概要
大量のデータを扱っていると、
「どこがエラーなのか一目で分かるようにしたい」
「エラーだけ色を付けて強調したい」
という場面が必ず出てきます。
Excel では 条件付き書式 × ISERROR(または IF) を使うことで、
エラーセルだけ自動で色分け表示 できます。
ここでは、初心者でも迷わないように、
設定手順・考え方・応用パターンを丁寧に解説します。
エラーを色分けする基本の考え方
条件付き書式で「エラーなら色付け」を実現する
条件付き書式は、
「セルの値が〇〇なら色を変える」
というルールを設定できる機能です。
エラーを色付けしたい場合は、
ISERROR 関数を条件に使うのが最もシンプルです。
=ISERROR(A2)
この式は、
- A2 がエラー → TRUE
- A2 が正常 → FALSE
となるので、
TRUE のときだけ色を付けるルールを作れば OK です。
エラーを色分けする設定手順(最も基本の方法)
A列のエラーセルだけ赤くする例
- A2:A100 を選択
- ホーム → 条件付き書式 → 新しいルール
- 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択
- 数式欄に次を入力:
=ISERROR($A2)
- 書式ボタンを押し、
塗りつぶし(背景色)を赤に設定 - OK を押して完了
これで、A列の中でエラーになっているセルだけが赤く表示されます。
IF と組み合わせて「エラー種類別に色分け」も可能
#N/A と #DIV/0! を別の色にしたい場合
条件付き書式は複数ルールを設定できます。
例:#N/A を黄色、#DIV/0! を赤にしたい
1つ目のルール(#N/A 用):
=ISNA($A2)
2つ目のルール(#DIV/0! 用):
=ISERR($A2)
※ISERR は「#N/A 以外のエラー」を TRUE にします。
これで、エラーの種類ごとに色分けできます。
IF を使って「エラーなら文字を表示」+「色付け」もできる
エラーセルに「エラー」と表示しつつ色付けしたい
セルの中身を IFERROR で整えつつ、
条件付き書式で色付けする方法です。
例:B2 に計算式を入れ、エラーなら「エラー」と表示したい
=IFERROR(何らかの計算式, "エラー")
そのうえで、条件付き書式に
=$B2="エラー"
を設定すれば、
「エラーと表示されているセルだけ色付け」できます。
行全体を色付けする(エラー行の強調)
B列がエラーの行を丸ごと色付けしたい
- A2:D100 を選択
- 条件付き書式 → 新しいルール
- 数式欄に次を入力:
=ISERROR($B2)
- 書式で背景色を設定
これで、
B列がエラーの行だけ、行全体に色が付く
という見やすい表が作れます。
エラーがない場合の対策(色が付かない理由)
「空白セル」や「空文字(””)」はエラーではない
ISERROR は「本当のエラー」だけ TRUE になります。
- 空白 → FALSE
- “”(空文字) → FALSE
- 数式の結果が正常 → FALSE
「空白も色付けしたい」場合は、別ルールを追加します。
=ISBLANK($A2)
例題
問題1
A2:A100 の中で、エラーになっているセルだけ赤くしたいです。
条件付き書式の「数式」欄に入力する式を書いてください。
=ISERROR($A2)
問題2
A2:A100 の中で、#N/A のセルだけ黄色にしたいです。
条件付き書式に入力する式を書いてください。
=ISNA($A2)
問題3
A2:A100 の中で、#DIV/0! のセルだけ赤くしたいです。
条件付き書式に入力する式を書いてください。
=ISERR($A2)
問題4
A〜D列の表で、B列がエラーの行だけ行全体を色付けしたいです。
条件付き書式に入力する式を書いてください。
=ISERROR($B2)
問題5
B2 に計算式を入れ、エラーなら「エラー」と表示したうえで色付けしたいです。
条件付き書式に入力する式を書いてください(セルの中身が「エラー」のとき色付け)。
=$B2="エラー"
まとめ
「エラーを色分け表示 → IF(条件付き書式)」のポイントは、
- ISERROR で「エラーかどうか」を判定
- 条件付き書式の数式欄に入れるだけで自動色分け
- ISNA / ISERR を使えばエラー種類別の色分けも可能
- 行全体の色付けも簡単にできる
というところにあります。
まずはこの基本形を覚えておけば十分です。
=ISERROR($A2)
エラーが混ざって見づらい表も、
条件付き書式で色分けすれば一気に“見える化”できます。
