Java | Java 標準ライブラリ：Arrays クラス

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Arrays クラスの全体像をざっくりつかむ

java.util.Arrays は、
「配列を扱うときの“便利道具”をまとめたユーティリティクラス」です。

配列は int[], String[] などのあれです。

配列を
文字列としてきれいに表示したい
ソート（並び替え）したい
コピーしたい
検索したい

こういう「配列あるある作業」を、自分で for 文ゴリゴリ書かなくても済むようにしてくれるのが Arrays クラスです。

全部 static メソッドなので、インスタンスは作りません。
Arrays.sort(...), Arrays.toString(...) のように、クラス名から直接呼びます。

toString / deepToString：配列の中身をきちんと表示する

普通に配列を println すると、変な表示になる理由

まず、配列をそのまま表示してみます。

int[] nums = {1, 2, 3};
System.out.println(nums);
Java

よく見ると、こんな感じが出ます。

[I@5a07e868

「何これ？」という値になります。
これは「配列オブジェクトの型情報＋ハッシュコード」であって、中身ではありません。

配列の 中身 をちゃんと見たいときに使うのが Arrays.toString です。

toString で 1次元配列を読みやすくする

import java.util.Arrays;

int[] nums = {1, 2, 3};

System.out.println(Arrays.toString(nums));  // [1, 2, 3]
Java

配列を [1, 2, 3] のような形で表示してくれます。
デバッグやログ出力で、これを知っているかどうかで快適さが全然違います。

String[] でも同じです。

String[] names = {"Alice", "Bob", "Carol"};
System.out.println(Arrays.toString(names));  // [Alice, Bob, Carol]
Java

deepToString で多次元配列（配列の配列）を表示

2次元配列など「配列の中に配列が入っている」場合は toString だと不十分です。

int[][] matrix = {
    {1, 2},
    {3, 4}
};

System.out.println(Arrays.toString(matrix));      // 中身がよく分からない
System.out.println(Arrays.deepToString(matrix));  // [[1, 2], [3, 4]]
Java

deepToString は、配列の中にさらに配列があっても、「中まで潜って」きちんと表示してくれます。

sort / binarySearch：並び替えと検索（ここはよく使う）

sort で配列を昇順にソートする

配列のソートはほぼ必ず Arrays.sort を使います。

int[] nums = { 5, 2, 9, 1, 3 };

Arrays.sort(nums);   // 昇順に並び替え

System.out.println(Arrays.toString(nums));  // [1, 2, 3, 5, 9]
Java

int, long, double, char などのプリミティブ配列
String[] や Integer[] などのオブジェクト配列

どちらにも使えます。

String[] の場合は辞書順（アルファベット順）になります。

String[] names = {"Bob", "Alice", "Carol"};

Arrays.sort(names);

System.out.println(Arrays.toString(names));  // [Alice, Bob, Carol]
Java

独自の順番でソートしたいとき（初心者は「そういうのもある」程度で）

オブジェクト配列の場合、Comparator を渡して独自ルールでソートすることもできます。

String[] names = {"Bob", "Alice", "Carol"};

// 文字列の長さでソート（短い順）
Arrays.sort(names, (a, b) -> Integer.compare(a.length(), b.length()));

System.out.println(Arrays.toString(names));  // [Bob, Alice, Carol]
Java

少し難しいですが、「ソートのルールを自分で決められる」と覚えておくと、
もう一歩踏み込んだときに役立ちます。

binarySearch でソート済み配列から効率よく探す

binarySearch は「ソート済み配列」に対して使う高速な検索メソッドです。

int[] nums = {1, 3, 5, 7, 9};
int index = Arrays.binarySearch(nums, 5);

System.out.println(index);  // 2（nums[2] が 5）
Java

注意点として、「配列がソートされていること」が前提です。
ソートされていない配列に対して使うと、正しい結果になりません。

見つからなかった場合は、負の値が返ってきます。
初心者のうちは、

「0 以上なら、そのインデックスで見つかった」
「負の値なら、見つからなかった」

くらいを覚えておけば十分です。

copyOf / copyOfRange / fill：配列のコピーや初期化

copyOf で配列を丸ごとコピー（長さ変更もできる）

int[] nums = {1, 2, 3};

int[] copy = Arrays.copyOf(nums, nums.length);  // 同じ長さでコピー

System.out.println(Arrays.toString(copy));      // [1, 2, 3]
Java

第2引数に「新しい配列の長さ」を渡せるので、長さを変えつつコピーもできます。

int[] nums = {1, 2, 3};

int[] bigger = Arrays.copyOf(nums, 5);
System.out.println(Arrays.toString(bigger));  // [1, 2, 3, 0, 0]
Java

元の長さを超えた部分は、型のデフォルト値（int なら 0）で埋まります。

copyOfRange で一部分だけ切り出す

int[] nums = {10, 20, 30, 40, 50};

// index 1 〜 3（4 は含まない）をコピー
int[] part = Arrays.copyOfRange(nums, 1, 4);

System.out.println(Arrays.toString(part));  // [20, 30, 40]
Java

fromIndex（含む）から toIndex（含まない）まで、というお約束です。
String.substring と同じイメージです。

fill で全要素を同じ値で埋める

int[] nums = new int[5];

Arrays.fill(nums, 7);  // すべて 7 で埋める

System.out.println(Arrays.toString(nums));  // [7, 7, 7, 7, 7]
Java

「初期値が全部同じ」の配列を作りたいときに便利です。

equals / deepEquals：配列同士をちゃんと比較する

配列同士の == は「中身の比較」にならない

int[] a = {1, 2, 3};
int[] b = {1, 2, 3};

System.out.println(a == b);  // false
Java

== は「同じ配列オブジェクトかどうか（参照比較）」なので、中身は見てくれません。

「中身が同じかどうか」を比較したいときに Arrays.equals を使います。

System.out.println(Arrays.equals(a, b));  // true（要素がすべて等しい）
Java

要素数・各要素がすべて等しければ true です。

多次元配列なら deepEquals

配列の中に配列がある場合も、普通の equals では足りません。

int[][] x = {{1, 2}, {3, 4}};
int[][] y = {{1, 2}, {3, 4}};

System.out.println(Arrays.equals(x, y));       // false（参照の配列だけ比較）
System.out.println(Arrays.deepEquals(x, y));   // true（中まで潜って比較）
Java

2次元以上の配列を比較したいときは、
deepEquals を使うのが鉄板パターンです。

まとめ：Arrays クラスをどう自分の“標準装備”にするか

初心者向けに、Arrays クラスをこう整理しておくと使いやすくなります。

配列の中身をデバッグ表示したい → Arrays.toString / Arrays.deepToString
配列の並び替え → Arrays.sort
ソート済み配列から効率よく検索 → Arrays.binarySearch
配列をコピーしたい → Arrays.copyOf / Arrays.copyOfRange
配列を同じ値で初期化 → Arrays.fill
配列同士の中身の比較 → Arrays.equals / Arrays.deepEquals

どれも「自分で for 文を書くことはできるけど、毎回書きたくない処理」を
一発でやってくれるものばかりです。

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