Python | 1 日 60 分 × 7 日アプリ学習:初級編

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Day 1 Pythonの全体像と「Hello, World」

Pythonとは何か・何ができるのか

Pythonは、AI・機械学習、Web開発、データ分析、自動化スクリプトなど、かなり広い分野で使われている人気のプログラミング言語です。
文法がシンプルで読みやすく、「初心者が最初に学ぶ言語」としてよく選ばれます。

開発環境の準備イメージ

すでに環境がある前提で進めますが、典型的な選択肢は次のようなものです。

  • VS Code + Python 拡張機能
  • PyCharm
  • Jupyter Notebook(データ分析寄り)

どれを選んでも「Pythonコードを書いて実行できる」状態ならOKです。

はじめてのプログラム「Hello, World」

Pythonの超定番・最初の1行です。

print("Hello, World!")
Python

ここで理解してほしいこと

  • print は「画面に出力する命令」
  • "Hello, World!" は文字列(文字の並び)のデータ
  • print(…) の丸かっこ内に、出したいものを書く

"Hello, World!""こんにちは、Python" に変えて実行してみてください。

print("こんにちは、Python")
Python

自分が書いた文字がそのまま返ってくる感覚に慣れましょう。

例題:自己紹介を表示するプログラム

次のようなプログラムを書いてみてください。

print("私の名前は山田です")
print("Pythonの勉強を始めました")
print("目標は簡単なアプリを作れるようになることです")
Python

1行ずつ意味を追えることが大事です。「コンピュータに命令を順番に並べている」という感覚を掴んでください。

Day 1 のミニ課題

  • 自分の
    • 名前
    • 趣味
    • 好きな食べ物
      をそれぞれ print で3行表示するプログラムを書いてみる。

Day 2 変数と基本のデータ型

変数とは何か(超重要)

変数は「データに名前をつけて覚えさせる仕組み」です。

イメージとしては「ラベル付きの箱」です。

age = 25
name = "Taro"
height = 170.5
Python
  • age という箱に 25(年齢)
  • name という箱に "Taro"(名前)
  • height という箱に 170.5(身長)

を入れているイメージです。

なぜ変数が重要か(深掘り)

  • データを再利用できる
  • 値が変わっても「1か所の代入」を変えればよい
  • 大きなプログラムほど「意味のある名前」が必須になる

たとえば:

price = 1200
tax_rate = 0.1
total = price * (1 + tax_rate)
print(total)
Python

ここで 12002000 に変えても、コードの他の場所は触る必要がありません。

基本のデータ型

Pythonの代表的な基本型は次の通りです。

  • 整数: int(例: 10, -5
  • 小数: float(例: 3.14, 0.5
  • 文字列: str(例: "Hello", "Python"
  • 真偽値: boolTrue, False
age = 30          # int
temperature = 36.5  # float
name = "Hanako"   # str
is_member = True  # bool
Python

例題:合計と平均を計算する

次のコードを打って、値を変えながら実行してみてください。

score_1 = 80
score_2 = 95
score_3 = 70

total = score_1 + score_2 + score_3
average = total / 3

print("合計:", total)
print("平均:", average)
Python

ここでは

  • 合計と平均を別の変数に入れている
  • +/ を使って計算している

というところを意識して読み解いてください。

Day 2 のミニ課題

  • 自分の
    • 年齢
    • 身長
    • 好きな数字
      を変数に入れ、print で読みやすく表示するプログラムを書く

例:

age = 28
height = 165.2
favorite_number = 7

print("年齢:", age)
print("身長:", height)
print("好きな数字:", favorite_number)
Python

Day 3 演算と文字列操作の基礎

数値の演算(+ – * / など)

Pythonの基本的な数値演算は次の通りです。

a = 10
b = 3

print(a + b)   # 足し算 → 13
print(a - b)   # 引き算 → 7
print(a * b)   # 掛け算 → 30
print(a / b)   # 割り算(小数)→ 3.333...
print(a // b)  # 割り算(商だけ)→ 3
print(a % b)   # 割り算(余り)→ 1
print(a ** b)  # べき乗 → 1000
Python

//% は特に後でよく使うので、名前と意味を覚えてください。

文字列の連結と繰り返し

文字列には「くっつける」「繰り返す」ができます。

first = "Python"
second = "入門"

message = first + second
print(message)        # → Python入門

line = "=-"
print(line * 10)      # → =-=-=-=-=-=-=
Python

重要ポイント(深掘り)

  • 数値同士は計算できる
  • 文字列同士は「くっつける」ことができる
  • 数値と文字列はそのままでは足せない
age = 20
# print("年齢:" + age)  # これはエラーになる

print("年齢:" + str(age))  # str(age) で文字列に変換
Python

「型が違うものはそのままでは混ぜられない」という感覚が大事です。

例題:簡単なプロフィールカード

name = "Taro"
age = 20
hobby = "ゲーム"

profile = "名前: " + name + "\n年齢: " + str(age) + "\n趣味: " + hobby
print(profile)
Python

\n は「改行」を意味する特殊な文字です。

Day 3 のミニ課題

  • 商品の
    • 名前
    • 価格
    • 個数
      から、合計金額を表示するプログラムを作る

イメージ:

item_name = "ノートPC"
price = 120000
quantity = 2

total = price * quantity

print("商品名:", item_name)
print("単価:", price)
print("個数:", quantity)
print("合計金額:", total)
Python

Day 4 条件分岐 if 文の基礎

条件分岐とは

「もし〜なら、〜する」という分岐を作るのが if 文です。

構造はこうなります。

if 条件:
    条件が True のときに実行する処理
Python

Pythonでは「インデント(字下げ)」がとても重要です。
if の下にある「4スペース(またはタブ)」の部分が「条件が成り立ったときだけ実行される範囲」です。

比較演算子

条件の中でよく使う記号は次の通りです。

  • == : 等しい
  • != : 等しくない
  • > : より大きい
  • < : より小さい
  • >= : 以上
  • <= : 以下
age = 18

if age >= 18:
    print("大人です")
Python

if / else / elif

score = 75

if score >= 80:
    print("合格(A)")
elif score >= 60:
    print("合格(B)")
else:
    print("不合格")
Python

ここでの重要ポイント(深掘り)

  • 条件は上から順番に評価される
  • 最初に True になったところだけが実行され、それ以降は無視される
  • elif は「それ以外で、もし〜なら」
  • else は「どの条件にも当てはまらなかった場合の最後の受け皿」

例題:年齢による料金判定

age = 12

if age <= 3:
    print("無料")
elif age <= 12:
    print("子供料金")
elif age <= 64:
    print("大人料金")
else:
    print("シニア料金")
Python

いろいろな age を試して、どのメッセージが出るか確認してみてください。

Day 4 のミニ課題

  • テストの点数 score に応じて
    • 80以上 → "とてもよくできました"
    • 60以上80未満 → "よくできました"
    • 40以上60未満 → "もう少しです"
    • 40未満 → "がんばりましょう"
      と表示するプログラムを書く

Day 5 繰り返し for 文と range

繰り返しの基本 for 文

同じ処理を何度も行うときに使うのが for 文です。

for i in range(5):
    print(i)
Python

この例では

  • range(5)0, 1, 2, 3, 4 の5つを生み出す
  • i に順番にその値が入り、ブロック内が5回実行される

range のパターン

range(終了)          # 0 〜 終了-1
range(開始, 終了)    # 開始 〜 終了-1
range(開始, 終了, 間隔)  # 開始 〜 終了-1 を 間隔 ごと
Python

例:

for i in range(1, 6):
    print(i)  # 1〜5

for i in range(0, 10, 2):
    print(i)  # 0, 2, 4, 6, 8
Python

例題1:1〜10の合計を求める

total = 0

for i in range(1, 11):
    total = total + i   # あるいは total += i

print("合計:", total)
Python

ここでのポイントは「変数 total に足し込んでいく」というパターンです。
この「累積していく変数」の感覚はとてもよく使います。

例題2:九九の一の段を表示

for i in range(1, 10):
    print("1 ×", i, "=", 1 * i)
Python

数字を変えて、2の段・3の段も試してみてください。

Day 5 のミニ課題

  • 1〜100のうち、偶数だけを表示するプログラムを書く
    ヒント: i % 2 == 0 を使う

Day 6 リストと for 文の組み合わせ

リストとは(配列のようなもの)

リストは「複数のデータを1つにまとめて扱う箱」です。

scores = [80, 90, 75, 60]
names = ["Taro", "Hanako", "Ken"]
Python

インデックス(番号)は0から始まります。

print(scores[0])  # 80
print(scores[1])  # 90
Python

リストと for の組み合わせ

scores = [80, 90, 75, 60]

for score in scores:
    print("点数:", score)
Python

for score in scores:
「scores の中から1つずつ取り出して score という変数に入れながら繰り返す」という意味です。

例題:リストの平均を求める

scores = [80, 90, 75, 60]

total = 0
for score in scores:
    total += score

average = total / len(scores)  # len は要素数を返す関数
print("平均点:", average)
Python

深掘り:len と for の組み合わせの「型」

このパターンは非常によく出ます。

  1. 合計を入れる変数を 0 で用意
  2. for で1つずつ取り出して足し込む
  3. 最後に len(リスト) で割る

この3ステップを「パターン」として覚えておくと、応用が効きます。

例題:名前リストからメッセージを作る

names = ["Taro", "Hanako", "Ken"]

for name in names:
    print(name + "さん、こんにちは")
Python

Day 6 のミニ課題

  • 好きな食べ物を3〜5個、リストに入れる
  • for 文で1つずつ取り出して
    "私は〇〇が好きです"
    の形で表示するプログラムを書く

Day 7 関数で「まとまり」を作る・簡単なアプリ風

関数とは何か

関数は「処理のまとまりに名前をつけたもの」です。 Note

def say_hello():
    print("こんにちは")
    print("Pythonの勉強中です")

say_hello()  # 関数の呼び出し
Python

def 関数名(): で定義し、インデントされた部分が「中身」です。
最後に 関数名() と書けば、その処理が実行されます。

引数付きの関数

「呼び出すたびに少しだけ違う処理をしたい」場合、引数を使います。

def greet(name):
    print(name + "さん、こんにちは")

greet("Taro")
greet("Hanako")
Python

戻り値がある関数

計算して、その結果を返す関数です。

def calc_total_and_average(scores):
    total = 0
    for score in scores:
        total += score
    average = total / len(scores)
    return total, average

scores = [80, 90, 75, 60]
total, average = calc_total_and_average(scores)

print("合計:", total)
print("平均:", average)
Python

深掘り:関数を使う理由

  • 同じ処理を何度も書かなくてよくなる
  • 名前で「何をしているか」が説明できる
  • 大きなプログラムを「小さな部品」に分割できる

「コードを短くする」以上に、「読みやすく・考えやすくする」ために使います。

まとめミニアプリ:簡易成績チェッカー

ここまでの要素を少しまとめてみます。

def judge(score):
    if score >= 80:
        return "とてもよくできました"
    elif score >= 60:
        return "よくできました"
    elif score >= 40:
        return "もう少しです"
    else:
        return "がんばりましょう"

scores = [95, 72, 58, 30]

for score in scores:
    message = judge(score)
    print("点数:", score, "→", message)
Python

ここでは

  • リスト
  • for 文
  • if 文
  • 関数と戻り値

を組み合わせています。

Day 7 のミニ課題

  • 好きな数字を1つ引数で受け取り、
    • 偶数なら "偶数です"
    • 奇数なら "奇数です"
      を返す check_even_or_odd(number) 関数を書く
  • いくつかの数字をリストにし、for で回して結果を表示する

次のステップの提案

この7日で「Pythonの基礎文法の一周」はできるレベルです。

  • 変数・型
  • 演算
  • if
  • for + range
  • リスト
  • 関数

ここから先は、次のような方向に進むといいです。

  • 標準入力(input())を使ってユーザーから値を受け取る
  • 辞書型(dict)を学んで、設定やデータを表現する
  • 簡単な「家計簿」「ToDoリスト」などの小さなアプリを自分で設計して作る
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