Excel関数 逆引き集 | 条件を否定 → NOT

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概要

「この条件を“満たしていない”ときだけ処理したい」
「A ではない、B ではない、空欄ではない…を判定したい」

そんな“否定の条件”を作るときに使うのが NOT 関数です。

NOT はとてもシンプルで、
TRUE を FALSE に、FALSE を TRUE にひっくり返す
ただそれだけの関数です。

でも、IF・AND・OR と組み合わせると、
「条件を否定する」処理が驚くほど書きやすくなります。


NOT の基本

書式

=NOT(条件)

動きはこうです。

  • 条件が TRUE → NOT は FALSE を返す
  • 条件が FALSE → NOT は TRUE を返す

つまり、
「条件をそのまま反転するスイッチ」
と考えると分かりやすいです。


NOT の基本パターン(初心者向け)

例1:文字列が一致しないとき TRUE

C2 が「完了」でないとき TRUE にしたい場合:

=NOT(C2="完了")

C2=”完了” が TRUE のとき → NOT が FALSE
C2=”完了” が FALSE のとき → NOT が TRUE


例2:空欄でないとき TRUE

A2 が空欄でないとき TRUE にしたい場合:

=NOT(A2="")

これは実質的に
A2<>""
と同じ意味です。


例3:数値が基準を満たしていないとき TRUE

B2 が 100 以上でないとき TRUE:

=NOT(B2>=100)

IF と組み合わせて「否定条件で処理を分ける」

例1:完了でないとき「未完了」と表示

=IF(NOT(C2="完了"), "未完了", "完了")

例2:空欄でないときだけ計算する

=IF(NOT(A2=""), A2*10, "")

これは「A2 が空欄でないなら A2×10、空欄なら空欄」という意味です。


例3:売上が基準未満なら「要改善」

=IF(NOT(D2>=500000), "要改善", "OK")

AND・OR と組み合わせて否定条件を作る

例1:複数条件の否定(AND と組み合わせ)

「数量が 10 以上 かつ ステータスが有効」
この条件を“満たしていない”とき TRUE にしたい場合:

=NOT(AND(A2>=10, B2="有効"))

AND の結果を丸ごと反転するイメージです。


例2:どれにも一致しないとき TRUE(OR と組み合わせ)

C2 が「A」「B」「C」のどれでもないとき TRUE:

=NOT(OR(C2="A", C2="B", C2="C"))

これは実務でよく使う「除外条件」の書き方です。


NOT を使うときのコツ

NOT(条件) は「条件を反転する」だけ

NOT は単純なので、
複雑な条件式をそのままひっくり返したいときに便利です。

A2<>”” と NOT(A2=””) は同じ意味

否定の書き方は 2 種類あります。

  • A2<>""(空欄ではない)
  • NOT(A2="")(空欄である、の否定)

どちらも正しいので、読みやすい方を選べば OK です。

OR と組み合わせると「除外条件」が書きやすい

「A でも B でも C でもない」
という条件は、NOT(OR(…)) が最もスッキリします。


例題

問題1

C2 が「完了」でないとき TRUE を返す NOT の式を書いてください。

=NOT(C2="完了")

問題2

A2 が空欄でないとき TRUE を返す式を NOT を使って書いてください。

=NOT(A2="")

問題3

B2 が 100 以上でないとき「NG」、100 以上のとき「OK」と表示する IF+NOT の式を書いてください。

=IF(NOT(B2>=100), "NG", "OK")

問題4

C2 が「A」「B」「C」のどれにも一致しないとき TRUE を返す式を書いてください(OR+NOT)。

=NOT(OR(C2="A", C2="B", C2="C"))

問題5

D2 の売上が 500000 以上 かつ E2 のステータスが「確定」である条件を“満たしていない”とき「要確認」、満たしているとき「OK」と表示する式を書いてください(AND+NOT)。

=IF(NOT(AND(D2>=500000, E2="確定")), "要確認", "OK")

まとめ

NOT は Excel の中でも最もシンプルな関数ですが、
「条件を反転する」 という役割がとても重要です。

基本形はこれだけ。

=NOT(条件)

そして実務ではほぼ必ず、

=IF(NOT(条件), 条件を満たしていないとき, 条件を満たしているとき)

の形で使います。

特に、

  • 除外条件
  • 否定条件
  • 「〜でないときだけ処理する」

といった場面で大活躍します。

NOT を使いこなせると、
条件式の表現力が一段アップし、
IF・AND・OR との組み合わせで複雑なロジックもスッキリ書けるようになります。

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