概要
「この番号は奇数?偶数?」
「行番号が偶数の行だけ色を変えたい」
「伝票番号が奇数のときだけ“Aグループ”にしたい」
こういう 奇数/偶数判定 をシンプルにやってくれるのが
ISEVEN(偶数か?)/ISODD(奇数か?) です。
どちらも「YES / NO」を
TRUE(はい)/FALSE(いいえ)で返す、“判定専用”の関数です。
ISEVEN / ISODD の基本
役割と戻り値
ISEVEN
「偶数かどうか」を判定します。
偶数なら TRUE、そうでなければ FALSE。
ISODD
「奇数かどうか」を判定します。
奇数なら TRUE、そうでなければ FALSE。
どちらも書式は同じです。
=ISEVEN(数値)
=ISODD(数値)
例えば、A2 に数値が入っているとき
=ISEVEN(A2) ' A2 が偶数なら TRUE
=ISODD(A2) ' A2 が奇数なら TRUE
のように使います。
シンプルな奇数・偶数判定
A2 が偶数かどうかを判定する
A2 が偶数かどうかを TRUE / FALSE で判定する式は、次のとおりです。
=ISEVEN(A2)
A2 = 2, 4, 10 などのとき TRUE
A2 = 1, 3, 11 などのとき FALSE になります。
A2 が奇数かどうかを判定する
奇数かどうかを判定したいときは ISODD を使います。
=ISODD(A2)
A2 = 1, 3, 11 などのとき TRUE
A2 = 2, 4, 10 などのとき FALSE です。
IF と組み合わせて「奇数」「偶数」と表示する
TRUE / FALSE のままだと分かりにくいので、
IF 関数と組み合わせて「奇数」「偶数」と表示させるのが実務でよく使う形です。
A2 が偶数なら「偶数」、奇数なら「奇数」と表示する
=IF(ISEVEN(A2), "偶数", "奇数")
ISEVEN(A2) が TRUE のとき「偶数」、FALSE のとき「奇数」です。
「偶数か判定した結果」をそのまま分岐の条件にしています。
A2 が奇数なら「奇数」、偶数なら空白にする
奇数のときだけ印をつけたい、という場合は例えばこうです。
=IF(ISODD(A2), "奇数", "")
奇数のときだけ「奇数」、偶数は空白になります。
行番号と組み合わせた「交互のパターン」
行番号が偶数の行だけ色分けやフラグ
行番号 ROW() と組み合わせると、「2 行おきに何かする」が簡単にできます。
A列にデータがあるとして、
「偶数行だけ“偶数行”と表示したい」なら、B2 に次の式を書きます。
=IF(ISEVEN(ROW()), "偶数行", "")
ROW() は自分の行番号を返します。
ISEVEN(ROW()) が TRUE の行だけ「偶数行」と表示されます。
行番号が奇数の行を判定する
奇数行だけフラグを付けたいときは ISODD を使います。
=IF(ISODD(ROW()), "奇数行", "")
条件付き書式の数式でも同じ発想で、
奇数行/偶数行ごとに色を変えることができます。
番号ルールに応じたグループ分け
伝票番号が奇数なら「Aグループ」、偶数なら「Bグループ」
A2 に伝票番号が入っているとして、
奇数/偶数でグループ分けをする例です。
=IF(ISODD(A2), "Aグループ", "Bグループ")
奇数番号 → Aグループ
偶数番号 → Bグループ
というように、番号ルールで区分したいときに役立ちます。
番号が偶数のときだけ計算する
偶数番目の行だけ合計対象にしたい、といったときは、例えばこう書けます。
=IF(ISEVEN(ROW()), B2, 0)
偶数行なら B2 の値を返し、奇数行なら 0 を返します。
この列を SUM すれば、「偶数行だけの合計」が取れます。
例題
問題1
A2 の数値が偶数かどうかを TRUE / FALSE で判定する式を書いてください。
=ISEVEN(A2)
問題2
A2 の数値が奇数なら「奇数」、偶数なら「偶数」と表示する式を書いてください。
=IF(ISEVEN(A2), "偶数", "奇数")
問題3
行番号が偶数の行だけ「偶数行」と表示し、それ以外は空白にする式を B2 に書いてください。
=IF(ISEVEN(ROW()), "偶数行", "")
問題4
A2 に伝票番号が入っています。
伝票番号が奇数なら「Aグループ」、偶数なら「Bグループ」と表示する式を書いてください。
=IF(ISODD(A2), "Aグループ", "Bグループ")
問題5
B列に数値が入っています。
偶数行の値だけを合計したいとき、C2 に「偶数行なら B2、それ以外は 0」を返す式を書いてください。
=IF(ISEVEN(ROW()), B2, 0)
まとめ
ISEVEN / ISODD は、
- 数値が偶数か?奇数か?を
- TRUE / FALSE で教えてくれる“判定専用関数”です。
基本の形はとてもシンプルです。
=ISEVEN(数値) ' 偶数なら TRUE
=ISODD(数値) ' 奇数なら TRUE
これを IF や ROW() と組み合わせるだけで、
- 奇数/偶数で表示を変える
- 行ごとに交互の処理をする
- 番号ルールでグループ分けする
といったことが簡単にできます。
まずは A2 にいろいろな数値を入れて、ISEVEN / ISODD の反応を見てみるところから慣れていきましょう。
