概要
「入力漏れがどこにあるか分からない」
「この範囲に“欠損データ”が何件あるか、パッと知りたい」
そんなときに使うのが COUNTBLANK関数(カウントブランク)です。
COUNTBLANK は、指定した範囲の中にある 空白セルの数 を数える関数です。
アンケートの未回答や、名簿の未入力項目、進捗管理の「未着手件数」など、
“データが入っていない=欠損”をチェックするときの基本ツールになります。
COUNTBLANK の基本
構文と意味
COUNTBLANK の書式はとてもシンプルです。
=COUNTBLANK(範囲)
範囲に指定したセルの中で、
「空っぽのセルがいくつあるか」を数えてくれます。
ここでポイントなのは、
- 何も入力されていないセル(本当に空)
- 数式の結果として
""(空文字)を返しているセル
も「空白」としてカウントされることです。
一方で、0(ゼロ)が入っているセルは 空白とはみなされません。
「0 は値あり」「空白は欠損」として扱われるイメージです。
基本的なデータ欠損チェックの使い方
1列分の欠損件数を数える
例えば、A2:A101 にアンケートの回答が入っていて、
「未回答が何件あるか」知りたいとします。
=COUNTBLANK(A2:A101)
これで、A2〜A101 の中の空白セルの個数、
つまり「未回答件数」が一発で出ます。
「とりあえず、この列に欠損がどれくらいあるか」を確認する
一番ストレートな使い方です。
複数列をまとめて欠損チェックする
社員一覧で、名前(A列)、メール(B列)、電話番号(C列)など、
いくつかの必須項目がある場合、
全体の欠損数をざっくり知りたいこともあります。
例えば、A2:C101 全体で「空白セルが何個あるか」を見るなら、
=COUNTBLANK(A2:C101)
これで、
「この範囲の中で埋まっていない項目が、合計何セルあるか」
を確認できます。
行単位・人単位での欠損チェック
1人分(1行)で「欠損項目がいくつあるか」を見る
たとえば、A2:C2 に「氏名・メール・電話」が入っていて、
その人について 何項目欠損しているか をチェックしたいとします。
=COUNTBLANK(A2:C2)
結果が 0 なら「欠損なし」
1 なら「どれか1項目欠損」
2 なら「2つ欠損」…という具合です。
これを D列などに入れて下までコピーすれば、
各行ごとの「欠損数」が一覧できます。
欠損がある行だけ「要確認」と表示する
COUNTBLANK の結果を IF と組み合わせると、
検証メッセージも簡単に出せます。
=IF(COUNTBLANK(A2:C2)>0, "要確認", "")
A2:C2 のどこかが空白なら「要確認」
全部埋まっていれば空白(何も表示しない)
という“行単位の欠損フラグ”が作れます。
データ欠損チェックの応用
必須項目ごとの欠損状況を確認する
名簿で、
「メールアドレスが未入力の人が何人いるか」を数えたいなら、
=COUNTBLANK(B2:B101)
電話番号なら C列、住所なら D列…
という具合に列を変えるだけです。
これで、
「項目ごとの欠損状況」を簡単に把握できます。
COUNTBLANK と 0(ゼロ)の違いに注意
COUNTBLANK は、
「本当に空のセル」と「数式で "" を返しているセル」を数えますが、
0(ゼロ)が入力されているセルは カウントしません。
つまり、
- 未入力 → 欠損として数えたい
- 0 という値 → 正常なデータ
という前提で設計されています。
もし「0 も欠損扱いにしたい」という特殊なルールがある場合は、
COUNTBLANK だけでは足りないので、
別のロジック(COUNTIF 等)との組み合わせが必要になります。
例題
問題1
A2:A101 にアンケート回答が入っています。
未回答(空白セル)が何件あるかを COUNTBLANK で求める式を書いてください。
=COUNTBLANK(A2:A101)
問題2
社員一覧表で、A2:C101 に「氏名・メール・電話」が入っています。
この範囲全体で、空白セルが合計何個あるかを求める式を書いてください。
=COUNTBLANK(A2:C101)
問題3
A2:C2 に 1人分の情報が入っています。
その人について、未入力項目の数を求める式を書いてください。
=COUNTBLANK(A2:C2)
問題4
A2:C2 のどこかが空白なら「要確認」、
すべて埋まっていれば空白を表示する式を書いてください。
(COUNTBLANK と IF を組み合わせます)
=IF(COUNTBLANK(A2:C2)>0, "要確認", "")
問題5
B2:B101 にメールアドレスが入っています。
メールアドレスが未入力の件数を COUNTBLANK で求める式を書いてください。
=COUNTBLANK(B2:B101)
まとめ
「データ欠損チェック → COUNTBLANK」のポイントは次の通りです。
COUNTBLANK は指定範囲内の 空白セルの数 を数える関数で、
未入力や欠損データの件数把握に最適です。
- 何も入っていないセル
- 数式の結果が
""のセル
は「空白」としてカウントされますが、
0(ゼロ)が入っているセルはカウントされません。
まずはこの基本形を覚えておくと十分です。
=COUNTBLANK(チェックしたい範囲)
そこに IF を足して「要確認」フラグを付けるなど、
データ品質チェックの“入り口”としてどんどん使っていきましょう。
