2段階認証ってそもそも何か
2段階認証(2FA / 二要素認証)は、
「ログインするときに“もう1つ”確認を挟む仕組み」です。
今までは、
ユーザー名(またはメールアドレス)
パスワード
この2つだけでログインしていましたよね。
2段階認証を入れると、ここにさらに
スマホの認証アプリに表示される6桁コード
SMSで届くコード
物理キー(セキュリティキー)
などの「第2の鍵」が追加されます。
イメージとしては、
玄関の鍵(パスワード)
+
チェーンロック(2段階認証)
のような感じです。
どちらか片方だけでは入れない状態を作るのが目的です。
なぜ WordPress で2段階認証が“ほぼ必須レベル”なのか
パスワードは「思っているより簡単に破られる」
どれだけ強いパスワードを設定していても、
どこか別サービスから漏れた
フィッシングで入力してしまった
キーロガーなどで盗まれた
といった経路で、
「バレるときはバレる」ことがあります。
特に WordPress のログインページは、
世界中から自動攻撃の対象になりやすい場所です。
2段階認証を入れておけば、
仮にパスワードが漏れても、
「第2の鍵(スマホのコード)がないと入れない」
状態を作れます。
これは、セキュリティ的にめちゃくちゃ大きい差です。
管理画面を乗っ取られると“全部持っていかれる”
WordPress の管理画面に入られると、攻撃者は
記事の改ざん
マルウェアの設置
管理者ユーザーの追加
テーマ・プラグインの改変
など、ほぼ何でもできてしまいます。
サーバー全体を落とされるよりも、
「気づかれないまま悪用される」方が厄介なことも多いです。
2段階認証は、
この「管理画面への侵入」を一段階重くするための防御です。
2段階認証の“中身”をもう少し分解してみる
よく使われる2つの要素
2段階認証は、よく次の2つを組み合わせます。
知っているもの
パスワード、PINコード など
持っているもの
スマホ、セキュリティキー、認証アプリ など
WordPress の場合は、
知っているもの:ログインID+パスワード
持っているもの:スマホの認証アプリに表示される6桁コード
という組み合わせが一般的です。
つまり、
「IDとパスワードを知っているだけの人」では足りず、
「あなたのスマホを持っている人」でないとログインできません。
認証アプリのイメージ
2段階認証でよく使うのが、
Google Authenticator
Microsoft Authenticator
Authy など
といった「認証アプリ」です。
これらは、
WordPress 側と一度だけ“秘密の鍵”を共有しておき、
その鍵をもとに「30秒ごとに変わる6桁コード」を生成します。
ログイン時には、その時点のコードを入力します。
コードはすぐに変わるので、
盗み見されても再利用されにくい仕組みです。
WordPress で2段階認証を使う流れ(イメージ)
1. プラグインで2段階認証機能を追加する
WordPress 本体には、
標準で2段階認証機能はありません(2026年時点の一般的な状況として)。
そのため、多くの場合は
セキュリティ系プラグイン(例:Wordfence, iThemes Security など)
2FA専用プラグイン
のどちらかを使って、
2段階認証機能を追加します。
プラグインを有効化すると、
ユーザープロフィールやログイン設定の中に
「2段階認証」「Two-Factor Authentication」などの項目が増えます。
2. 自分のアカウントに2段階認証を設定する
一般的な流れはこんな感じです。
管理画面で自分のプロフィールを開く
「2段階認証を有効化」的なボタンを押す
QRコードが表示される
スマホの認証アプリでQRコードを読み取る
アプリに表示された6桁コードを入力して確認する
これで、
WordPress アカウント
スマホの認証アプリ
がペアリングされた状態になります。
以降、ログイン時には
ID+パスワード
+
認証アプリの6桁コード
の2段階でログインすることになります。
例題:ログインの流れがどう変わるか
2段階認証なしの場合
https://example.com/wp-login.phpを開く- ユーザー名とパスワードを入力
- そのままダッシュボードに入れる
ここで、もしパスワードが漏れていたら、
攻撃者も同じ手順で簡単に入れてしまいます。
2段階認証ありの場合
- ログインページでユーザー名とパスワードを入力
- 「2段階認証コードを入力してください」と表示される
- スマホの認証アプリを開く
- 表示されている6桁コードを入力
- 正しければダッシュボードに入れる
攻撃者がパスワードを知っていても、
スマホを持っていなければ、ここで止まります。
重要ポイント:バックアップコードと“詰み防止”
スマホを失くしたらログインできなくなる?
2段階認証で一番怖いのは、
スマホを失くした
スマホが壊れた
機種変更で認証アプリの設定を移し忘れた
といったときに、
「自分もログインできなくなる」ことです。
これを防ぐために、多くのプラグインは
バックアップコード(リカバリーコード)
を発行してくれます。
これは、
「もし認証アプリが使えなくなったときに、一度だけ使える非常用パスワード」
のようなものです。
バックアップコードの扱いが超重要
2段階認証を設定するときは、
必ずこのバックアップコードを
紙に印刷して安全な場所に保管する
パスワードマネージャーに保存する
などして、
「スマホとは別の場所」に保管しておきましょう。
これをやっておけば、
最悪スマホを失くしても、
バックアップコードでログインして設定をやり直せます。
2段階認証は強力ですが、
バックアップの仕組みまで含めて設計してこそ“ちゃんとしたセキュリティ”です。
複数ユーザーがいるサイトでの2段階認証
管理者だけでなく“権限の強いユーザー”にも必須にしたい
WordPress には、
管理者
編集者
投稿者
寄稿者
購読者
などの権限があります。
特に、
管理者(Admin)
編集者(Editor)
は、サイト全体に大きな影響を与えられる権限です。
理想的には、
管理者は必須
編集者もできれば必須
投稿者も可能なら有効化推奨
くらいの感覚で、
「権限が強い人ほど2段階認証を必須にする」方針を取ると安心です。
チーム運用では「ルール」として決めておく
複数人で運用している場合は、
アカウントを発行したら、最初に2段階認証を設定してもらう
バックアップコードの扱いも説明しておく
2段階認証をオフにしないルールを決める
といった“運用ルール”もセットで決めておくと、
セキュリティレベルが安定します。
プログラミングの感覚で捉える2段階認証
これは「管理画面へのアクセス制御を1段階増やすミドルウェア」
Webアプリケーションで言えば、
ログイン処理
+
追加の認証ステップ(ミドルウェア)
を挟んでいるイメージです。
ルート /wp-admin/ に入る前に、
「本当に本人か?」をもう一度確認するフィルターを追加している、
と言い換えてもいいです。
「攻撃される前提」で設計する
今の時代、
「うちみたいな小さなサイトは狙われないよ」は通用しません。
ボットは世界中の WordPress を自動でスキャンし、
ログインページに総当たりをかけてきます。
2段階認証は、
攻撃されないようにする
ではなく
攻撃されても破られにくくする
ための仕組みです。
これは、
堅牢なコードを書くのと同じくらい、
「最初から組み込んでおくべき設計」です。
まとめ:2段階認証は“面倒くささ”より“安心”が圧倒的に勝つ
「2段階認証の利用」というテーマの本質は、
パスワードが破られる前提で考える
管理画面への侵入コストを一段階上げる
自分のサイトを“簡単な標的”にしない
というところにあります。
やること自体はシンプルで、
2FA対応のプラグインを入れる
自分のアカウントで2段階認証を有効化する
スマホの認証アプリと連携する
バックアップコードを安全な場所に保管する
この4ステップです。
ログインのたびに6桁コードを打つのは、
最初は少し面倒に感じるかもしれません。
でも、「もし乗っ取られたら…」を一度リアルに想像してみると、
その数秒は安すぎるくらいの“保険”だと分かるはずです。


