Day 11 のゴールと全体イメージ
Day 11 では、プログラムの中で「同じ処理を何度も繰り返す」ための基本構文である for 文 を学びます。 繰り返しは、実用的なプログラムを作るうえで欠かせない考え方であり、for 文はその代表的な書き方です。
学ぶことは次のとおりです。
- for 文の基本構造
- カウンター(繰り返しを数える変数)
- 繰り返し回数の考え方
これらをステップバイステップでかみ砕きながら、初心者の方でも自然に使えるようになることを目指します。
for 文の基本構造を理解する
「何回繰り返すか」をコードで表現する
for 文は、
「決められた回数だけ、同じ処理を繰り返す」
ための構文です。基本形は次のようになります。
for (初期化; 条件; 更新)
{
// 繰り返したい処理
}
C#それぞれの部分には、次のような役割があります。
- 初期化:カウンター変数を用意して、最初の値を設定する
- 条件:繰り返しを続けるかどうかを決める(true の間だけ繰り返す)
- 更新:1 回の処理が終わるたびに、カウンターの値を変える
この3つがセットになって、「何回繰り返すか」をコントロールします。
カウンター変数とは何か
「今何回目か」を覚えておく変数
for 文では、よく i や count という名前の変数が使われます。 これは カウンター変数 と呼ばれ、
「今、何回目の繰り返しなのか」
を覚えておくための変数です。
例えば、次のような for 文を考えてみます。
for (int i = 0; i < 5; i++)
{
Console.WriteLine(i);
}
C#ここでの i は、
- 最初は
0(初期化) i < 5の間、繰り返しを続ける(条件)- 1 回の処理が終わるたびに
i++で 1 ずつ増える(更新)
という動きをします。
重要ポイント:
- カウンター変数は「繰り返しの回数」と「今何回目か」を表す軸になります。
int i = 0;のように、for 文の中で宣言するのが一般的です。
繰り返し回数をイメージする
「0 から 4 まで」か「1 から 5 まで」か
for 文を書くときに大事なのは、
「何回繰り返したいのか」 「カウンターをどこからどこまで動かすのか」
をイメージすることです。
例えば、「5 回繰り返したい」という場合、次の2通りの書き方があります。
0 から 4 までの 5 回
for (int i = 0; i < 5; i++)
{
Console.WriteLine($"i の値:{i}");
}
C#この場合、i の値は 0, 1, 2, 3, 4 の 5 回です。
1 から 5 までの 5 回
for (int i = 1; i <= 5; i++)
{
Console.WriteLine($"i の値:{i}");
}
C#この場合、i の値は 1, 2, 3, 4, 5 の 5 回です。
重要ポイント:
- 「何回繰り返すか」と「カウンターの値の範囲」はセットで考えます。
- 配列やリストなどでは「0 から始める」ことが多く、 人間向けの表示では「1 から始める」ことが多いです。
具体例1:同じメッセージを 5 回表示する
シンプルな繰り返しで for 文に慣れる
まずは、for 文の感覚をつかむために、同じメッセージを 5 回表示する例を見てみます。
using System;
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
// 「こんにちは」を 5 回表示する
for (int i = 0; i < 5; i++) // i は 0 から 4 まで変化します
{
Console.WriteLine("こんにちは");
}
Console.ReadLine();
}
}
C#このコードでは、
int i = 0;でカウンターを 0 からスタートi < 5の間、繰り返しを続ける- 1 回の処理が終わるたびに
i++で 1 ずつ増える
という流れで、合計 5 回「こんにちは」が表示されます。
ポイント:
- 「何回繰り返すか」を決めるのは、条件部分(ここでは
i < 5)です。 - カウンターの値そのものを使わない場合でも、for 文は「回数を決める」ために使えます。
具体例2:1〜10 の数字を順番に表示する
カウンターの値をそのまま使う
次に、カウンターの値をそのまま表示する例を見てみます。
using System;
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
// 1 から 10 までの数字を表示する
for (int i = 1; i <= 10; i++) // i は 1 から 10 まで変化します
{
Console.WriteLine(i);
}
Console.ReadLine();
}
}
C#このコードでは、
int i = 1;で 1 からスタートi <= 10の間、繰り返しを続けるi++で 1 ずつ増やしていく
ことで、1, 2, 3, ..., 10 が順番に表示されます。
重要ポイント:
- 「1 から 10 まで表示したい」という日本語のイメージを、
int i = 1; i <= 10; i++という形に落とし込んでいます。 - カウンターの開始値と終了条件を変えることで、自由に範囲を指定できます。
具体例3:合計値を計算する(1〜10 の合計)
繰り返しの中で「足し合わせる」
for 文は、「同じ処理を繰り返す」だけでなく、 繰り返しの中で「合計を計算する」といった処理にもよく使われます。
1〜10 の合計を求める例を見てみましょう。
using System;
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
int sum = 0; // 合計値を入れる変数。最初は 0 からスタートします。
// 1 から 10 までの数字を順番に足していきます
for (int i = 1; i <= 10; i++)
{
sum = sum + i; // 現在の合計に i を足します
}
Console.WriteLine($"1 から 10 までの合計は {sum} です。");
Console.ReadLine();
}
}
C#このコードでは、
sumという合計用の変数を 0 で初期化iを 1 から 10 まで動かしながら、毎回sum = sum + i;で足し合わせる- 最終的に
sumには1 + 2 + ... + 10の結果が入る
という流れになっています。
重要ポイント:
- 「合計を計算する」ときは、合計用の変数を 0 からスタートするのが基本です。
- for 文の中で、カウンターの値を使って計算することで、 「規則的な処理」を簡潔に書くことができます。
具体例4:繰り返し回数をユーザー入力で決める
「何回繰り返しますか?」と聞いてみる
for 文の「繰り返し回数」は、固定値だけでなく、ユーザー入力から決めることもできます。
using System;
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
Console.WriteLine("何回メッセージを表示しますか?:");
string countText = Console.ReadLine();
int count = int.Parse(countText); // 繰り返し回数
for (int i = 1; i <= count; i++)
{
Console.WriteLine($"これは {i} 回目のメッセージです。");
}
Console.ReadLine();
}
}
C#このコードでは、
- ユーザーに「何回表示するか」を入力してもらう
- その値を
countとして受け取り、i <= countの条件に使う - 実行するたびに、繰り返し回数を変えられる
という動きになります。
ポイント:
- 繰り返し回数を「変数」にすることで、柔軟なプログラムになります。
- 「回数」と「カウンターの範囲」をセットで考えることが、for 文の理解につながります。
Day 11 のまとめ
Day 11 では、制御構文のひとつである for 文 を中心に、
- for 文の基本構造(初期化・条件・更新)
- カウンター変数の役割
- 繰り返し回数の考え方
- メッセージ表示・数値表示・合計計算・ユーザー入力との組み合わせ
を具体例とともに確認しました。
for 文は、
- 「同じ処理を何度も繰り返したい」
- 「規則的な数値の変化に合わせて処理したい」
- 「合計や集計をしたい」
といった場面で、非常に頻繁に使われます。
ぜひ、
- 繰り返し回数や開始値・終了条件を変えながら、動きを確認する
- カウンターの値を使って、メッセージや計算内容を工夫してみる
- 「日本語でイメージした繰り返し」を、for 文に落とし込む練習をする
といったステップを通して、「繰り返し処理を自分で設計できる感覚」を育てていってください。
Day 11 練習のゴール
Day 11 の練習では、for 文を使って次の3つを順番に作っていきます。
- 1〜100 を表示
- 偶数だけ表示
- 1〜100 の合計
この中で自然に、
- for 文の書き方
- カウンター変数の役割
- 繰り返し回数の考え方
を体に馴染ませていくことを目指します。
1〜100 を表示する:for 文の基本練習
ステップ1:日本語でイメージする
まずは、日本語でやりたいことを整理します。
「1 から 100 までの数字を、順番に表示したい。」
このイメージを、for 文に落とし込んでいきます。
- カウンター変数:
i - 開始値:
1 - 終了条件:
i <= 100 - 更新:
i++(1 ずつ増やす)
ステップ2:コードで書いてみる
using System;
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
// 1 から 100 までの数字を表示します
for (int i = 1; i <= 100; i++) // i は 1 から 100 まで変化します
{
Console.WriteLine(i); // 現在の i の値を表示します
}
Console.ReadLine(); // 画面がすぐ閉じないように待機します
}
}
C#重要ポイント:
- 「1 から 100 まで」という日本語のイメージを、
int i = 1; i <= 100; i++に変換しています。 - カウンター
iの値が、そのまま表示したい数字になっています。
偶数だけ表示する:条件と組み合わせる
ステップ1:日本語でイメージする
次に、1〜100 の中から 偶数だけ を表示したいとします。
「1 から 100 までの数字のうち、偶数だけを表示したい。」
偶数の条件は、
「2 で割った余りが 0 の数」
つまり、number % 2 == 0 です。
ステップ2:for 文 + if 文で書いてみる
using System;
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
// 1 から 100 までの数字のうち、偶数だけを表示します
for (int i = 1; i <= 100; i++)
{
// i を 2 で割った余りが 0 なら偶数です
if (i % 2 == 0)
{
Console.WriteLine(i);
}
}
Console.ReadLine();
}
}
C#重要ポイント:
- for 文は「範囲を回す」、if 文は「条件で絞る」という役割分担です。
i % 2 == 0という条件で、偶数だけを通過させています。
別パターン:カウンターを偶数だけにする
偶数だけを表示したい場合、カウンターを「2 ずつ増やす」方法もあります。
using System;
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
// 2 から 100 までの偶数を表示します
for (int i = 2; i <= 100; i += 2) // i を 2 ずつ増やします
{
Console.WriteLine(i);
}
Console.ReadLine();
}
}
C#ポイント:
i += 2は「i に 2 を足す」という意味です。- 条件(
i % 2 == 0)で絞るか、更新(i += 2)で偶数だけ回すか、 どちらの書き方もよく使われます。
1〜100 の合計を求める:繰り返し + 計算
ステップ1:日本語でイメージする
次は、1〜100 の合計を求めたいとします。
「1 から 100 までの数字を、全部足した合計を求めたい。」
このときの考え方はシンプルです。
- 合計用の変数
sumを 0 からスタートする - 1〜100 を順番に回しながら、毎回
sumに足していく
ステップ2:コードで書いてみる
using System;
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
int sum = 0; // 合計値を入れる変数。最初は 0 からスタートします。
// 1 から 100 までの数字を順番に足していきます
for (int i = 1; i <= 100; i++)
{
sum = sum + i; // 現在の合計に i を足します
// sum += i; と書いても同じ意味です
}
Console.WriteLine($"1 から 100 までの合計は {sum} です。");
Console.ReadLine();
}
}
C#重要ポイント:
- 合計用の変数は、必ず「0」からスタートします。
sum = sum + i;は、「今までの合計に、今回の i を足す」という意味です。- for 文の中で、カウンターの値を使って計算することで、 規則的な処理を簡潔に書けます。
練習テンプレート:範囲と条件を変えて遊ぶ
1〜N の合計を求める汎用テンプレート
for 文の感覚を深めるために、「1〜N の合計」を求めるテンプレートを示します。 N はユーザー入力で決めるようにします。
using System;
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
Console.WriteLine("合計を計算したい最大の数 N を入力してください:");
string nText = Console.ReadLine();
int n = int.Parse(nText); // 最大値 N
int sum = 0; // 合計値
for (int i = 1; i <= n; i++)
{
sum += i; // sum = sum + i と同じ意味です
}
Console.WriteLine($"1 から {n} までの合計は {sum} です。");
Console.ReadLine();
}
}
C#このテンプレートを使って、
- N を 10、100、1000 に変えてみる
- 偶数だけの合計(
if (i % 2 == 0)を追加)にしてみる - 3 の倍数だけの合計(
i % 3 == 0)にしてみる
など、いろいろなパターンを試すと、for 文と条件の組み合わせに慣れていきます。
Day 11 練習のまとめ
この練習では、for 文を使って、
- 1〜100 を表示する
- 偶数だけ表示する
- 1〜100 の合計を求める
という3つの題材を通して、
- カウンター変数の役割(今何回目か・今の値は何か)
- 繰り返し回数の決め方(開始値・終了条件・更新)
- 条件や計算との組み合わせ方
を体験しました。
for 文は、
- 「同じ処理を何度も繰り返したい」
- 「規則的な数値の変化に合わせて処理したい」
- 「合計や集計をしたい」
といった場面で、これから何度も登場します。
ぜひ、
- 範囲(1〜10、1〜50、2〜100 など)を変えてみる
- 条件(偶数、奇数、3 の倍数など)を変えてみる
- 合計だけでなく「最大値」「個数」なども計算してみる
といった練習を通して、「繰り返し処理を自分で設計できる感覚」を育てていってください。

