概要
四半期集計は、「日別・月別の明細データ」を、
Q1(1〜3月)、Q2(4〜6月)、Q3(7〜9月)、Q4(10〜12月)といった「3ヶ月ごとのかたまり」にまとめる作業です。
Excel では、SUMIFS を使って「この四半期に属する日付だけを合計する」形にすれば、きれいに四半期別の売上や数量を集計できます。
SUMIFS の基本と四半期の考え方
SUMIFS のおさらい
書式はこうでした。
=SUMIFS(合計範囲, 条件範囲1, 条件1, 条件範囲2, 条件2, …)
「合計範囲」の中から、「条件範囲1 が 条件1 を満たし、条件範囲2 が 条件2 を満たし…」行だけを合計します。
四半期集計では、「日付がその四半期の開始日以上、四半期の終了日の翌日未満」という条件で絞り込むのが基本パターンです。
四半期を「日付の範囲」でとらえる
たとえば、カレンダー通りの四半期なら、こうなります。
Q1:1/1〜3/31
Q2:4/1〜6/30
Q3:7/1〜9/30
Q4:10/1〜12/31
これを Excel 的には、
「四半期の開始日以上」かつ「次の四半期の開始日未満」
という条件に変換して、SUMIFS に渡していきます。
典型パターン1:開始日をセルに持たせる四半期集計
データの前提
明細表(A:B 列)
A 列:日付
B 列:売上金額
集計表(D:F 列)
D 列:四半期名(Q1, Q2, Q3, Q4 など)
E 列:四半期の開始日
F 列:四半期の売上合計
たとえば、
E2:2025/1/1(Q1 開始)
E3:2025/4/1(Q2 開始)
E4:2025/7/1(Q3 開始)
E5:2025/10/1(Q4 開始)
とします。
「開始日〜次の開始日の前日」を SUMIFS で書く
F2 に、Q1 の売上合計を出す式を書きます。
=SUMIFS($B:$B, $A:$A, ">="&$E2, $A:$A, "<"&$E3)
意味は、
A 列の日付が「E2 以上」かつ「E3 未満」の行だけを合計する、ということです。
つまり、「2025/1/1 以上 2025/4/1 未満」=「1〜3 月分」が集計されます。
同じように、F3 には Q2 用として、
=SUMIFS($B:$B, $A:$A, ">="&$E3, $A:$A, "<"&$E4)
という形で書きます。
このように、「開始日セル」と「次の開始日セル」を使って範囲を作ると、四半期の境界がとても分かりやすくなります。
典型パターン2:EDATE で「3ヶ月後」を使う四半期集計
四半期の開始日だけを持たせる設計
「次の開始日」を別セルに持たせず、EDATE で「3ヶ月後」を計算する方法もあります。
集計表側で、
E2:2025/1/1(Q1 開始)
E3:2025/4/1(Q2 開始)
E4:2025/7/1(Q3 開始)
E5:2025/10/1(Q4 開始)
としておき、F 列に合計を出します。
EDATE を使った範囲指定
F2 に、次のように書きます。
=SUMIFS($B:$B, $A:$A, ">="&$E2, $A:$A, "<"&EDATE($E2,3))
EDATE($E2,3) は、「E2 の 3 ヶ月後(次の四半期の開始日)」を返します。
つまり、
開始:E2(2025/1/1)
終了:EDATE(E2,3)(2025/4/1)
となり、「1/1 以上 4/1 未満」=Q1 の範囲になります。
この式を F3、F4…と下にコピーすれば、
それぞれの四半期の開始日を基準に、「そこから 3 ヶ月分」の集計が自動で計算されます。
YEAR・QUARTER 的な列を作って集計する方法
年と四半期番号を列に持つ
もう一歩踏み込んだ設計として、明細表に「年」と「四半期番号」を列として持たせる方法もあります。
明細表側で、
A 列:日付
B 列:売上
C 列:年(=YEAR(A2))
D 列:四半期番号(1〜4)
四半期番号は、月から計算できます。
たとえば、
=INT((MONTH(A2)-1)/3)+1
とすれば、
1〜3 月 → 1
4〜6 月 → 2
7〜9 月 → 3
10〜12 月 → 4
という四半期番号になります。
SUMIFS で「年×四半期」を合計
集計表側で、
G 列:年
H 列:四半期番号(1〜4)
I 列:その年・四半期の売上合計
としたとき、I2 に次のように書きます。
=SUMIFS($B:$B, $C:$C, $G2, $D:$D, $H2)
これで、「年=G2 かつ 四半期番号=H2」の行だけを合計できます。
年をまたいだ四半期集計や、複数年分の比較などにも応用しやすい設計です。
例題
問題1
A 列に日付、B 列に売上が入っています。
集計表として、E2 に「2025/1/1」、E3 に「2025/4/1」、E4 に「2025/7/1」、E5 に「2025/10/1」を入れました。
F2 に「2025 年第 1 四半期(1〜3 月)の売上合計」を出したいとき、SUMIFS を使ってどのような式を書けばよいか答えてください。
(ヒント:開始は E2、終了は E3 を使います)
問題2
前問の設計で、F3 に「第 2 四半期(4〜6 月)」、F4 に「第 3 四半期(7〜9 月)」の合計を出したいとします。
F2 の式をベースに、F3・F4 にどのような形で書けばよいか、E 列との関係を意識しながら説明してください。
問題3
四半期の開始日だけを E 列に持たせ、F 列で EDATE を使って集計する方法を考えます。
E2 に「2025/1/1」が入っているとき、F2 に「第 1 四半期の売上合計」を出す式を、SUMIFS と EDATE を使って書いてください。
また、その式を F3 にコピーしたとき、「第 2 四半期」に自動で切り替わる理由も説明してください。
問題4
明細表に C 列として「年(=YEAR(A2))」、D 列として「四半期番号(=INT((MONTH(A2)-1)/3)+1)」を追加しました。
集計表側で、G2 に「2025」、H2 に「1」(第 1 四半期)と入力し、I2 に「2025 年第 1 四半期の売上合計」を出したいとき、SUMIFS を使って I2 に書くべき式を答えてください。
問題5
四半期集計をするとき、「日付セルの表示形式だけを“yyyy/Q”のように変えて、見た目の四半期で集計しようとする」と、どんな問題が起こるでしょうか。
表示形式と実際の値(シリアル値)の違いを踏まえて、なぜ SUMIFS の条件には「開始日・終了日」や「年・四半期列」を使うべきなのか、自分の言葉で説明してみてください。
