概要
Excel では、条件式の結果として TRUE / FALSE(論理値) が返ってくることがよくあります。
しかし、実務では TRUE / FALSE をそのまま表示するより、
- TRUE → 「OK」
- FALSE → 「NG」
のように 文字列に変換して表示したい 場面が圧倒的に多いです。
そこで使うのが IF 関数です。
IF は「TRUE のときはこれ、FALSE のときはこれ」と表示内容を自由に切り替えられます。
IF を使って論理値を文字列に変換する基本
基本形
=IF(条件, "TRUEのときの文字", "FALSEのときの文字")
条件が TRUE なら前者、FALSE なら後者を返します。
TRUE / FALSE を「OK / NG」に変換する
最もよく使うパターン
例:A2 が 100 以上なら「OK」、それ以外なら「NG」
=IF(A2>=100, "OK", "NG")
A2>=100 の判定結果(TRUE / FALSE)を、
そのまま文字列に置き換えているだけです。
TRUE / FALSE を「○ / ×」に変換する
見た目を分かりやすくしたいとき
=IF(B2="完了", "○", "×")
B2 が「完了」なら ○、それ以外なら ×。
TRUE / FALSE を「あり / なし」に変換する
空欄チェックと組み合わせる
例:C2 が空欄でなければ「あり」、空欄なら「なし」
=IF(C2<>"", "あり", "なし")
空欄判定は C2="" または C2<>"" を使います。
TRUE / FALSE を「合格 / 不合格」に変換する
数値判定と組み合わせる
例:D2 が 60 以上なら「合格」、それ以外は「不合格」
=IF(D2>=60, "合格", "不合格")
複数条件の TRUE / FALSE を文字列に変換する
AND と組み合わせる(すべて満たすとき)
例:
E2 が 80 以上 かつ F2 が「提出済み」なら「OK」、
それ以外は「NG」
=IF(AND(E2>=80, F2="提出済み"), "OK", "NG")
OR と組み合わせる(どれか1つ満たすとき)
例:G2 が「A」または「B」なら「対象」、
それ以外は「対象外」
=IF(OR(G2="A", G2="B"), "対象", "対象外")
TRUE / FALSE を文字列に変換する応用例
検索結果が見つかったかどうかで表示を変える
MATCH は見つからないと #N/A になります。
ISNA と組み合わせて「登録済み / 未登録」を表示できます。
=IF(ISNA(MATCH(H2, A2:A100, 0)), "未登録", "登録済み")
数値かどうかで表示を変える(ISNUMBER)
=IF(ISNUMBER(I2), "数値", "文字列")
エラーかどうかで表示を変える(ISERROR)
=IF(ISERROR(J2), "エラー", "正常")
よくあるつまずき
TRUE / FALSE をそのまま表示したくないときは必ず IF を使う
条件式だけ書くと TRUE / FALSE がそのまま表示されます。
=A2>=100 ' TRUE / FALSE が表示される
文字列に変換したいなら必ず IF を使います。
“”(空文字)は空白に見えるが文字列
=IF(K2="", "", "入力あり")
“” は空白に見えますが、Excel 的には「文字列」です。
見た目を空欄にしたいときに使います。
数式の中で文字列を書くときは必ず「”」で囲む
"OK"
"NG"
"合格"
囲み忘れるとエラーになります。
例題
問題1
A2>=100 の判定結果を、TRUE のとき「OK」、FALSE のとき「NG」と表示する式を書いてください。
=IF(A2>=100, "OK", "NG")
問題2
B2 が空欄でないとき「あり」、空欄のとき「なし」と表示する式を書いてください。
=IF(B2<>"", "あり", "なし")
問題3
C2 が「完了」のとき「○」、それ以外のとき「×」と表示する式を書いてください。
=IF(C2="完了", "○", "×")
問題4
D2 が 60 以上 かつ E2 が「提出済み」のとき「合格」、
それ以外は「不合格」と表示する式を書いてください。
=IF(AND(D2>=60, E2="提出済み"), "合格", "不合格")
問題5
F2 の値が数値なら「数値」、数値でないなら「文字列」と表示する式を書いてください。
=IF(ISNUMBER(F2), "数値", "文字列")
まとめ
論理値(TRUE / FALSE)を文字列に変換するには、
IF 関数で TRUE のときと FALSE のときを書き分けるだけです。
基本形はこれ。
=IF(条件, "TRUEのときの文字", "FALSEのときの文字")
これを応用すれば、
- OK / NG
- 合格 / 不合格
- あり / なし
- 登録済み / 未登録
など、どんな表示にも変換できます。
Excel の判定結果を“人間が読める形”にするための必須テクニックなので、
ぜひあなたのシートでも活用してみてください。
