概要
「この列、どれくらいエラーが出ているんだろう？」
「全体のうち何％が #N/A なのか知りたい」
そんなときに役立つのが、COUNTIF でエラーの件数を数えて「エラー率」を計算するやり方です。
ポイントはたった 2つです。
「エラーの件数を数える」＋「全件数で割る」
これを COUNTIF でやっていきます。
COUNTIF の基本
COUNTIF は「条件に合うセルの数を数える」関数です。
書式はこうです。
=COUNTIF(範囲, 条件)
例えば、A2:A100 の中で「OK」と書いてあるセルの数を数えたいなら、次のように書きます。
=COUNTIF(A2:A100, "OK")
エラー率を出すときは、この「条件」の部分に "#N/A" や "#DIV/0!" などのエラー文字を指定します。
#N/A のエラー率を算出する
一番よくあるのが「検索失敗（#N/A）がどれくらいあるか」を知りたいケースです。
たとえば、A2:A100 に VLOOKUP などの結果が入っていて、
そこに #N/A がどれくらい含まれているかをパーセンテージで出したいとします。
エラー件数はこう数えられます。
=COUNTIF(A2:A100, "#N/A")
全体件数（対象件数）は、単純に件数を数えるなら
=COUNTA(A2:A100)
とすることが多いです（空白を除いた件数）。
エラー率（#N/A の割合）は、
=COUNTIF(A2:A100, "#N/A") / COUNTA(A2:A100)
となります。
表示形式を「%」にしておけば、そのまま「○％」と見えるようになります。
特定のエラーだけを対象にしたい場合
#DIV/0! のエラー率
同じ考え方で、0除算エラー（#DIV/0!）の割合も出せます。
エラー件数：
=COUNTIF(A2:A100, "#DIV/0!")
エラー率：
=COUNTIF(A2:A100, "#DIV/0!") / COUNTA(A2:A100)
複数種類のエラーをまとめて見る場合
COUNTIF は 1 つの条件しか指定できないので、
「#N/A と #DIV/0! を両方カウントしたい」といった場合は、式を足し合わせます。
例えば、
=COUNTIF(A2:A100, "#N/A") + COUNTIF(A2:A100, "#DIV/0!")
これで「#N/A と #DIV/0! の合計件数」が求まります。
その割合は、
=(COUNTIF(A2:A100, "#N/A") + COUNTIF(A2:A100, "#DIV/0!")) / COUNTA(A2:A100)
という形で算出できます。
COUNTIF でエラーを数えるときのポイント
COUNTIF の「条件」にエラーを指定するときは、"#N/A" のように 必ずダブルクォーテーションで囲んだ文字列 として書きます。
セルに実際に表示されている見た目の文字と同じ形で指定すれば OK です。
例："#N/A""#DIV/0!""#VALUE!"
など。
エラー率を見やすくする書式設定
エラー率の式を作ったら、そのセルの表示形式を「パーセンテージ」に変えましょう。
- 該当セルを選択
- 右クリック → セルの書式設定
- 表示形式タブ → パーセンテージ
- 小数点以下の桁数を指定（例：1 桁や 2 桁）
これで、0.1234 → 12.3%
のように見やすく表示できます。
例題
問題1
A2:A101 に VLOOKUP の結果が入っています。
この範囲の中で、#N/A の件数を COUNTIF で数える式を書いてください。
=COUNTIF(A2:A101, "#N/A")
問題2
A2:A101 の中で、#N/A の割合（エラー率）を求めたいです。
全体件数は COUNTA(A2:A101) を使って数えるものとします。
エラー率を求める式を書いてください。
=COUNTIF(A2:A101, "#N/A") / COUNTA(A2:A101)
問題3
A2:A101 の中で、#DIV/0! のエラーがどれくらい出ているかを割合で知りたいです。
COUNTA(A2:A101) を分母とするときのエラー率の式を書いてください。
=COUNTIF(A2:A101, "#DIV/0!") / COUNTA(A2:A101)
問題4
A2:A101 の中で、#N/A と #DIV/0! の 2 種類のエラーを合計した「エラー率」を求めたいです。
（分母は COUNTA(A2:A101) とします。）
その式を書いてください。
=(COUNTIF(A2:A101, "#N/A") + COUNTIF(A2:A101, "#DIV/0!")) / COUNTA(A2:A101)
問題5
A2:A101 の中で、#N/A のエラー率を百分率として表示したいです。
セルの表示形式はパーセンテージに設定するとして、
中身の計算式だけを書いてください。
=COUNTIF(A2:A101, "#N/A") / COUNTA(A2:A101)
（このセルの表示形式を「パーセンテージ」に設定します。）
まとめ
「エラー率を算出 → COUNTIF」の考え方は、とてもシンプルです。
- COUNTIF で「エラーの件数」を数える
- COUNTA などで「全体件数」を数える
- エラー件数 ÷ 全体件数 でエラー率を出す
型としては、この形を覚えておけば十分です。
=COUNTIF(範囲, "エラー表示") / COUNTA(範囲)
あとは、知りたいエラーに応じて"#N/A" や "#DIV/0!" を差し替えるだけです。
自分のシートで「エラーの多さを感覚ではなく数値で知りたい」と思ったら、
ぜひ一度、COUNTIF でエラー率を計算してみてください。