ここからは Day 8〜14 の応用編 を、初級を終えたあなたが「一段上のPython使い」になるためのカリキュラムとして構成します。
基礎を踏まえつつ、アプリ開発に直結する実践的な内容を扱います。
もちろん、初心者でも理解できるように、丁寧にかみ砕いて説明します。
Day 8 入力と出力 ― ユーザーと対話するプログラム
input() でユーザーから値を受け取る
input() は「キーボードから文字を入力してもらう」ための関数です。
name = input("あなたの名前を入力してください: ")
print(name + "さん、こんにちは！")
input の重要ポイント（深掘り）
input()は 必ず文字列（str）として受け取る- 数値として使いたい場合は変換が必要
age = input("年齢を入力してください: ")
# print(age + 1) # エラーになる
age = int(age) # 数値に変換
print(age + 1)
例題：簡単な計算アプリ
price = int(input("商品の価格を入力してください: "))
quantity = int(input("個数を入力してください: "))
total = price * quantity
print("合計金額は", total, "円です")
Day 9 辞書（dict）でデータを整理する
辞書とは
辞書（dict）は「キーと値のセット」でデータを管理する構造です。
user = {
"name": "Taro",
"age": 20,
"hobby": "ゲーム"
}
print(user["name"])
辞書が強力な理由（深掘り）
- 「名前付きのデータ」をまとめて扱える
- JSON（Web API など）と構造が同じ
- アプリ開発で必須のデータ構造
例題：プロフィールを辞書で管理
profile = {
"name": "Hanako",
"age": 25,
"skills": ["Python", "HTML", "CSS"]
}
print("名前:", profile["name"])
print("スキル:", profile["skills"])
Day 10 ファイル操作 ― データを保存する
テキストファイルに書き込む
with open("memo.txt", "w", encoding="utf-8") as f:
f.write("これはメモです\n")
with の意味（深掘り）
withを使うと、ファイルを自動で閉じてくれる- 「開く → 書く → 閉じる」の流れを安全に管理できる
読み込む
with open("memo.txt", "r", encoding="utf-8") as f:
text = f.read()
print(text)
例題：簡易メモアプリ
memo = input("メモを入力してください: ")
with open("memo.txt", "a", encoding="utf-8") as f:
f.write(memo + "\n")
print("保存しました")
Day 11 例外処理 ― エラーに強いプログラム
try / except の基本
try:
num = int(input("数字を入力してください: "))
print(num * 2)
except ValueError:
print("数字を入力してください！")
例外処理の本質（深掘り）
- 「エラーが起きてもプログラムを止めない」ための仕組み
- アプリ開発では必須
- ユーザーの入力ミスを優しく扱える
例題：安全な割り算
try:
a = int(input("割られる数: "))
b = int(input("割る数: "))
print(a / b)
except ZeroDivisionError:
print("0 で割ることはできません")
except ValueError:
print("数字を入力してください")
Day 12 クラス（class）でオブジェクト思考の入口へ
クラスとは
「データ」と「処理」をひとまとめにした設計図です。
class Person:
def __init__(self, name, age):
self.name = name
self.age = age
def greet(self):
print(self.name + "です。よろしくお願いします！")
p = Person("Taro", 20)
p.greet()
クラスの重要ポイント（深掘り）
__init__は「初期化（最初に呼ばれる）」selfは「自分自身」- 大きなアプリはクラスで構造化されている
Day 13 ミニアプリ開発① ― ToDoリスト
必要な要素
- リスト
- 辞書
- 関数
- ファイル保存（任意）
サンプル：超シンプルToDo
tasks = []
def add_task():
task = input("追加するタスク: ")
tasks.append(task)
print("追加しました")
def show_tasks():
print("=== タスク一覧 ===")
for t in tasks:
print("-", t)
while True:
print("1:追加 2:表示 3:終了")
cmd = input("番号を入力: ")
if cmd == "1":
add_task()
elif cmd == "2":
show_tasks()
elif cmd == "3":
break
else:
print("正しい番号を入力してください")
Day 14 ミニアプリ開発② ― 成績管理アプリ（総まとめ）
使う要素
- input
- if
- for
- リスト
- 辞書
- 関数
- 例外処理
サンプル：成績管理アプリ
students = []
def add_student():
name = input("名前: ")
try:
score = int(input("点数: "))
except ValueError:
print("数字を入力してください")
return
students.append({"name": name, "score": score})
print("登録しました")
def show_students():
print("=== 成績一覧 ===")
for s in students:
print(s["name"], ":", s["score"])
def show_average():
if not students:
print("データがありません")
return
total = 0
for s in students:
total += s["score"]
print("平均点:", total / len(students))
while True:
print("1:追加 2:一覧 3:平均 4:終了")
cmd = input("番号を入力: ")
if cmd == "1":
add_student()
elif cmd == "2":
show_students()
elif cmd == "3":
show_average()
elif cmd == "4":
break
else:
print("正しい番号を入力してください")
ここまでで「初級 → 中級の入口」まで到達
Day 8〜14 では、実際のアプリ開発に必要な要素を一通り扱いました。
- 入力
- 辞書
- ファイル
- 例外処理
- クラス
- ミニアプリ構築
ここまで来れば、あなたはもう「Pythonで何か作れる人」です。
