Next.jsで学ぶReact講座(完全初心者向け・30日) | 第1章:準備と超基礎 – 開発環境の準備

Next.js
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Node.jsとは

「ブラウザの外で動くJavaScriptエンジン」

JavaScript はもともと「ブラウザの中で動く言語」でした。
Node.js は、その JavaScript を「パソコンの中(ブラウザの外)」でも動かせるようにした実行環境です。

イメージとしては、

  • ブラウザの中だけで使えていた JavaScript に、
  • 「パソコン全体を触れる力」「ファイルを読んだり書いたりする力」
  • 「サーバーとして動く力」

を与えてくれる存在です。

Next.js の開発では、

  • コマンドを実行してプロジェクトを作る
  • 開発サーバーを起動する
  • 本番用にビルドする

といったことを、全部 Node.js の上で行います。
なので「Next.js = Node.js の力を借りて動く React のフレームワーク」と考えると理解しやすいです。

Node.js が必須な理由

Next.js の公式ドキュメントでも、「Next.js を始めるには Node.js が必要」と明記されています。
例えば Next.js 16 のドキュメントでは、システム要件として「Node.js 20.9 以降」が必要とされています。
これは、Next.js が内部で Node.js を利用して、

  • 開発サーバー(next dev
  • ビルド処理(next build
  • 本番サーバー(next start

などを動かすからです。

ちゃんと入ったか確認する例

インストールできたかを確認する典型的な例は次のコマンドです。

node --version

ここで v20.11.0 のようなバージョンが表示されれば OK、というのがよくある確認方法です。


npm / npxの役割

npmとは何か(パッケージ管理の「アプリストア」)

npm は「Node Package Manager」の略で、Node.js のためのパッケージ管理ツールです。
「パッケージ」というのは、

  • 他の誰かが作って公開してくれている便利なコードのまとまり(ライブラリ・ツール)

だと思ってください。

スマホで言うと「App Store」や「Google Play」からアプリを入れるように、
Node.js の世界では npm を使って「必要な機能」をどんどんプロジェクトに入れていきます。

Next.js のプロジェクトの中でも、

  • React 本体
  • Next.js 本体
  • ESLint やスタイル関連のツール

などは、全部 npm 経由でインストールされます。

npxとは何か(インストールせずに一時的に実行するもの)

npx は「Node Package eXecutor」の略で、npm に付属しているツールです。
役割はシンプルで、「パッケージを、インストールしていなくても、その場で実行するためのコマンド」です。

例えば、Next.js の新しいプロジェクトを作るときに、

npx create-next-app@latest

のように使います。

このとき npx は、

  1. create-next-app というツールをインターネットから取得し、
  2. ローカルに永続的にインストールせず、
  3. 今だけ一時的に実行してくれます。

これによって、

  • PC の中がツールだらけで汚れない
  • いつも最新バージョンを簡単に使える

というメリットがあります。

npmとnpxをざっくり対比する

同じ「npm 系」ですが、感覚としてはこう整理すると分かりやすいです。

  • npm → プロジェクトの中に「道具を入れる」係(インストール・管理)
  • npx → 必要な道具を「その場で呼び出して使う」係(実行)

Next.js のスタートラインでは、

  • プロジェクト作成 → npx create-next-app@latest
  • できたプロジェクトの中でツールを使う → npm run dev など

という組み合わせで使います。


Next.jsプロジェクト作成

create-next-appで一気に土台を作る

Next.js には、公式で「create-next-app」というプロジェクト生成ツールが用意されています。
これは「Next.js 用のひな型を自動で作ってくれるコマンド」です。

Next.js 公式ドキュメントでも、「新しい Next.js アプリを作る最も簡単な方法は create-next-app を使うこと」と書かれています。

基本のコマンドは次のようになります。

npx create-next-app@latest

このコマンドを打つと、対話形式でいくつか質問されます。

例えば:

  • プロジェクト名は?(my-app など)
  • TypeScript を使いますか?
  • ESLint を使いますか?
  • Tailwind CSS を使いますか?
  • App Router を使いますか?(推奨)

といった選択肢が出てきます。

初心者向けおすすめ回答イメージ

完全初心者なら、とりあえず次のような選び方でも大丈夫です(言葉でイメージを書きます)。

  • プロジェクト名 → next-tutorial など分かりやすい名前
  • TypeScript → 最初は「No」でもOK(後から覚えてよい)
  • ESLint → 「Yes」にしておくとコードのミスを教えてくれる
  • Tailwind CSS → 最初は「No」でもOK(CSS に慣れてからでもよい)
  • App Router → 「Yes」(今の Next.js では標準的な選択)

もちろん、今の公式テンプレートでは「おすすめ設定をまとめてYes/No」で選べる場合もあります。

コマンド引数で一気に作る例

対話形式ではなく、オプションを最初から指定して作ることもできます。
例えば TypeScript プロジェクトを作るなら、こう書けます。

npx create-next-app@latest my-app --ts

my-app というフォルダに、TypeScript 版の Next.js プロジェクトが一気に出来上がります。


npm run dev で起動

開発サーバーを立ち上げる流れ

create-next-app でプロジェクトを作ったら、次はそのフォルダに移動します。

cd my-app

そして開発用サーバーを起動するために、次のコマンドを実行します。

npm run dev

Next.js の公式ドキュメントでも、プロジェクト作成後に cd my-appnpm run dev → ブラウザで http://localhost:3000 にアクセス、という流れが紹介されています。

「npm run dev」が何をしているのか

npm run dev は、「package.json に書いてある scripts の dev を実行する」という意味です。
Next.js プロジェクトでは、package.json に例えば次のような設定が自動で入っています。

{
  "scripts": {
    "dev": "next dev",
    "build": "next build",
    "start": "next start",
    "lint": "next lint"
  }
}

このとき、

  • npm run devnext dev を実行(開発サーバー起動)
  • npm run build → 本番用ビルド
  • npm run start → 本番サーバー起動
  • npm run lint → 静的解析ツールでコードチェック

という対応関係になっています。

初心者がまず覚えるべきは、npm run dev だけで十分です。
これを叩くと、Next.js が Node.js 上で開発サーバーを起動し、http://localhost:3000 でアプリが見られるようになります。

実際の動きのイメージ

  1. ターミナルで npm run dev を実行する
  2. 「ready – started server on 0.0.0.0:3000」 のようなログが出る
  3. ブラウザで http://localhost:3000 を開く
  4. Next.js のウェルカムページが表示される(初期画面)

ここまで行ければ、

  • Node.js が正しく動いている
  • npm / npx が正しく使えている
  • Next.js プロジェクトが正常に作成されている

という 3 点が一気に確認できたことになります。


開発環境準備の全体像(頭の中の地図)

ここまでの内容を、頭の中でつながるように整理しておきます。

1. Node.js をインストールする

Next.js を動かすための土台(実行環境)です。
これがないと、npx や npm も使えません。

2. npm / npx の役割を知っておく

  • npm → プロジェクト内のパッケージ管理
  • npx → パッケージのコマンドを一時的に実行する

Next.js を始めるときは、主に npx create-next-app@latestnpm run dev の 2 つを押さえておけばOKです。

3. create-next-app で Next.js プロジェクトを作成

npx create-next-app@latest を実行して、質問に答えるだけで、
「現場でも使えるレベルに近い Next.js の土台」が一気に生成されます。

4. プロジェクトに入って npm run dev で起動

cd プロジェクト名npm run dev で開発サーバーを起動し、
ブラウザで http://localhost:3000 を開いて、初期画面が出たら成功です。


ここまでの流れがスムーズにできるようになれば、
もう「Next.js × React の世界に入る準備」はほぼ完了です。

この次のステップでは、

  • app/page.tsx(または page.jsx)の中身を書き換えてみる
  • 自分のテキストや簡単なコンポーネントを追加してみる

あたりから手を動かしていくと、「あ、ちゃんと自分のコードが動いてる」と実感できるはずです。

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