは、例えば main.py という名前で作ります。
その中に、こう書いてみてください。
print("Pythonを始めます")
print("1日目、いい感じです")
Pythonこれを実行すると、画面にはこう出ます。
Pythonを始めます
1日目、いい感じです
ここで大事なのは、「上から順番に命令が実行される」という感覚です。
Pythonは、ファイルの一行目から順番に読んでいき、print に出会ったら、そのときに表示します。
変数という「名前付きの箱」を使ってみる
値に名前を付けると、あとで何度でも使える
次に、「変数」を使ってみます。
変数は「値を入れておく箱」に名前を付けたものです。
message = "Python楽しいかも"
print(message)
Python実行結果はこうです。
Python楽しいかも
ここで起きていることを分解すると、
message = "Python楽しいかも" で、message という箱に文字列を入れているprint(message) で、その箱の中身を表示している
という流れです。
重要なのは、「一度入れたら、何度でも使える」ということです。
message = "今日はPython 1日目"
print(message)
print(message)
print(message)
Pythonと書けば、同じメッセージが3回表示されます。
「同じものを何度も書かないで済む」のが、変数の大きなメリットです。
数字を扱ってみる:足し算・引き算・掛け算・割り算
Pythonは計算機としても優秀
文字だけでなく、数字ももちろん扱えます。
a = 3
b = 5
print(a + b)
print(a - b)
print(a * b)
print(a / b)
Python実行結果はこうなります。
8
-2
15
0.6
ここでのポイントは二つです。
ひとつ目、+ - * / は、算数とほぼ同じ記号で書けること。
ふたつ目、a や b には数字が入っているので、a + b のように式として使えること。
さらに、計算結果を別の変数に入れることもできます。
price = 120
count = 3
total = price * count
print("合計金額は")
print(total)
Python実行結果はこうです。
合計金額は
360
ここで、「文字」と「数字」が混ざってきましたね。
このあと、これをもっと自然な文章にしていきます。
文字と数字を“つなげて”表示する
「合計金額は360円です」と一行で出したい
さっきのコードは、ちょっと不自然でした。
合計金額は
360
これを、「合計金額は360円です」と一行で出したい。
そのときに使うのが「文字列の結合」です。
price = 120
count = 3
total = price * count
print("合計金額は" + str(total) + "円です")
Python実行結果はこうなります。
合計金額は360円です
ここで重要なのは str(total) です。total は数字ですが、"合計金額は" は文字列です。
Pythonでは、「文字列」と「数字」をそのまま + でつなぐことはできません。
なので、str(...) で数字を文字列に変換してから、
文字列同士として + でつないでいます。
この「型をそろえる」という感覚は、今後ずっと使います。
1日目のうちに、なんとなく意識しておいてください。
キーボードから入力を受け取る:input関数
ユーザーに値を入れてもらうと、一気に“アプリ感”が出る
次は、「ユーザーに入力してもらう」パターンです。
Pythonでは input という関数を使います。
name = input("あなたの名前を入力してください: ")
print("こんにちは、" + name + "さん")
Python実行すると、こういう流れになります。
画面にあなたの名前を入力してください:
と表示される
ユーザーがキーボードで名前を入力して Enter を押す
その文字列が name に入るprint("こんにちは、" + name + "さん") が実行される
例えば「太郎」と入力すると、結果はこうです。
あなたの名前を入力してください: 太郎
こんにちは、太郎さん
ここで重要なのは、input が「ユーザーの入力を“文字列として”返す」ということです。
数字を入力しても、最初は文字列として扱われます。
入力された数字で計算する:型変換の最初の一歩
文字列を数字に変えてから計算する
例えば、「商品の値段と個数を入力して、合計金額を計算する」ミニアプリを作ってみましょう。
price_text = input("商品の値段を入力してください(円): ")
count_text = input("個数を入力してください: ")
price = int(price_text)
count = int(count_text)
total = price * count
print("合計金額は" + str(total) + "円です")
Python流れを丁寧に追います。
input で受け取った値は、price_text と count_text に「文字列」として入るint(price_text) で、「文字列 → 整数」に変換している
同じく int(count_text) で個数も整数にしているtotal = price * count で計算している
最後に、str(total) で数字を文字列に変えてから、文章として表示している
ここでの超重要ポイントは、「input の結果は文字列」「計算したいなら int に変換」というセットです。
これはPythonで“入力+計算”をするときの基本パターンになります。
1日目のミニアプリ:簡単な「お会計アプリ」を作る
ここまでの要素を全部つなげてみる
1日目の仕上げとして、少しだけ“ちゃんとした”形にしてみましょう。
仕様はこうです。
ユーザーに「商品名」「値段」「個数」を入力してもらう
合計金額を計算して
「○○を△個で合計□□円です」と表示する
コードはこうなります。
print("=== お会計アプリ 1日目バージョン ===")
item_name = input("商品名を入力してください: ")
price_text = input("1個あたりの値段を入力してください(円): ")
count_text = input("個数を入力してください: ")
price = int(price_text)
count = int(count_text)
total = price * count
print(item_name + "を" + str(count) + "個で、合計" + str(total) + "円です。")
print("ご利用ありがとうございました。")
Python例えば、こう入力したとします。
商品名: りんご
値段: 120
個数: 3
実行結果はこうなります。
=== お会計アプリ 1日目バージョン ===
商品名を入力してください: りんご
1個あたりの値段を入力してください(円): 120
個数を入力してください: 3
りんごを3個で、合計360円です。
ご利用ありがとうございました。
ここまで来ると、「ただの練習コード」ではなく、
ちゃんと“会話してくれるプログラム”になっているのが分かると思います。
1日目で一番大事な感覚
「Pythonは、命令を上から順番に実行しているだけ」
今日あなたに持ってほしい感覚は、とてもシンプルです。
Pythonは、ファイルの上から順番に命令を読んでいるprint は「表示しろ」input は「ユーザーに聞いて、その答えを文字列として返す」
変数は「値に名前を付けた箱」
数字で計算したいときは int、文字としてつなげたいときは str
このあたりがふわっとでもつかめていれば、1日目としては十分すぎます。
1日目のまとめ
今日のキーポイントを短く整理すると、こうなります。
print("...") で画面に文字を表示できる。変数 = 値 で、値に名前を付けて何度でも使える。
数字の計算は + - * / で書ける。input("メッセージ") でユーザーから文字列を受け取れる。int(...) で文字列を整数に、str(...) で数字を文字列に変換できる。
もし余裕があれば、今日の「お会計アプリ」を少しアレンジしてみてください。
例えば、
消費税(10%)を足して「税込金額」も表示する
2つの商品を続けて入力して、合計金額を出す
「高いですね」「安いですね」など、合計金額によってコメントを変える
など、なんでもいいです。
「こうなったらちょっと面白いな」を、1行でも自分で足してみる。
その一歩が、Pythonと仲良くなる一番の近道です。

