製品のメリットとデメリット
メリット
- パソコンにつながず、本体と付属ペンだけでイラスト制作を始められるAndroidタブレット。
- 充電・ペアリング不要のEMR方式ペン「U-Pencil Pro」が付属し、16,384段階の筆圧感知と±60°の傾き検知に対応する。
- 12型の大きな画面に、映り込みを抑えるAG加工と指紋防止のAF加工を採用。描画時の感触にも配慮されている。
- フルラミネーション構造により、ペン先と描画位置の視覚的なずれを抑えている。
- sRGBカバー率99%のIPS液晶を搭載し、イラストの色塗りから動画視聴まで幅広く楽しめる。
- 指によるタッチ操作を物理スイッチで無効化でき、手のひらによる誤操作を避けやすい。
- 広告なしで主要描画ツールを使える「ibisPaint K Edition」の無期限ライセンスが付属する。
- 256GBの内蔵ストレージに加え、最大1TBのmicroSDカードに対応する。
- スタンドとペン収納を備えたシリコン保護ケース、替え芯8本、電源アダプターが付属する。
- Tripo AI Proの30日間利用特典があり、描いた絵を3Dモデルへ展開する創作にも挑戦できる。
デメリット
- 搭載OSはAndroid 14。長く使う場合は、描画性能だけでなくOSやアプリの対応状況にも目を向けたい。
- Helio G99と6GBメモリーの構成は、重量級ゲームや大規模な多層イラスト制作を最優先するユーザーには余裕が大きいとはいえない。
- 画面のリフレッシュレートは60Hzで、高リフレッシュレート機のような滑らかな表示を求める用途には向かない。
- 最大輝度350nitのため、強い日差しの下で使うことを主目的にするなら慎重に選びたい。
- 本体だけで644gあり、ケースを装着するとさらに重くなる。子どもが片手で長時間支える使い方には不向き。
- タッチ操作を無効にすると、指での拡大・縮小などのジェスチャーも使えなくなる。
- Tripo AI Proの付属特典は無期限ではなく、有効化から30日間。継続してPro機能を使う場合は別途契約が必要。
- アプリによってペンの遅延や傾き検知の不安定さ、細い斜線の揺れが見られた。
- 一部アプリのインストール制限や、付属スタンドが描画時の押し込みに耐えにくい。
UGEE ArtPlay Padの製品概要
UGEE ArtPlay Padは、デジタルイラストを始めたい子どもや初心者を中心に、手描きの楽しさを広げるために設計された12型のAndroidタブレットです。充電不要のEMRペン、紙のような描画感を目指したアンチグレア画面、広告なしで使えるibisPaint K Editionをひとまとめにし、パソコンなしで制作を始められるのが魅力。MediaTek Helio G99、6GBメモリー、256GBストレージを搭載し、創作だけでなく学習や動画視聴にも活用できます。さらに、Tripo AIとの連携により、平面のイラストから3Dモデルへと表現を広げられる一台です。
特徴
充電不要のEMRペンで、思いついたらすぐ描ける
- 16,384段階の筆圧感知:付属のU-Pencil Proは、ペン先に加える力の変化を細かく読み取る仕様です。筆圧に対応したアプリやブラシを使えば、線の太さや濃淡を描き分けられます。
- 電池もペアリングも不要:EMR方式を採用しているため、ペン自体を充電する必要がありません。描きたいときにペンの電池残量を気にせず使える、扱いやすい構成です。
- 初期荷重3g:軽い力で入力を始められる設計です。中央の読み取り精度は±0.5mm、四隅は±1.5mmとされています。
- ±60°の傾き検知:対応するアプリやブラシでは、ペンを寝かせる動作を表現に利用できます。実際の動作や描画効果は、使用するソフトウェアに依存します。
見やすさと描きやすさに配慮した12型ディスプレイ
- 2,000×1,200ドットのIPS液晶:12型の広さを生かして、作品全体とツール類を見渡しながら制作できます。細部を拡大して描き込む作業にも取り組みやすい画面サイズです。
- AG・AF表面処理:アンチグレア加工で周囲の映り込みを抑え、指紋防止加工で画面の汚れにも配慮しています。光沢ガラスとは異なる、適度な抵抗感を持たせた描画面が特徴です。
- フルラミネーション構造:表示面と表面ガラスの間隔を抑え、ペン先と線の位置が離れて見える視差を低減します。画面に直接描く感覚を支える構造です。
- sRGBカバー率99%:Web向けイラストなどで広く使われるsRGB色域をほぼカバーします。表示色は1,677万色で、色を使った創作にも対応します。
- 低ブルーライト認証:TÜV SÜDの低ブルーライト認証を取得しています。ただし、認証が休憩不要や眼精疲労の防止を保証するものではなく、明るさや使用時間への配慮も大切です。
タッチ操作を切り替え、描画に集中できる
- パームリジェクション:ペン入力中の手のひらによる誤操作を抑える機能を備えています。画面に手を添えて描くスタイルを支えます。
- 物理式のタッチ切替スイッチ:本体のTPスイッチで、指によるタッチ入力を無効にできます。ペン入力は維持されるため、タッチ操作が気になる場面で使い分けられます。
- ジェスチャーとの使い分け:タッチ入力を無効にしている間は、指での拡大・縮小なども無効になります。線を描く場面と、キャンバスを操作する場面に合わせて切り替える仕組みです。
イラスト制作から3D表現まで楽しめるソフトウェア
- ibisPaint K Editionの無期限ライセンス:プリインストールされた専用エディションで、有料Premium版と同等の主要描画ツールを広告なしで利用できます。利用可能な機能や更新内容は、提供されるバージョンにより異なります。
- 豊富な描画素材:製品紹介時点で、13万種類以上のブラシ、3万点以上の素材、3,000種類以上のフォント、80種類以上のフィルターが案内されています。
- Tripo AIとの連携:スケッチをアップロードし、AIによる3Dモデル生成につなげられます。手描きのキャラクターを立体として眺めるなど、平面だけにとどまらない創作を体験できます。
- Pro機能は30日間の特典:Tripo AI Proの1か月利用特典が付属し、コードを引き換えて有効化してから30日間利用できます。以降もPro機能を使う場合は、有料サブスクリプションが必要です。
- 3Dプリンターへの展開:生成したモデルをUGEE Funboxへ書き出す制作フローが用意されています。立体物を出力するには、タブレットとは別に3Dプリンターが必要です。
制作データを保存しやすい基本構成
- Helio G99搭載:6nmプロセスの8コアSoCを採用しています。描画アプリだけでなく、学習用アプリやブラウザー、動画視聴などにも使えるAndroid端末です。
- 6GBメモリーと256GBストレージ:アプリと作品データを本体に保存できます。なお、256GBは公称容量で、システム領域などを除いた実際の空き容量とは異なります。
- 最大1TBのmicroSDカード:外部ストレージを追加できます。作品の書き出しやバックアップに活用でき、データを保存する余地を広げられます。
- Google Play対応:追加のクリエイティブアプリや教育アプリを導入できます。ただし、すべてのAndroidアプリの対応や、同一のペン動作を保証するものではありません。
保護ケースと長時間駆動で日々の創作を支える
- 7,800mAhバッテリー:メーカー試験条件では連続描画最大18時間、動画再生最大12時間に対応します。実際の駆動時間は明るさやアプリ、通信状況などによって変わります。
- 30W急速充電:30Wの充電に対応しています。電源アダプターとUSB-Cケーブルも付属し、充電用品を別途そろえる手間を抑えられます。
- スタンド付きシリコンケース:本体を保護するケースに、角度を調整できるスタンドとペン収納を備えています。描画や動画視聴など、用途に合わせて設置できます。
- 厚さ7.4mm・重量644g:本体は薄型にまとめられています。厚さはカメラの突起部を除く数値で、ケース装着時の重量は別になります。
学習や動画視聴にも使える周辺機能
- 4基のスピーカー:描き方を解説する動画や映画、音声コンテンツも楽しめます。
- 前後カメラと2基のマイク:背面1,300万画素、前面800万画素のカメラを搭載。作品の撮影やオンライン授業、ビデオ通話にも活用できます。
- デュアルバンドWi-Fi:2.4GHz帯と5GHz帯のWi-Fiに対応します。Bluetooth 5.2も備え、対応する周辺機器と接続できます。
スペック一覧
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 基本情報 | |
| メーカー・ブランド | UGEE/ugee |
| 製品名 | ArtPlay Pad |
| 型番 | DT120QH |
| 製品区分 | スタンドアロン型Androidお絵描きタブレット |
| 国内発売日 | 2026年9月30日 |
| 発売時の市場想定売価 | 72,999円(税込) |
| OS | Android 14 |
| プロセッサー・メモリー・ストレージ | |
| SoC | MediaTek Helio G99/MT8781 |
| CPUコア数 | 8コア |
| 製造プロセス | 6nm |
| GPU | Mali-G57 MC2 |
| メモリー | 6GB |
| 内蔵ストレージ | 256GB |
| 外部ストレージ | microSDカード、最大1TB |
| ディスプレイ | |
| 画面サイズ | 12型 |
| パネル方式 | IPS液晶 |
| 解像度 | 2,000×1,200ドット |
| リフレッシュレート | 60Hz |
| 表示色数 | 1,677万色 |
| 色域 | sRGBカバー率99% |
| 輝度 | 350nit |
| コントラスト比 | 1,500:1 |
| 視野角 | 170° |
| 画面構造 | フルラミネーション |
| 表面処理 | AGエッチングガラス、AG(アンチグレア)+AF(指紋防止)処理 |
| ディスプレイ認証 | TÜV SÜD低ブルーライト認証 |
| ペン・入力機能 | |
| 付属ペン | U-Pencil Pro |
| ペン方式 | スマートチップ搭載EMR方式 |
| ペンの電源 | 電池・充電不要 |
| ペアリング | 不要 |
| 筆圧感知 | 16,384段階 |
| 傾き検知 | ±60° |
| 初期荷重 | 3g |
| 読み取り精度 | 中央:±0.5mm/四隅:±1.5mm |
| 読み取り解像度 | 2,540LPI |
| 読み取り高さ | 最大10mm以上 |
| パームリジェクション | 対応 |
| タッチ入力切替 | 物理式TPスイッチを搭載。タッチ無効時もペン入力可能 |
| 通信・接続 | |
| Wi-Fi | IEEE 802.11a/b/g/n/ac |
| Wi-Fi周波数帯 | 2.4GHz/5GHz |
| Bluetooth | Bluetooth 5.2 |
| 携帯電話回線 | LTE/5G非対応 |
| USB端子 | USB Type-C |
| カメラ・オーディオ | |
| 背面カメラ | 1,300万画素 |
| 前面カメラ | 800万画素 |
| スピーカー | 4基 |
| マイク | 2基 |
| バッテリー・本体サイズ | |
| バッテリー容量 | 7,800mAh |
| 充電出力 | 30W |
| 連続描画時間 | 最大18時間。メーカー試験条件:画面輝度30%、筆圧機能を使用 |
| 動画再生時間 | 最大12時間。メーカー試験条件:1080p動画、画面輝度50%、音量50% |
| 待受時間 | 7日以上。メーカー試験条件:Wi-Fi・Bluetooth有効、バックグラウンドアプリ起動 |
| 本体寸法 | 289.7×187.2×7.4mm。厚さはカメラ突起部を除く |
| 本体重量 | 644g |
| ソフトウェア・付属品・保証 | |
| 付属描画ソフト | ibisPaint K Edition。無期限ライセンス、広告なし、有料Premium版と同等の主要描画ツールを利用可能 |
| 3D制作サービス特典 | Tripo AI Proの1か月サブスクリプション。有効化から30日間 |
| アプリ配信サービス | Google Play |
| 保護ケース | シリコン製。無段階角度調整スタンド、ペン収納スロット付き |
| 同梱品 | ArtPlay Pad本体×1、スタイラス×1、ペン先交換ツール×1、替え芯×8、電源アダプター×1、USB-Cケーブル×1、イジェクトピン×1、保護ケース×1、クイックガイド×1、保証書×1 |
| メーカー保証 | 2年間。国内Amazon掲載の販売条件 |
総合評価とレビュー
強み・弱み・おすすめユーザー・総評
UGEE ArtPlay Padの魅力は、単純に「ペンが使えるAndroidタブレット」で終わらないところにあります。画面の表面処理、充電不要のペン、描画ソフト、スタンド付きケースまで、絵を描くための道具が一式にまとまっている。デジタルイラストに興味を持った人が、端末とペンの組み合わせや追加アクセサリーで悩まず、制作そのものに入りやすい製品です。子どもや初心者向けという位置づけですが、だからといって用途まで幼く限定されるわけではありません。趣味のスケッチやキャラクター制作を、机の上でも外出先でも楽しみたい大人にとっても、検討する意味のある構成でしょう。
とりわけ評価したいのは、創作を始めるまでの小さな手間を減らしていることです。パソコンを起動してケーブルをつなぐ必要がなく、ペンの充電も不要。さらに、描画ソフトの利用権まで付いています。こうした使い勝手は、処理性能の比較表では目立ちません。しかし、短い空き時間に落書きをしたり、思いついた構図を忘れないうちに描き留めたりする場面では、意外なほど大きな差になります。描く習慣をこれから身につけたい人には、最高性能を追いかけること以上に、すぐ手を伸ばせる道具であることが大切です。
12型の画面も、本製品の性格によく合っています。小さなタブレットでは、ブラシやレイヤーのパネルを開くと描画領域が窮屈になりがちですが、この大きさなら道具とキャンバスを共存させやすくなります。細部を拡大して描き込み、少し引いて全体のバランスを見る。その繰り返しに余裕を持たせられるのは、初心者にも経験者にもありがたいところです。ただし、大画面はそのまま携帯時のかさばりにもつながります。手帳のように片手で持つ端末というより、使う場所へ運んで広げる、小さな制作机に近い存在と考えるとしっくりきます。
画面の仕上げには、描画機器を選ぶ意味が表れています。AG加工によって映り込みを抑え、フルラミネーションによってペン先と表示の隔たりを小さくする。この二つは、単なる映像のきれいさとは別の価値です。光沢画面でペン先が滑りすぎると感じていた人には、適度な抵抗感が線をコントロールする助けになるでしょう。ただし、「紙のような描き心地」は、紙と完全に同じ摩擦や感触を意味しません。ざらつきの強い描画面を好む人と、軽い力で滑らせたい人では評価が分かれるため、言葉の印象だけで期待を膨らませすぎないことも大切です。
色を使う楽しさにも配慮されています。sRGBカバー率99%は、Web掲載用のイラストや日常的な色塗りを楽しむうえで心強い仕様です。一方、色域が広いことと、色が正確に調整されていることは別の話。厳密な印刷色管理まで、この数値だけで評価することはできません。また、350nitの輝度と反射防止加工を備えていても、直射日光の下で室内と同じように快適とは限りません。カフェや教室、リビングなどで使うことを中心に考え、屋外では日陰を選ぶ。そんな使い方のほうが、この画面のよさを素直に味わえそうです。
ペンについては、16,384段階という数字を魅力として受け止めつつ、それだけで描き味の優劣を決めない姿勢が必要です。実際の線の出方には、軽い筆圧の拾い方、線の入りと抜き、斜線の安定性、アプリ側の補正などが関わります。細い線の変化を出しにくい場面や、わずかな斜線の揺れがあります。日常のスケッチを楽しむことと、繊細な線画を狙いどおりに仕上げることでは、道具への要求が違います。本製品は、その違いを理解して選ぶと満足度が高まりそうです。
傾き検知も同様で、公称の対応範囲があるからといって、どのアプリでも同じ表現ができるとは限りません。一部のアプリで傾きが安定して働かなかった。鉛筆を寝かせた陰影表現や、傾きで形を変えるブラシを制作の中心にする人には、見過ごしにくい注意点です。一方、筆圧を中心に線画や着彩を行う人なら、影響を小さく感じる可能性があります。機能の有無を並べるだけでなく、自分がよく使うブラシと操作に照らして考えることが、後悔の少ない選び方になります。
60Hzの表示についても、目的によって評価が変わります。動画視聴や一般的な画面操作には使えても、ペン先を素早く動かした際の追従感では、高リフレッシュレートの端末と差を感じる場合があるでしょう。もっとも、描画の遅延は画面だけで決まるものではなく、アプリやブラシ、キャンバスの負荷も関係します。アプリによって体感が異なっています。落ち着いた速度で描くスケッチには受け入れやすくても、速いストロークを多用する人には気になりやすい。ここは、制作スタイルによって優先順位が分かれる部分です。
操作面では、タッチ入力を止める物理スイッチが実用的です。手を画面に置いて描いたとき、意図せずキャンバスが動く。その小さな中断が続くと、描くリズムまで乱れてしまいます。スイッチでタッチを止められる仕組みは分かりやすく、デジタル機器に不慣れな人にも扱いやすいでしょう。ただし、誤操作を減らす代わりに、指での拡大や回転も使えなくなります。常に切っておけば快適というより、線を引くときは切り、画面を動かすときは戻す、といった自分なりの操作習慣をつくる機能です。
ibisPaint K Editionの無期限ライセンスは、本体価格を考えるうえで外せない要素です。デジタルイラストを始めたばかりの段階では、端末以外にどれだけ費用がかかるのかが見えにくいもの。主要な描画ツールを広告なしで使える環境があらかじめ用意されていると、制作に集中しやすくなります。特に、毎月の支払いを増やしたくない家庭には相性のよい仕組みでしょう。ただし、すべての有料機能が将来にわたって無条件で保証されるとまでは解釈せず、付属エディションの利用権として捉えるのが適切です。
Tripo AIとの連携は、完成した絵の次に何をするかを提案してくれます。自分で描いたキャラクターを立体として眺められれば、背面や側面のデザインにも興味が広がるでしょう。平面の絵だけでは意識しにくかった形を考えるきっかけになり、親子で取り組む工作や学習にも楽しさを添えてくれそうです。ただし、この機能は本体だけで永続的に完結する付加価値ではありません。Pro特典には30日間という期限があり、立体物の出力には別の機器も必要です。まずは描画用タブレットとして納得できるかを判断し、その先の楽しみとして評価するのが堅実です。
Helio G99と6GBメモリーは、この製品の狙いをよく示しています。あらゆる作業を力ずくでこなす構成ではなく、日常の描画と学習、娯楽を一台で扱うためのバランスです。4,000×3,000ピクセルのキャンバスで描画できたが、それが大量のレイヤーや重いブラシを使う制作まで保証するわけではありません。趣味のイラストには候補になっても、大判作品や複雑な制作を日常的に行う人は余裕を慎重に見たいところ。なお、microSDカードは保存容量を増やす手段であり、処理性能や作業用メモリーを補うものではありません。
長期利用では、Android 14という出発点とアプリ互換性も気になります。使い慣れたアプリを自由に選べることはAndroidの魅力ですが、Google Playに対応していても、すべてのアプリが導入できるわけではありません。一部の描画・ノートアプリをインストールできませんでした。付属のibisPaintを中心に始める人と、すでに決まった制作環境を移したい人では、この問題の重みが違います。また、将来のOS更新を当然の前提にせず、今使える機能に対して価格が見合うかを考える視点も必要でしょう。
付属ケースは、保護と収納をまとめられる反面、使い方を選ぶ部分もあります。644gの本体にケースの重さが加わるため、子どもが持ち続ける用途より、机に置くほうが自然です。さらに、スタンドが描画時の押し込みで動きやすい。動画を見るために角度を保つことと、手を預けて描くことでは、必要な安定性が違うのです。ケースが付く安心感は評価しつつ、筆圧が強い人は本体を平置きするなど、設置の工夫も考えておくとよいでしょう。
総合すると、ArtPlay Padは「最も高性能な端末」よりも、「描き始めるための環境が整った端末」を求める人に向いています。初めて本格的なデジタルイラストに取り組む子どもや学生、紙のスケッチから制作の幅を広げたい趣味の描き手には、付属品とソフトを含めた一体感が魅力になるはずです。一方、繊細な線の再現性、傾きブラシの確実な動作、重い作品の処理、長期のOS更新を最優先する人には、慎重な比較が必要です。発売時の税込72,999円は、初心者向けだから気軽に買える価格とはいえません。それでも、ペンと画面、ソフト、ケースを別々に選ぶ負担を減らし、日常に描く場所をつくってくれる。その価値に共感できる人にとって、創作の入口を気持ちよく整えてくれる一台です。
ArtPlay PadとUGEE UT3の比較表
大きな違いは、ArtPlay Padが充電不要のEMRペンと付属描画ソフトを重視しているのに対し、UT3は14.25型の大画面と3種類の表示モードを備えていることです。どちらもパソコンなしで使えますが、画面の広さ、ペンの扱いやすさ、持ち運びやすさに違いがあります。
なお、「Trio Pad UT3」と旧名称の「Fun Drawing Pad UT3」は、パッケージデザインが異なる同一製品です。
| 比較項目 | UGEE ArtPlay Pad | UGEE UT3 |
|---|---|---|
| 製品の方向性 | イラスト制作を中心に、2Dから3Dへ創作を広げるタブレット | 描画・読書・ノート・学習を大画面で楽しむタブレット |
| 単体での使用 | 可能。パソコン不要 | 可能。パソコン不要 |
| OS | Android 14 | Android 14 |
| SoC | MediaTek Helio G99/MT8781 | MediaTek Helio G99/MT8781 |
| メモリー | 6GB | 8GB |
| 内蔵ストレージ | 256GB | 256GB |
| microSDカード | 最大1TBに対応 | 非対応 |
| 画面サイズ | 12型 | 14.25型 |
| 解像度 | 2,000×1,200ドット | 2,400×1,600ドット |
| リフレッシュレート | 60Hz | 60Hz |
| 色域 | sRGBカバー率99% | NTSC比72%超 |
| 画面表面 | AG(アンチグレア)+AF(指紋防止)加工 | NanoMatte仕上げ。反射を抑えた紙のような質感 |
| フルラミネーション | 対応 | 対応 |
| 表示モードの特徴 | 描画向けのAG画面と色表示を重視 | 標準・カラー・モノクロの3モードをU-Keyで切替 |
| ディスプレイ認証 | TÜV SÜD低ブルーライト認証 | TÜV Rheinland Eye Comfort認証 |
| 付属ペン | U-Pencil Pro | U-Pencil |
| ペンの方式 | EMR方式 | アクティブ静電容量式 |
| ペンの充電 | 不要 | 必要。充電時間約1時間、動作時間最大130時間 |
| 筆圧感知 | 16,384段階 | 4,096段階 |
| 傾き検知 | ±60° | ±60° |
| 初期荷重 | 3g | 10g以下 |
| ペン読み取り精度 | 中央±0.5mm/四隅±1.5mm | 中央±0.5mm/端±1mm |
| タッチ入力の無効化 | 本体の物理式TPスイッチで切替 | コントロールセンターから切替 |
| バッテリー容量 | 7,800mAh | 10,000mAh |
| 充電出力 | 30W | 27W |
| Wi-Fi | IEEE 802.11a/b/g/n/ac | IEEE 802.11a/b/g/n/ac |
| Bluetooth | 5.2 | 5.0 |
| USB端子 | USB Type-C | USB Type-C |
| 背面カメラ | 1,300万画素 | 800万画素、AF対応 |
| 前面カメラ | 800万画素 | 1,300万画素、固定焦点 |
| スピーカー/マイク | 4基/2基 | 4基/2基 |
| 本体寸法 | 289.7×187.2×7.4mm | 322.41×222.02×6.95mm |
| 本体重量 | 644g | 760g |
| 主な付属ケース | 角度調整スタンド・ペン収納付きシリコン保護ケース | 角度調整可能なスマートカバー |
| 描画ソフトの利用特典 | ibisPaint K Editionの無期限ライセンス | 公式仕様には同等の無期限ライセンス特典の明記なし |
| 3D制作の利用特典 | Tripo AI Proを有効化から30日間利用可能 | 公式仕様には同特典の明記なし |
色域は異なる規格で表記されているため、数値の大小だけでは優劣を判断できません。また、筆圧段階数が4倍でも、描き味や精度がそのまま4倍になるわけではありません。実際の描画表現はアプリやブラシにも左右されます。
どちらを選ぶとよい?
イラスト制作を気軽に始めたいなら、ArtPlay Padが有力です。 ペンの充電が不要で、ibisPaint K Editionの無期限ライセンスも付属するため、制作環境をまとめて整えられます。UT3より116g軽く、microSDカードで保存容量を増やせる点も、持ち運びながら作品を蓄積したい人には魅力でしょう。ただし、メモリーはUT3より少なく、処理性能まで全面的に上回る製品ではありません。
画面の広さを優先し、読書やノートにも使いたいなら、UT3が向いています。 14.25型・3:2の画面は、資料やキャンバスを大きく表示したい場面に適しています。8GBメモリーと3種類の表示モードも特徴ですが、本体は760gあるため、長く手持ちするより机に置いて使うスタイルが合いそうです。
つまり、ArtPlay PadはUT3の単純な上位機種ではなく、ペンの扱いやすさと創作ソフトを重視したArtPlay Pad、画面の広さと学習・閲覧用途を重視したUT3という選び分けが分かりやすいでしょう。
※セール開催・内容・価格等は、予告なく変更となる場合がございます。正確な情報は、販売ページ上でご確認ください。


