概要
Excelで「文字列の末尾が特定の文字かどうか」を判定したいときは、RIGHT関数＋比較演算子（=）を組み合わせます。RIGHTで文字列の末尾部分を切り出し、それが特定の文字と一致するかどうかを「=」で判定する仕組みです。データチェックや条件分岐に役立ちます。
基本の使い方
書式
=RIGHT(文字列,1)="特定文字"
RIGHT(文字列,1)：文字列の末尾1文字を抽出="特定文字"：その文字が特定文字と一致するか判定- 結果はTRUE（一致）またはFALSE（不一致）で返ります
例
=RIGHT("Excel",1)="l" // TRUE
=RIGHT("Excel",1)="x" // FALSE
具体例
末尾が「A」かどうか判定
=RIGHT(A2,1)="A"
A2が「Banana」ならTRUE、A2が「Apple」ならFALSE。
末尾が「0」かどうか判定（数値文字列）
=RIGHT(B2,1)="0"
B2が「1230」ならTRUE、B2が「1234」ならFALSE。
末尾が「郎」かどうか判定（漢字）
=RIGHT(C2,1)="郎"
C2が「山田太郎」ならTRUE、C2が「山田花子」ならFALSE。
応用テンプレート
IF関数と組み合わせてメッセージ表示
=IF(RIGHT(D2,1)="A","末尾はAです","Aではありません")
COUNTIFで範囲内の判定数を集計
=COUNTIF(E2:E10,"*A")
末尾が「A」のセルを一括で数えられます。ワイルドカード「*」を使う方法です。
OR関数で複数文字を判定
=OR(RIGHT(F2,1)="A",RIGHT(F2,1)="B")
末尾が「A」または「B」ならTRUE。
よくあるつまずきと対策
大文字小文字の違い
Excelの比較は大文字小文字を区別します。「A」と「a」は別文字。区別したくない場合はUPPERやLOWERで統一しましょう。
=RIGHT(UPPER(G2),1)="A"
数値と文字列の違い
セルに数値が入っている場合、RIGHTは文字列として扱います。数値を判定するならTEXTで文字列化してから処理すると安心です。
ワイルドカードを使う方法
COUNTIFやSEARCHを使えば「末尾が特定文字」の判定を簡略化できます。例：=COUNTIF(A2,"*A")。
例題
問題1: A2セルの文字列が「A」で終わるかどうかをB2にTRUE/FALSEで表示してください。
解答例:
=RIGHT(A2,1)="A"
問題2: C2セルの文字列が「0」で終わるかどうかをD2に表示してください。
解答例:
=RIGHT(C2,1)="0"
問題3: E2セルの文字列が「郎」で終わる場合は「末尾は郎」、そうでなければ「違う」とF2に表示してください。
解答例:
=IF(RIGHT(E2,1)="郎","末尾は郎","違う")
問題4: G2セルの文字列が「A」または「B」で終わる場合にTRUEを返す式をH2に作成してください。
解答例:
=OR(RIGHT(G2,1)="A",RIGHT(G2,1)="B")
問題5: I2:I10の範囲で「A」で終わるセルの数をJ2に表示してください。
解答例:
=COUNTIF(I2:I10,"*A")
まとめ
文字列の末尾判定は RIGHT＋= の組み合わせが基本です。IFやCOUNTIFと組み合わせれば、条件分岐や集計にも応用できます。講師として強調したいのは「末尾判定はデータチェックの基本動作」。これを習得すれば、Excelでの文字列処理が一段と自在になります。