EDIFIER Neobuds Pro 2

レビュー【EDIFIER Neobuds Pro 2】2万円以下で、ハイエンド製品に匹敵する圧倒的な音質と機能性を備えるハイブリッド型完全ワイヤレスイヤホン

EDIFIER INTERNATIONALから販売された、「ワイドバンドマルチチャネルANC」技術を搭載、ハイレゾワイヤレスと空間オーディオにも対応する完全ワイヤレスイヤホン【Neobuds Pro 2】を試用する機会を頂いた。

Neobuds Pro 2
Neobuds Pro 2

【Neobuds Pro 2】は、フィードフォワード方式とフィードバック方式を組み合わせたハイブリッドアクティブノイズキャンセリングに、さらに独立したフィードフォワード方式のノイズキャンセリング機構をくわえる「ワイドバンドマルチチャネルANC技術」を搭載した。ノイズ低減対象帯域の上限は5kHzにまで拡張され、最大50dBという強力なノイズ低減効果を実現した。さらに多数のノイズキャンセリングモードを搭載、スマートフォンアプリ「Edifier Connect」で簡単に切り替えできる。

Neobuds Pro 2

最先端のAI技術を駆使したスマートノイズキャンセリング技術と、左右に各4基を配したマイクを使うビームフォーミング・アルゴリズムにより、音声通話に必要のない環境ノイズを的確に取り除く。あらゆる場所で騒音・風切り音をシャットアウト、相手の声はしっかり自分の耳に届き、自分の声も相手によく聞こえる、ストレスのない音声通話を実現した。

Neobuds Pro 2

ドライバーは、10mm径多層振動板ダイナミックドライバーとKnowles製バランスドアーマチュア(BA)ドライバーを組み合わせたハイブリッド式で、重厚感あるドラムやベース、透明感を湛えたボーカル、金属的な煌めきを感じさせるハイハットなど、音楽のディテールを忠実に再現するとしている。

ダイナミック型イヤホンとは

ダイナミック型イヤホンは、さまざまな形状のイヤホンやヘッドホンに幅広く採用されており、もっとも一般的なドライバー。
そのため、安価なものからハイクラスなものまで販売されており、選択肢が広い。
音の再生が得意で、音圧もしっかりとある。
ドライバーを大きくすることで、よりパワフルな音を楽しめる。
また、ダイナミック型には2基のドライバーを搭載するデュアルドライバー型もあり、ドライバーの負担を軽減しつつ音に広がりを出すことができる。
一方でバランスドアーマチュア型に比べて小型化が難しいというデメリットもある。

バランスドアーマチュア型イヤホンとは

バランスドアーマチュア型は小型でクリアな音を再現できることがメリットですが、その分高価であるため、ハイクラスのイヤホンや医療用の補聴器などに使われることが多いドライバー。
また、音楽制作現場でモニターヘッドホンにもよく使用されている。
音の再現性が高く、中音~高音の再生が得意だとされている。

ハイブリッド型イヤホンとは

ハイブリット型イヤホンはその名の通り、ダイナミック型とバランスドアーマチュア型の長所を合わせ持ったイヤホン。
ダイナミック型の力強さ、バランスドアーマチュア型のクリアな音の再現性などがあげられる。
また、音域に関しては、低~高音までカバーすることができるといわれている。
ただし、二つのドライバーを掛け合わせているため、音のバランスが崩れてしまったり、まとまりのない音になってしまったりすることもある。

装着するだけで音の聞こえかたを解析し、自動的に音質を最適化する「マルチモード自己適応システム」を搭載。AI技術を活用し、パーソナルな新しい音楽体験を楽しめるという。

ヘッドトラッキング機能を搭載した空間オーディオ機能も装備。体全体が包み込まれるような音場を再現し、没入感を大幅に向上するとしている。

Neobuds Pro 2

空間オーディオ設定ほか、サウンドモードやイコライザーの設定もアプリで行なえる。

搭載のセンサーがイヤホンの状態を検出、装着すれば電源オン、外せば音楽が一時停止される。電源自動オフ機能と連動しているので、イヤホンを使用後に外すだけで無駄に電力を消費することがない。ANCもイヤホンの脱着に連動するため、賢く節電できる。

iOS/Android OSアプリ「Edifier Connect」では、バッテリー残量の確認やペアリング開始/切断といった基本機能にくわえ、5種類あるノイズキャンセリングモードの選択、空間オーディオの設定、サウンドモードやイコライザの設定など、さまざまなカスタマイズを行うことができる。

Bluetooth 5.3準拠で、プロファイルはA2DP/AVRCP/HFPをサポート。コーデックは、SBC/AAC/LHDC/LDACに対応。LHDC/LDAC接続では、ハイレゾ相当のサウンドが楽しめる。

Neobuds Pro 2

連続再生時間は、ANC ONで4時間、充電ケース併用で16時間再生できる。充電時間はイヤホンが1時間で、充電ケースが1.5時間。15分の充電で2時間再生できる急速充電にも対応する。IP54相当の防水防塵に対応。

Neobuds Pro 2

重量は片側約5.6g。充電ケース込みでは約60.4g。イヤーピース(2種類/7サイズ)、充電用USB-Cケーブルなどが付属する。カラーは、ブラックとアイボリーホワイト。

価格はオープンプライスで、店頭予想価格は19,990円。

Neobuds Pro 2
Neobuds Pro 2
ドライバーKnowles BA + φ10mmダイナミック
再生周波数20Hz~40kHz
音圧感度92±3dB SPL (A)
入力イヤホン:5V 200mA
充電ケース:5V 1A
BluetoothバージョンBluetooth V5.3
最大通信距離見通し距離 約10m
対応プロファイルA2DP、AVRCP、HFP
対応コーデックAAC、LDAC、LHDC 5.0、SBC
防水規格IP54
再生時間ノイズキャンセリング ON:約4時間+12時間
ノイズキャンセリング OFF:約5.5時間+16.5時間
充電端子USB Type-C
充電時間イヤホン:約1時間
※急速充電:15分=2時間再生

充電ケース:約1時間
重量イヤホン+充電ケース 約60.4g
同梱品・イヤホン本体 × 2
・イヤホン充電ケース
・USB-Type-C充電ケーブル
・イヤーピース × 7セット
(XXS/XS/S/M/L/XL/XXL)
・ポーチ
・日本語取扱説明書
Bluetoothコーデックビット数サンプリング周波数最大ビットレートレイテンシ(遅延)特徴
SBC16bit48kHz328kbps220ms(±50ms)Bluetoothオーディオの標準コーデック。
遅延性は比較的高い。
AAC16bit48kHz非公表120ms(±30ms)
@128kbps
おもにiPhoneで採用されている高音質コーデック。
遅延性は中程度。
aptX16bit48kHz352kbps @ 44.1kHz

384kbps @ 48kHz
70ms(±10ms)SBCやAACより高音質・低遅延。
aptX LL16bit48kHz40ms未満aptXと同等の音質かつもっとも遅延が少ない。
aptX HD24bit48kHz576kbps

620kbps ※Snapdragon 865以降
130ms24bit / 48kHzに対応した高音質コーデック。
低遅延。
aptX Adaptive24bit96kHz420kbps50~80ms高音質・低遅延・接続安定性を実現したコーデック。
LDAC24bit96kHz990kbpsSONYが開発した最大24bit / 96kHzに対応した高音質コーデック。
遅延性は比較的高い。
Samsung Scalable Codec24bit96kHz512kbpsサムスン独自のコーデックで、高音質・接続安定性を実現。
遅延性については非公開。
LHDC24bit96kHz900kbps台湾の半導体メーカーSavitechが開発したコーデック。Huaweiによる独自コーデック「HWA」のベースにもなっている。
HWA24bit96kHz900kbps50~400msHuaweiが開発した高音質・低遅延コーデック。
UAT24bit192kHz1.2MbpsHiby Music独自のコーデックで24bit / 192kHzの超高音質。
しっかりとクッション材が入っている

白を基調とした高級感のある化粧箱。イヤホンが入っているには大きく、化粧箱はかなりしっかりしている。フラッグシップモデルなのでパッケージからしかっりしていてかなり好印象。また、シンプルながらおしゃれで、プレゼントにも適したパッケージとなっている。

イヤーピースXXS/XS/S/M/L/XL/XXLの7サイズと豊富
USB Type-A to USB Type-C ケーブル長は約45cm
取扱説明書
日本語に対応

同梱物は、【EDIFIER Neobuds Pro 2】本体、USB Type-C充電ケーブル、イヤーピースXXS/XS/S/M/L/XL/XXL、ポーチ、取扱説明書となっている。

ケースはマット仕上げで角の取れた台形型のデザイン。コンパクトで薄めの設計なのでで持ち運びしやすい。実測重量47.3gと軽量。

後面には充電用のUSB Type-Cポートが搭載。残念ながらワイヤレス充電には対応していない。

ケースのヒンジはガタも無く質感が高い
技術基準適合証明等が記載

ケース前面にはLEDインジケーター、ケース上部には「EDIFIER」アイコンを備える。ケース内部にはベアリング時などに使用するボタンを備える。

イヤホン本体はスティック型で、角ばったデザイン。丸みの帯びたデザインが多い中、少し珍しいガジェット感満載のデザインとなっている。個人的にはかなり好みのデザイン。スティック部分の外側に「EDIFIER」アイコンがプリントしてある。

ノズルは正円系で、イヤホン側は他社性のイヤーピースでも問題なく装着できそう。

イヤーピースも7種類あるので装着感は良好。実測重量も片耳が5.6gと軽量。スティック部は短め。ハウジング部は、ハイブリッド型ドライバーが収まっていると思えないほど小さい。装着してみると耳にフィットし、ランニング時でもズレないほど安定している。

LDACコーデックで接続して検証した。

音の傾向はドンシャリ傾向で、キレあるサウンド。この価格帯では、解像度が非常に高く、情報量も多く、立体的で華やかな音。一音一音をしっかり表現している。

低音の表現の幅はかなり深く、立体的かつずっしりとした質感の音で、そしてそれを支えるかのようなボーカルラインの中音域、ドラムのシンバルなどの高音域がキレ良く鳴るため聴いていて非常に気持ち良い。

高域と低域がハデすぎるのでボーカルラインはあまり前には出てこない印象だが、解像度感は高くボーカルソロになればしっかりと輪郭をくっきりと表現してくれる。

スピード感のある楽曲はかなり相性が良い。

ゲームモードを搭載しているため、音声と映像をズレが少なく、動画鑑賞やスマホゲームを自然に楽しむことができる。有線イヤホンに比べるとどうしてもズレを感じてしまう。

バトルロワイヤルやFPS、音楽ゲームなどの瞬時の判断が必要なゲームには向いていない。RPGやシミュレーション、アクションゲームはかなり楽しめる。

ゲームモードをONにしなくても遅延は少ないので、YouTubeやNetflixを見る分には問題はない。

もちろん、アプリによるイコライザーの調整も可能。プリセットで用意されている「標準」「ダイナミック」と「カスタマイズ」の3つから選べる。

カスタマイズの精度はかなり詳細に設定できる。4バンドに対してゲインの調整やファクターの調整、周波数帯域の設定などかなり細かく設定可能。

ヘッドトラッキングを利用した空間オーディオ機能が搭載。音楽だけに縛られることなくゲームやYouTube、Netflixなどの動画配信サービスでも有効。

前を向けば正面から、後ろを向けば背面からしっかりと音がついてくる。トラッキング性能はそれなりで、頭を少し動かすろズレを感じる。臨場感は少し残念。ノーマルモードのほうが優秀で臨場感がある。

ノイズキャンセリングもかなり優秀。アプリでは「高」「中」「低」「風切り音抑制」の4つのノイズキャンセリングモードを選べる。

低音に対する遮音性はかなり強めで、高域は少し残るような感覚。筆者は「サー」と鳴るようなホワイトノイズが苦手で、基本ノイズキャンセリング機能を使うことはないが、ホワイトノイズをうまく抑え不快感が少ない。

また、外音取り込みもなかなかに自然。「ボーカルエンハンスメント」「バランス」「バッググランド」の3つから外音取り込みモードを選べる。

操作はタッチパネルで行う。アプリで自分の好きな操作方法にカスタマイズできる。また、アプリ内でタッチ感度を変更することもできる。

機能操作
再生, 停止右を2回タップ
曲送り右を3回タップ
曲戻しカスタマイズで対応
音量を上げるカスタマイズで対応
音量を下げるカスタマイズで対応
外音モードの切り替えカスタマイズで対応
ボイスアシスタント起動左を2回タップ
ゲームモード左を3回タップ
アプリの機能は豊富
マニュアルもアプリから確認できる
ケースのインジケーターの色を変更できる

「睡眠音楽」も搭載。水のせせらぎ、鳥の声など自然の音から、α波を意識したようなデジタルな音源まで様々用意。大体どの音源も5分以内に終わってしまうが、ループ再生もできる。集中したいときやリラックスしたいときに使うのも良い。

「ワイヤレス充電非対応」「マルチポイント非対応」「再生時間が短い」などの弱点もあるが、とにかく音質は同価格帯では頭一つ抜けた実力をもつ。ハイエンド製品に匹敵するほどの音質の良さが特徴。

また、ノイズキャンセリングやヘッドトレッキング、詳細な設定ができるイコライザーなど多様な機能も備える。

圧倒的な音質と機能性を備えるハイブリッド型完全ワイヤレスイヤホン。気になった方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

Edifier Neobuds Pro2Edifier Neobuds Pro
ドライバー10mmドライバー
Knowles製バランスド・アーマチュアドライバー
ドライバー
Knowles製バランスド・アーマチュアドライバー
Bluetoothバージョン5.35.0
対応コーデックSBC / AAC / LDAC / LHDC 5.0 /SBC / AAC / LDAC / LHDC/
バッテリー(ANC OFF)   本体5.5時間/ ケース込み22時間本体6時間/ ケース込み21時間
バッテリー(ANC ON)本体4時間/ ケース込み16時間本体5時間/ ケース込み20時間
充電方式USB Type-C
ワイヤレス充電には非対応
USB Type-C
ワイヤレス充電には非対応
防水IP54IP54
装着検出機能対応非対応
ANC対応
ワイドバンドマルチチャネルANC(-50dB)
対応
ハイブリッド方式(-42dB)
外音取り込み対応対応
専用アプリ対応対応
マルチポイント非対応非対応
重量イヤホン約5g / ケース込み約57gイヤホン約5.6g / ケース込み約49.2g
前モデルNeoBuds Proとの比較

(協力:EDIFIER INTERNATIONAL)

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