概要
「このセル、空白なのか?」「それとも 0 なのか?」
Excel では “空白” と “0” を区別したい場面がとても多いです。
例えば、
- 入力漏れ(空白)なのか
- 入力はしたけど値が 0 なのか
- 空白または 0 のときだけ警告を出したい
- 空白または 0 のときは計算しないようにしたい
こうした “空白 または 0” をまとめて判定するときに便利なのが OR 関数です。
OR は「どれか1つでも TRUE なら TRUE」になる関数なので、
空白 = TRUE
または
0 = TRUE
のどちらかを満たしたら TRUE → 「空白または0」と判定できます。
OR の基本
書式と動き
=OR(論理式1, 論理式2, …)
- 1つでも TRUE → 結果は TRUE
- 全部 FALSE → 結果は FALSE
この性質を使って「空白 または 0」を判定します。
空白または0を判定する基本形
A2 が空白 または 0 のとき TRUE
=OR(A2="", A2=0)
- A2 が空白 → TRUE
- A2 が 0 → TRUE
- それ以外(1、5、文字列など) → FALSE
これが最も基本的な「空白または0判定」です。
空白または0のときに別の値を返す(IF と組み合わせる)
空白または0なら「未入力」、それ以外なら A2 の値を返す
=IF(OR(A2="", A2=0), "未入力", A2)
- 空白 or 0 → 「未入力」
- それ以外 → A2 の値
入力チェックにとてもよく使う形です。
空白または0のときに計算を止める
空白または0なら空白を返し、そうでなければ A2×10 を計算
=IF(OR(A2="", A2=0), "", A2*10)
空白や 0 のときに無理に計算させるとエラーや不要な 0 が出るので、
このように「空白または0なら空白にする」パターンは実務で非常に多いです。
数値+文字列の複合チェック
A2 が空白 または「未定」のとき TRUE
=OR(A2="", A2="未定")
「空白 または 特定の文字列」をまとめて判定できます。
空白または0を“異常値”として扱う
空白または0なら「NG」、それ以外なら「OK」
=IF(OR(A2="", A2=0), "NG", "OK")
品質チェックや入力チェックでよく使う形です。
空白または0を数値化して集計する(応用)
空白または0の件数を数える(COUNTIF なしで)
=SUM(--OR(A2:A100="", A2:A100=0))
※動的配列対応の Excel でのみ動作
(初心者向けには「COUNTIF を使うほうが簡単」と覚えておけばOK)
例題
問題1
A2 が空白 または 0 のとき TRUE を返す OR の式を書いてください。
=OR(A2="", A2=0)
問題2
A2 が空白 または 0 のとき「未入力」、それ以外は A2 の値を返す式を書いてください。
=IF(OR(A2="", A2=0), "未入力", A2)
問題3
A2 が空白 または 0 のとき空白、それ以外は A2×10 を返す式を書いてください。
=IF(OR(A2="", A2=0), "", A2*10)
問題4
A2 が空白 または「未定」のとき TRUE を返す式を書いてください。
=OR(A2="", A2="未定")
問題5
A2 が空白 または 0 のとき「NG」、それ以外は「OK」と表示する式を書いてください。
=IF(OR(A2="", A2=0), "NG", "OK")
まとめ
「空白 または 0」を判定したいときは、
OR(A2=””, A2=0)
が基本形です。
これを IF と組み合わせれば、
- 未入力チェック
- 異常値チェック
- 計算の停止
- ラベル付け(OK/NG)
など、実務でよくある処理を簡単に作れます。
空白と 0 を区別したい場面は本当に多いので、
この OR の使い方はぜひマスターしておきましょう。
