Excel関数 逆引き集 | 3段階評価 → IFS

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概要

「点数で A・B・C の3段階評価にしたい」
「達成度を 高・中・低 の3段階で表示したい」
「満足度を ◎・○・△ の3つに振り分けたい」

こういう “3段階評価” を作るときに相性がいいのが IFS 関数です。
IFS は「条件1なら結果1、条件2なら結果2、条件3なら結果3…」と、
複数条件をきれいに書き分けられる関数です。

ここでは、3段階評価をテーマに、IFS を初心者向けにかみ砕いて解説していきます。


IFS の基本

IFS の書式と動き

IFS の基本形はこうです。

=IFS(条件1, 結果1, 条件2, 結果2, 条件3, 結果3, …)

動きはシンプルで、

  1. 上から順番に条件をチェックする
  2. 最初に TRUE になった条件の「結果」を返す
  3. どの条件も TRUE にならないとエラー(#N/A)になる

というルールです。

3段階評価にするときは、
だいたい「上/中/下」の3つの条件を並べるイメージになります。


点数の3段階評価(A・B・C)

例1:80点以上 A、60〜79 点 B、59 点以下 C

A2 に点数が入っているとします。

=IFS(
  A2>=80, "A",
  A2>=60, "B",
  TRUE,   "C"
)

上から順に見ていきます。

A2>=80 が TRUE → 「A」
そうでなければ次へ。
A2>=60 が TRUE → 「B」
どちらでもない → 最後の TRUE に該当 → 「C」

ここでのポイントは「最後を TRUE にして“その他全部”を受け取る」ことです。
これで、60 未満は自動的に C になります。


点数の3段階評価(高・中・低)

例2:70点以上「高」、40〜69 点「中」、39 点以下「低」

同じく A2 に点数があるとします。

=IFS(
  A2>=70, "高",
  A2>=40, "中",
  TRUE,   "低"
)

評価のイメージはこうです。

70 以上 → 「高」
70 未満で 40 以上 → 「中」
それ以外(40 未満) → 「低」

「上から順に条件が狭くなっていく」イメージを持てると理解しやすくなります。


数値以外の3段階評価(◎・○・△)

例3:満足度スコアを ◎・○・△ にする

B2 に 0〜100 の満足度スコアが入っているとします。

80 以上 → ◎
50〜79 → ○
49 以下 → △

=IFS(
  B2>=80, "◎",
  B2>=50, "○",
  TRUE,   "△"
)

IFS は結果に文字列でも記号でも入れられるので、
評価マークをそのまま返せます。


達成率の3段階評価(達成・やや未達・未達)

例4:達成率をパーセントで3段階に分ける

C2 に達成率(0〜1 の小数、または 0〜100 のどちらか)が入っているとします。
ここでは 0〜1 で「0.8=80%」という前提で考えます。

0.9 以上 → 「達成」
0.7〜0.89 → 「やや未達」
0.7 未満 → 「未達」

=IFS(
  C2>=0.9, "達成",
  C2>=0.7, "やや未達",
  TRUE,    "未達"
)

もし C2 に「パーセント表示の 80%」= 実際の値 0.8 が入っている場合も、
中身の数値は 0.8 なので、同じように比較できます。


IFS で3段階評価を書くときのコツ

範囲条件は「上から広いほう→狭いほう」ではなく「上から“高いほう→低いほう”」

3段階評価でよくある間違いは、条件の順番です。
例えば、こんな書き方をするとおかしくなります。

=IFS(
  A2>=60, "B",
  A2>=80, "A",
  TRUE,   "C"
)

A2=90 のとき、
上から順に見ていくので「A2>=60」が TRUE になり、そこで「B」と判定されてしまいます。

「80 以上」が「60 以上」より厳しい条件なので、
厳しい条件(上位)ほど上に書くことが大事です。

最後に TRUE を置いて“その他全部”を受け止める

IFS は、どの条件も TRUE にならないと #N/A エラーになります。
3段階評価のように「どこかに必ず分類したい」場合は、
最後に

TRUE, "その他"

のような「受け皿」を用意するのがおすすめです。


例題

問題1

A2 の点数に応じて、
80以上→「A」、60以上→「B」、それ以外→「C」
と表示する IFS の式を書いてください。

=IFS(
  A2>=80, "A",
  A2>=60, "B",
  TRUE,   "C"
)

問題2

A2 の点数に応じて、
70以上→「高」、40以上→「中」、それ以外→「低」
と表示する IFS の式を書いてください。

=IFS(
  A2>=70, "高",
  A2>=40, "中",
  TRUE,   "低"
)

問題3

B2 の満足度スコア(0〜100)に応じて、
80以上→「◎」、50以上→「○」、それ以外→「△」
と表示する IFS の式を書いてください。

=IFS(
  B2>=80, "◎",
  B2>=50, "○",
  TRUE,   "△"
)

問題4

C2 の達成率(0〜1 の小数)に応じて、
0.9以上→「達成」、0.7以上→「やや未達」、それ以外→「未達」
と表示する IFS の式を書いてください。

=IFS(
  C2>=0.9, "達成",
  C2>=0.7, "やや未達",
  TRUE,    "未達"
)

問題5

A2 の値が
0未満→「負」、0→「ゼロ」、0より大きい→「正」
となる 3段階評価の IFS 式を書いてください。

=IFS(
  A2<0, "負",
  A2=0, "ゼロ",
  TRUE, "正"
)

まとめ

3段階評価を IFS で書くときのポイントは、次の3つだけです。

  1. 上から順に判定されるので、「高いほう→低いほう」の順で条件を書く
  2. 最後は TRUE で“その他全部”を受け止めると安全
  3. 条件と結果を「セット」で並べるので、IF の入れ子より読みやすい

型さえ覚えてしまえば、
点数・売上・達成率・満足度など、何にでも応用できます。

あなたの実務の「3段階に分けたい評価」が一つでも思いつくなら、
今の表に IFS を差し込んで、評価列を1本作ってみるところから始めてみてください。

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