概要
「田中さんの件数は何件?」「東京支店はいくつある?」「合格者は何人?」
こういう “条件に合うデータが何件あるか” を数えるときに使うのが COUNTIF 関数です。
COUNTIF は、
「この範囲の中で、“条件を満たすセル”がいくつあるか?」
を一発で数えてくれる、集計の超定番関数です。
COUNTIF の基本
基本の書式
=COUNTIF(範囲, 条件)
それぞれの意味はこうです。
範囲:
件数を数えたいセルの範囲(担当者一覧、支店名一覧、点数一覧など)
条件:
どのセルをカウント対象にするかのルール
(”田中”、”東京”、”>=60″ など)
イメージとしては、
範囲の中を上から下まで見ていき、
条件に当てはまったセルの数を数える
という動きです。
文字列条件での COUNTIF
特定の文字と一致する件数を数える
例:A2:A100 に担当者名が入っていて、
「田中」が何件あるかを数えたいとき。
=COUNTIF(A2:A100, "田中")
A2:A100 の中で「田中」と完全一致しているセルの数を返します。
部分一致(「田中」を含む件数)
「田中太郎」「山田田中」など、“田中”を含むすべてのセル件数を数えたいときは、
ワイルドカード * を使います。
=COUNTIF(A2:A100, "*田中*")
“田中” は「前後に何か文字がついていてもよい。とにかく田中を含めばカウント」という意味です。
空欄・空欄以外の件数
空欄の件数:
=COUNTIF(A2:A100, "")
空欄ではない件数:
=COUNTIF(A2:A100, "<>")
空欄チェックは「””」と「<>」を使うのがポイントです。
数値条件での COUNTIF
以上・以下・より大きい・より小さい
例:B2:B100 に点数が入っていて、「60点以上の件数」を数えたいとき。
=COUNTIF(B2:B100, ">=60")
不等号を使うときは、必ず "">=60""" のように文字列で書きます。
60点より上(61以上など)ならこうです。
=COUNTIF(B2:B100, ">60")
範囲(60点以上80点以下)の件数
COUNTIF は条件が1つだけなので、
「60以上80以下」は2つの COUNTIF を組み合わせて表現します。
=COUNTIF(B2:B100, ">=60") - COUNTIF(B2:B100, ">80")
- 60以上の件数を数える
- 80より大きい件数を引く → 残りが「60~80」の件数
という考え方です。
セル参照を使った COUNTIF
条件をセルに入力しておきたい場合
前提:
A2:A100 に担当者名、E2 に数えたい担当者名(例:田中)が入っている。
E2 の名前が何件あるかを数える:
=COUNTIF(A2:A100, E2)
「”田中”」と直接書かずに、セルを条件として使う形です。
数値条件+セル参照(基準をセルで変えたい)
前提:
B2:B100 に点数、E2 に合格ライン(例:60)が入っている。
「E2 の点数以上の件数」を数える:
=COUNTIF(B2:B100, ">="&E2)
ポイントは ">="&E2 の部分です。
“>=” という文字列と E2 の数字を & でつなげて、
例えば E2 が 60 なら "">=60""" という条件にしています。
ワイルドカード(部分一致)を使った COUNTIF
前方一致(「A」で始まるコードの件数)
例:C2:C100 に商品コードがあり、
「A から始まるコード」が何件あるかを数えたいとき。
=COUNTIF(C2:C100, "A*")
“A*” は「A で始まり、その後に何文字か続く」という意味です。
後方一致(「-01」で終わるコードの件数)
=COUNTIF(C2:C100, "*-01")
特定文字を含む件数
=COUNTIF(C2:C100, "*NG*")
“NG” を含むセルの件数を数えます。
COUNTIF を使うときの注意点
条件は「文字列」として書く
不等号付きの条件は必ず文字列で書きます。
“>=60”
“<100”
“<>東京”
セル参照と組み合わせるなら、
“>=”&セル
“<“&セル
の形にします。
条件は1つだけ(複数条件は COUNTIFS)
COUNTIF は 条件が1つだけ の関数です。
「担当者が田中 かつ 支店が東京」のような複数条件の件数は COUNTIFS を使います。
数値・文字列の「全角/半角」やスペースの混入に注意
文字条件のとき、
“東京” と “東京 “(末尾スペースあり)は別物です。
また、”A”(全角)と “A”(半角)も別扱いになります。
件数が合わないときは、「見えないスペース」「全角半角の違い」を疑ってください。
例題
問題1
A2:A100 に担当者名が入っています。
「田中」という担当者が何件あるかを数える COUNTIF の式を書いてください。
=COUNTIF(A2:A100, "田中")
問題2
B2:B100 に点数が入っています。
60点以上の件数を数える式を書いてください。
=COUNTIF(B2:B100, ">=60")
問題3
A2:A100 に担当者名が入っており、E2 に数えたい担当者名が入っています。
E2 の担当者が何件あるかを数える式を書いてください。
=COUNTIF(A2:A100, E2)
問題4
C2:C100 に商品コードが入っています。
「A」で始まる商品コードの件数を数える式を書いてください。
=COUNTIF(C2:C100, "A*")
問題5
B2:B100 に点数が入っており、E2 に合格ラインの点数が入っています。
「E2 以上の点数」の件数を数える式を書いてください。
=COUNTIF(B2:B100, ">="&E2)
まとめ
COUNTIF は、
「この条件に当てはまるデータは、いくつある?」
に答えるための 条件付き件数カウント関数です。
型はシンプルで、これだけです。
=COUNTIF(範囲, 条件)
文字条件なら "田中", "東京"、
数値条件なら ">=60", "<100"、
セル参照なら ">="&E2 のように書きます。
まずは自分の表で、
「誰の件数?」「どの支店の件数?」「何点以上の件数?」
といった問いを COUNTIF に置き換えてみてください。
集計の見え方が一段クリアになります。
