マクロセキュリティは「安全にVBAを使うための門番」
Excel VBA を学ぶうえで、マクロセキュリティは絶対に避けて通れません。
なぜなら、VBA は「Excel を自動で動かす力」を持っているぶん、悪意のあるコードが混ざると危険だからです。
マクロセキュリティは、
“このファイルのマクロを実行しても安全か?”を判断する仕組み
だと思ってください。
超初心者のうちは、
「なんか Excel がマクロを止めてくる…」
「黄色い警告バーが出て動かない…」
と戸惑うことが多いですが、仕組みを理解すれば怖くありません。
ここでは、例を交えながら“安全に VBA を使うための考え方”を丁寧に解説します。
マクロセキュリティが必要な理由
VBA は Excel を自由に動かせる=悪用もできる
VBA は便利ですが、次のようなこともできます。
- ファイルを勝手に作る・削除する
- メールを送る
- 他のアプリを操作する
- PC 内の情報を読み取る
つまり、悪意のあるマクロが混ざると、ウイルスのように動く可能性があるということです。
だから Excel は、
「知らない人からもらったファイルのマクロは、まず止めておこう」
という安全設計になっています。
これが、黄色い警告バーや「マクロが無効になっています」というメッセージの正体です。
マクロセキュリティの基本設定を理解する
セキュリティセンターの場所
Excel のメニューから次の順で開きます。
ファイル → オプション → セキュリティセンター → セキュリティセンターの設定 → マクロの設定
ここに、マクロの動作を決める選択肢が並んでいます。
代表的な設定をやさしく解説
すべてのマクロを無効にする(通知なし)
マクロは一切動かない。
通知も出ないので、初心者には「なんで動かないの?」と混乱しやすい設定。
すべてのマクロを無効にする(通知あり)
一番よく使われる安全な設定。
マクロを含むファイルを開くと、黄色い警告バーが出て「有効化」できる。
すべてのマクロを有効にする(危険)
絶対におすすめしません。
どんなマクロでも勝手に実行されてしまうため、ウイルスに弱くなります。
デジタル署名されたマクロのみ有効
信頼できる発行元の署名があるマクロだけ実行する設定。
企業環境でよく使われます。
黄色い警告バーの意味を理解する
警告バーは「危険」ではなく「確認してね」という合図
マクロを含むファイルを開くと、次のような黄色いバーが出ます。
「セキュリティの警告:マクロが無効にされています」
これは Excel が
「このファイルのマクロ、実行しても大丈夫?」
とあなたに確認しているだけです。
信頼できるファイルなら「コンテンツの有効化」を押せばOK。
知らない相手からのファイルなら、絶対に押さない。
この判断が、マクロセキュリティの最重要ポイントです。
信頼できる場所(Trusted Locations)という仕組み
特定のフォルダに置いたファイルは自動でマクロが有効になる
Excel には「信頼できる場所」という設定があります。
ここに登録されたフォルダに置いたファイルは、警告なしでマクロが実行できます。
例:
自分の PC の
C:\Users\あなたの名前\Documents\MyMacros
を「信頼できる場所」に登録しておけば、
そこに置いたマクロは毎回「有効化」しなくても動きます。
ただし、むやみに増やすのは危険
信頼できる場所は便利ですが、
「誰でもファイルを置けるフォルダ」を登録すると危険です。
安全な使い方は、
“自分だけが触れるフォルダ”を信頼できる場所にする
ということです。
例題:安全にマクロを実行する流れを体験する
例:自分で作ったマクロを安全に動かす
- 新しい Excel ファイルを作る
- マクロを書いて保存(拡張子は .xlsm)
- ファイルを閉じて、もう一度開く
- 黄色い警告バーが出る
- 「コンテンツの有効化」を押す
- マクロが実行できるようになる
この流れを一度体験すると、
「Excel は危険だから止めているのではなく、確認しているだけ」
という感覚がつかめます。
例題:危険なファイルを見分ける練習
次のようなファイルは、絶対にマクロを有効化してはいけません。
- メールで突然送られてきた
- 差出人が知らない人
- 内容が「これ開いてみて」「重要」とだけ書かれている
- zip で圧縮されている
- ファイル名が不自然(請求書.xlsm、写真.xlsm など)
こういうファイルは、マクロウイルスの典型です。
Excel が警告してくれるのは、あなたを守るためです。
マクロセキュリティの本質を深掘りする
Excel は「危険だから止めている」のではなく「判断をあなたに委ねている」
Excel は、
「このマクロが安全かどうかは、あなたが判断してね」
というスタンスです。
だからこそ、
“信頼できる相手からのファイルだけ有効化する”
というルールを守ることが、最大の防御になります。
VBA を学ぶ人ほど、セキュリティを理解しておくべき理由
VBA を書けるようになると、
「自分のマクロは安全」
という感覚が強くなりがちです。
でも、他人のマクロは別物です。
VBA を理解している人ほど、
「悪意のあるコードがどれだけ危険か」
を知っているので、セキュリティ意識が高いのです。
まとめ:マクロセキュリティは“敵”ではなく“味方”
マクロセキュリティは、
あなたの PC を守るための“門番”です。
今日のポイントを整理すると、
マクロは便利だが、悪用されると危険
Excel は安全のために、マクロを自動で止めている
黄色い警告バーは「確認してね」という合図
信頼できるファイルだけ「有効化」する
信頼できる場所を使うと、自分のマクロは快適に動く
この5つを押さえておけば、
「マクロが動かない…怖い…」という不安はなくなります。

