アップルは、スマートウォッチの新モデル「Apple Watch Ultra 4」を9月18日に発売する。予約は10日より受け付けている。価格は142,800円から。
製品概要
Apple Watch Ultra 4 は、49mmチタニウムケースと高輝度ディスプレイ、強化されたヘルスセンシングシステム、そしてApple Intelligenceを活用した新機能群を搭載した、アウトドアとスポーツ、そして日常のヘルスケアを支えるApple Watchの最上位モデルである。タフなボディと長時間バッテリー、精度を高めた心拍・HRV計測、周囲の音を理解するオーディオインテリジェンス、衛星通信による緊急SOSなどを組み合わせることで、過酷な環境から日常生活まで、ユーザーの「今」を立体的に見守る存在へと進化している。
主な特徴
新ヘルスセンシングシステムと心拍・HRVの高精度計測
Apple Watch Ultra 4 の核となるのが、新しい「ヘルスセンシングシステム」だ。光学式心拍センサーには大型化されたグリーンLEDが採用され、電力効率を高めながら、バックグラウンドで5秒ごとに心拍数を計測できるようになっている。従来モデルと比べて計測頻度は大幅に向上し、ワークアウト中だけでなく、日常生活を通じて継続的に心拍データを取得することで、身体の状態をより細かく把握できるようになった。
心拍変動(HRV)についても、前世代比で最大24倍の頻度で計測され、5分ごとにデータが更新される。HRVはストレスや回復状態を読み解くうえで重要な指標とされ、Ultra 4 ではバイタルアプリとの連携が強化されている。夜間だけでなく日中の変化も含めて確認しやすくなり、日々のコンディションをより立体的に捉えられるようになったのが印象的だ。
高心拍数/低心拍数の通知、不規則な心拍リズムの通知、心電図アプリ、血中酸素ウェルネス、睡眠時無呼吸の通知など、従来の健康管理機能も引き続き利用可能で、Ultra 4 は「ウェアラブルデバイスの中で最も正確な心拍数センサー」を目指した設計になっている。
コンディションを数値化する「準備度」スコア
新機能として導入された「準備度」は、ユーザーのコンディションを0〜10のスコアで表現する仕組みだ。最近のアクティビティ、トレーニング負荷、バイタル値、睡眠などを総合的に分析し、その日の身体の状態を「休養」「無理せずに」「準備完了」「絶好調」といった段階で示してくれる。
このスコアは朝に算出されたあとも固定されず、その日の運動やバイタルの変化を反映しながら日中も更新される。仕事に向かう日でも、トレーニングプランに取り組む日でも、「今日はどのくらい攻めていいのか」「少しペースを落とした方がいいのか」を判断する材料として機能するのが面白いところだ。ヘルスケア関連の表示も刷新され、複数の健康指標からユーザーの状態を把握しやすくする工夫が随所に盛り込まれている。
Apple Intelligence とオーディオインテリジェンス
Apple Watch Ultra 4 は、S11チップとApple Intelligenceを組み合わせた「オーディオインテリジェンス」を搭載する。中でも象徴的なのが「サウンド認識」機能で、Apple Watch単体で周囲の音を認識し、サイレンやアラーム、ドアベル、赤ちゃんの泣き声など重要な音を検知すると手首のApple Watchに通知してくれる。iPhoneが手元にない状況でも、聴覚に障がいのあるユーザーが周囲の出来事に気づきやすくなるよう設計されている点が心強い。
さらに、周囲で流れている楽曲を認識するShazamが統合されており、スマートスタックから曲名やアーティストを確認できる。iPhoneを取り出すことなく、Apple Watch上でその場の音楽情報をチェックできるのは、音楽好きにはたまらない体験だ。
同じく音を扱う機能として、直前の音声を振り返るための「Live Rewind」や、会話やメモの内容を記録し、Apple Intelligenceで要約する「Recap」も用意される。長い会議や打ち合わせの内容をすべて聞き直さなくても、要点だけを確認できるようになるのは、ビジネスシーンでも大きな武器になるだろう。これらの処理にはS11チップ内のSecure Enclaveが使われ、生の音声データは保存されず、Apple自身もアクセスできない設計が取られている。
Siri と Apple Intelligence の連携
watchOS 27 上の Siri もApple Intelligenceに対応し、従来の音声コマンドによる操作から一歩踏み込んだ使い方が可能になる。ユーザーのパーソナルなコンテキストを踏まえた回答ができるようになり、ワークアウトメニューについて相談したり、その日のコンディションを踏まえて運動内容を検討したり、ウェルネス関連の情報を尋ねたりといった対話的な利用が想定されている。
新しいSiriの機能はまず英語から提供が始まり、日本語には年内に対応予定とされている。Ultra 4 は、単なる通知デバイスではなく、「今の自分に合った選択」を一緒に考えてくれるパートナーのような存在へと近づいている印象だ。
タフなボディと高輝度ディスプレイ
Apple Watch Ultra 4 のケースは49mmのチタニウム製で、カラーはブラックチタニウムとナチュラルチタニウムの2色展開となる。3Dプリントされたチタニウムケースには100%再生チタニウムが使われ、バッテリーには100%再生コバルト、パッケージには100%ファイバー素材を採用するなど、環境面への配慮も徹底されている。
ディスプレイには常時表示Retinaディスプレイを搭載し、最大輝度は3,000nit。広視野角OLEDとLTPO3を採用し、屋外の強い日差しの下でも情報がくっきりと見やすい。アウトドアでの使用を前提としたモデルらしく、視認性と省電力性のバランスが丁寧に追求されている。
耐水性能・ダイビング・スポーツ対応
耐水性能は100mまで対応し、スイミングやシュノーケリングはもちろん、スキューバダイビングや高速ウォータースポーツにも対応する。水深計は最大40mまで計測可能で、水温センサーも搭載されているため、海や湖でのアクティビティをより安全かつ快適に楽しめる。
ランニングでは、ランニングパワー、ケイデンス、心拍数範囲、ペースなどを記録し、自動トラック検出にも対応する。「レーススコース」では過去に走ったコースの自己ベストと現在のペースを比較でき、「ペーサー」では目標時間や距離に応じたペース維持をサポートする。Workout Buddy はペースや距離、進捗に応じた情報や励ましをリアルタイムに提供し、Ultra 4 ではiPhoneが近くにない状態でも利用できる。
バッテリーと充電性能
バッテリー駆動時間は、通常使用で最大50時間、低電力モードでは最大84時間とされている。ワークアウトを標準設定で記録する場合は最大18時間、「長時間のワークアウト(最大)」設定では最大45時間まで使用可能だ。
高速充電にも対応し、約45分で80%まで充電できる。15分の充電で最大18時間駆動できるため、忙しい日でも短時間の充電で一日を乗り切れる安心感がある。
通信機能と安全機能
モバイル通信では5Gに対応し、衛星通信による緊急SOSもサポートする。携帯電話ネットワークやWi-Fiがない環境でも、衛星経由で緊急SOSや海外での緊急通報を利用できるのは、山岳や海上など過酷な環境で活動するユーザーにとって大きな安心材料だ。
安全機能として、緊急SOS、海外における緊急通報、転倒検出、衝突事故検出、サイレンなどが搭載されている。Ultra 4 は、アクティビティを記録するだけでなく、「もしもの時」に頼れるセーフティネットとしての役割も担っている。
バンドラインアップと Hermès モデル
バンドは、アウトドア向けのアルパインループ、スポーツ向けのトレイルループ、ウォータースポーツ向けのオーシャンバンドに加え、海での使用を想定したチタニウムミラネーゼループ(オプション料金17,000円)など、用途に応じたラインアップが用意されている。
「Apple Watch Hermès Ultra 4」はナチュラルチタニウムケースで展開され、新たに「グランHチタニウムストラップ」がコレクションに加わる。ウェットスーツの上から装着する際にストラップを調節できる延長メカニズムを内蔵し、海の深さをモチーフにした文字盤「ファゾムとワンダー」も搭載される。Digital Crownを回すことで、水面から海底までを表現した4種類の文字盤から選べるなど、機能性と遊び心が同居した仕上がりになっている。
スペック一覧
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | Apple Watch Ultra 4 |
| ケースサイズ | 49mm |
| ケース素材 | チタニウム(3Dプリント、100%再生チタニウム使用) |
| カラー | ブラックチタニウム、ナチュラルチタニウム |
| ディスプレイ | 常時表示Retinaディスプレイ、広視野角OLED+LTPO3 |
| 最大輝度 | 3,000nit |
| 耐水性能 | 100m耐水 |
| 水深計測 | 最大40mまでの水深計測、水温センサー搭載 |
| センサー類 | 光学式心拍センサー(大型グリーンLED)、電気式心拍センサー、心電図、血中酸素、HRV計測、温度センサーなど |
| チップ | S11チップ(Secure Enclave内蔵) |
| GPS | 高精度デュアル周波数GPS(2周波数) |
| 通信方式 | 5Gモバイル通信、衛星通信による緊急SOS・海外緊急通報対応 |
| バッテリー駆動時間(通常使用) | 最大50時間 |
| バッテリー駆動時間(低電力モード) | 最大84時間 |
| バッテリー駆動時間(ワークアウト標準) | 最大18時間 |
| バッテリー駆動時間(ワークアウト長時間) | 最大45時間 |
| 充電 | 高速充電対応(約45分で80%、15分充電で最大18時間駆動) |
| 対応ソフトウェア | watchOS 27、Apple Intelligence対応、Siri強化(日本語対応は年内予定) |
| 主なヘルス機能 | 新ヘルスセンシングシステム、心拍数・HRV高頻度計測、準備度スコア、睡眠・血中酸素・心電図・睡眠時無呼吸通知など |
| 主なオーディオ機能 | サウンド認識、Shazam統合、Recap、Live Rewind(地域により提供) |
| 安全機能 | 緊急SOS、海外緊急通報、転倒検出、衝突事故検出、サイレン |
| バンドラインアップ | アルパインループ、トレイルループ、オーシャンバンド、チタニウムミラネーゼループ(オプション)、Apple Watch Hermès Ultra 4 用バンドなど |
| 発売日 | 2026年9月18日 |
| 価格 | 142,800円(税込)から |
Apple Watch Ultra 4とApple Watch Ultra 3を徹底比較
Apple Watch Ultra 4は、ぱっと見ではUltra 3と大きく変わらないように見えます。けれど、実際に中身を見ていくと、今回の進化はなかなか見逃せません。派手なフルモデルチェンジではないぶん、変わったところと変わらなかったところがはっきりしていて、選び方も意外と明快です。
結論から言えば、Apple Watch Ultra 4は「もっと長く使いたい」「運動データをより細かく見たい」「体調管理も一段深く踏み込みたい」という人に向いた1本です。一方で、Ultra 3はすでに完成度が高く、日常使いやアウトドア用途が中心なら、いまでも十分に魅力があります。
まずは結論、どちらを選ぶべきか
Ultra 4は、外観を大きく変えずに、実用面をしっかり磨き上げてきたモデルです。特に効いてくるのは、バッテリー持ちの向上と、ヘルスケア関連の進化でした。毎日使う道具としての快適さが、じわっと底上げされています。
いっぽうのUltra 3は、ディスプレイの明るさ、耐久性、衛星通信、水深40mまでのダイビング対応といったUltraらしい魅力をすでに備えています。だからこそ、「新型だから」という理由だけで飛びつくよりも、自分の使い方に本当に合うかどうかで判断したいところです。
Ultra 4が向いている人
- バッテリーの余裕を少しでも増やしたい人
- 長時間のランニングやハイキング、トレイルで使う人
- 心拍やHRVを細かく見ながら体調管理したい人
- 準備度のような新しい健康指標を活用したい人
- 少しでも長く現役で使える新世代モデルを選びたい人
Ultra 3が向いている人
- 通知、決済、睡眠記録が中心の人
- 衛星通信や高い耐久性があれば十分という人
- 見た目の変化が少ないなら、いまある完成度を重視したい人
- 新機能よりもコスト感や実用性を優先したい人
スペックの違いを一覧でチェック
まず押さえておきたいのは、Ultra 4とUltra 3は「全部が別物」ではないということです。サイズもディスプレイも耐久性も、根本部分はかなり共通しています。違いは主に、チップ、センサー、バッテリーまわりに集中しています。
スペック一覧比較
| 項目 | Apple Watch Ultra 4 | Apple Watch Ultra 3 |
|---|---|---|
| 発売時期 | 2026年9月18日 | 2025年9月19日 |
| 価格 | 142,800円(税込)から | 142,800円(税込)から |
| チップ | S11 | S10 |
| ケース素材 | グレード5チタニウム | グレード5チタニウム |
| ケースサイズ | 49×44×12mm | 49×44×12mm |
| 重量 | 63.0g(ナチュラル) / 63.1g(ブラック) | 61.6g(ナチュラル) / 61.8g(ブラック) |
| カラー | ナチュラル / ブラック | ナチュラル / ブラック |
| ディスプレイ | LTPO3広視野角OLED常時表示Retina | LTPO3広視野角OLED常時表示Retina |
| 解像度 | 422×514 | 422×514 |
| 画面輝度 | 最大3,000ニト | 最大3,000ニト |
| ストレージ容量 | 64GB | 64GB |
| 通常使用時バッテリー | 最大50時間 | 最大42時間 |
| 低電力モード | 最大84時間 | 最大72時間 |
| 屋外ワークアウト記録 | 最大18時間 | – |
| 長時間のワークアウト | 最大25時間 | – |
| 長時間のワークアウト(最大) | 最大45時間 | – |
| 15分充電 | 最大18時間使用 | 最大12時間使用 |
| 5分充電での睡眠記録 | 最大10時間 | 最大8時間 |
| 心拍センサー | ヘルスセンシングシステム | 第3世代光学式心拍センサー + 電気心拍センサー |
| 心拍数のバックグラウンド測定 | 5秒ごと | 数分おき |
| HRV測定 | 5分ごと / 従来比で高頻度 | 従来方式 |
| 準備度 | 対応 | 非対応 |
| 回復時HRV | 対応 | 非対応 |
| 日中バイタル値 | 対応 | 非対応 |
| 心電図アプリ | 対応 | 対応 |
| 血中酸素ウェルネス | 対応 | 対応 |
| 睡眠スコア | 対応 | 対応 |
| 睡眠時無呼吸の通知 | 対応 | 対応 |
| 高血圧パターンの通知 | 対応予定。ただし日本では初期段階で利用不可 | 対応 |
| Siri AI | 対応 | 非対応 |
| オーディオインテリジェンス | 対応 | 非対応 |
| サウンド認識 | 対応 | 非対応 |
| Shazam自動認識 | 対応 | 非対応 |
| ジェスチャー | シングルタップ / ダブルタップ / 手首フリック | ダブルタップ / 手首フリック |
| GPS | 高精度2周波GPS | 高精度2周波GPS |
| 衛星測位 | GPS / Galileo / QZSS / BeiDou | GPS / GLONASS / Galileo / QZSS / BeiDou |
| 衛星通信 | 対応 | 対応 |
| 緊急SOS | 対応 | 対応 |
| メッセージの衛星送信 | 対応 | 対応 |
| 「探す」の衛星共有 | 対応 | 対応 |
| 5G | 対応 | 対応 |
| Wi‑Fi | Wi‑Fi 4 | Wi‑Fi 4 |
| Bluetooth | 5.3 | 5.3 |
| 耐水性能 | 100m | 100m |
| 防塵性能 | IP6X | IP6X |
| ダイビング対応 | 水深40mまで | 水深40mまで |
| 水深計 | 対応 | 対応 |
| 耐衝撃 | MIL-STD 810H | MIL-STD 810H |
| 対応iPhone | iPhone 11以降 | iPhone 11以降 |
主な違い
• チップ
Ultra 3はS10、Ultra 4はS11
• 通常使用時のバッテリー
Ultra 3は最大42時間、Ultra 4は最大50時間
• 低電力モード時のバッテリー
Ultra 3は最大72時間、Ultra 4は最大84時間
• 15分充電で使える時間
Ultra 3は最大12時間、Ultra 4は最大18時間
• 心拍センサー
Ultra 4は新しいヘルスセンシングシステムを採用
• 心拍数のバックグラウンド測定頻度
Ultra 4は5秒ごと
• HRV測定頻度
Ultra 4は従来より大幅に高頻度
• 準備度
Ultra 3は非対応、Ultra 4は対応
• 長時間ワークアウトモード
Ultra 4は最大25時間、さらに最大45時間の専用モードあり
• 重量
Ultra 3は61.6g〜61.8g、Ultra 4は63.0g〜63.1g
いちばん大きい進化はバッテリー
Ultra 4の進化をひと言で表すなら、まずはここです。通常使用時の駆動時間は最大50時間となり、Ultra 3の42時間から8時間伸びました。数字だけ見ると地味に感じるかもしれませんが、実際にはこの差がかなり効きます。
丸2日使ってもまだ余裕がある感覚は、毎日充電したくない人にとってかなり大きいはずです。睡眠記録も続けたい、日中も通知やワークアウトでしっかり使いたい、そんな使い方ではこの余裕がじわじわありがたくなってきます。
ワークアウト時のスタミナも強化
Ultra 4は、標準的な屋外ワークアウト記録で最大18時間に対応します。さらに、「長時間のワークアウト」では最大25時間、「長時間のワークアウト(最大)」では最大45時間まで伸ばせます。
ここはかなり魅力的なポイントですが、ひとつ注意もあります。最大45時間という数字は、特定の条件下で使う専用モードでの話です。機能制限と引き換えに伸ばしている面もあるため、すべての使い方でそのまま45時間使えるわけではありません。
それでも、これまで途中充電を気にしていた長距離ランナーやロングトレイル派にとっては、運用そのものが変わるレベルの改善と言えます。派手ではないけれど、かなり実戦的です。
充電のしやすさも地味にうれしい
Ultra 4は15分の充電で最大18時間使えるようになりました。Ultra 3の最大12時間から見ると、この差も見逃せません。朝の支度中やシャワーの間に少し充電するだけで、その日から夜、さらに睡眠記録までつながりやすくなります。
こういう改善はスペック表だけだと地味ですが、毎日触れる製品では効きます。むしろ、日々の使い心地という意味ではかなり大きな進化です。
ヘルスセンシングシステムで体調管理が一歩先へ
Ultra 4でバッテリーと並ぶもうひとつの大きな進化が、新しいヘルスセンシングシステムです。光学式と電気式の心拍センサーが刷新され、心拍数は一日を通して5秒ごとに、HRVは高頻度で測定できるようになりました。
この変化が意味するのは、単に「数値が増えた」ということではありません。日中の状態変化や回復傾向を、より細かく追いやすくなるということです。コンディションを感覚だけでなくデータでも把握したい人には、かなり魅力的に映るはずです。
準備度はUltra 4の象徴的な新機能
Ultra 4には準備度が加わりました。最近のアクティビティ、トレーニング負荷、睡眠スコア、バイタルをもとに、その日の状態を0〜10で示してくれる機能です。
今日は攻めていい日なのか、少し抑えたほうがよさそうなのか。そうした判断を、感覚だけでなく毎朝の指標として受け取れるのはやはり新鮮です。トレーニングを積んでいる人にはとてもわかりやすい武器になりますし、そこまで本格派でなくても、体のコンディションを客観視しやすくなるのはうれしいところです。
もちろん、これだけで体調のすべてを判断できるわけではありません。ただ、毎日のリズムを整えるヒントとしてはかなり魅力があります。
S11チップで何が変わるのか
Ultra 4はS11チップを搭載しています。Ultra 3のS10から1世代進んだわけですが、ここはスマートフォンのように体感速度が激変するタイプの進化ではありません。
アプリがいきなり別物のように速くなる、というよりは、新しい健康機能や音まわりの機能を支える土台として効いてくるイメージです。今後のwatchOSの展開も考えると、長く使う前提ではやはり新しいチップの安心感があります。
音まわりの新機能にも注目
Ultra 4は、S11チップによってオーディオインテリジェンスにも対応します。サウンド認識やShazam連係など、手首の上で音を扱う体験が少し広がりました。
また、Siri AIへの対応も大きなトピックです。ただし、ここは期待しすぎないほうがいい部分でもあります。機能によっては段階的な提供となり、日本語対応も時間差があります。新機能の名前だけで飛びつくと、最初は思ったほど使い切れないかもしれません。
だからこそ、Ultra 4の魅力をSiriまわりだけに絞るのではなく、まずはバッテリーやヘルスケアの進化を中心に見たほうが、満足度は高くなりそうです。
変わらなかったところもかなり多い
ここがUltra 4の面白いところでもあり、人によっては悩ましいところでもあります。なにしろ、本体サイズは49×44×12mmで据え置き。ディスプレイ解像度も、最大3,000ニトの明るさも、基本的なタフネスもほぼそのままです。
つまり、Ultra 3の時点ですでに完成していた部分は、今回も大きく手を入れられていません。これは悪いことではなく、むしろ「完成形を崩さなかった」とも言えます。ただ、見た目の新鮮さを期待していた人にとっては、少し肩透かしに感じるかもしれません。
共通している主なポイント
- 49mmチタニウムケース
- ナチュラルとブラックの2色展開
- 常時表示Retinaディスプレイ
- 最大3,000ニトの高輝度表示
- 100m耐水
- 水深40mまでのレクリエーショナルダイビング対応
- IP6X等級の防塵性能
- MIL-STD 810H準拠の耐久性
- 64GBストレージ
- 衛星経由の緊急SOS、メッセージ、「探す」対応
このあたりを見ると、Ultra 3がいまでも十分に強いモデルであることがよくわかります。見た目だけでなく、Ultraの本質的な魅力はしっかり引き継がれています。
重量は少し増えた
Ultra 4の重量は、ナチュラルで63.0g、ブラックで63.1g。Ultra 3の61.6g、61.8gと比べると、1g台の増加です。
数字としてはたしかに重くなっていますが、日常使用で劇的に差を感じるほどではないでしょう。むしろ、バッテリーやセンサーまわりの強化を考えると、よくこの重量差に収めたという見方もできます。
ただし、もともと49mmというサイズ自体がかなり存在感のあるモデルです。手首が細めの人や、睡眠時もずっと着けたい人にとっては、このサイズ感そのものが気になる可能性があります。Ultra 4だけの問題ではありませんが、選ぶ前に必ず意識しておきたいポイントです。
高血圧パターンの通知は日本で注意が必要
健康機能に期待している人ほど、ここは丁寧に見ておきたいところです。Ultra 4は高血圧パターンの通知に対応する設計ですが、日本では初期段階で利用できない扱いになっています。追加承認の手続き中とされており、現時点では“すぐ使える新機能”として考えないほうが安全です。
この機能を目当てに買うつもりなら、少し慎重になったほうがいいでしょう。特に健康機能は、名前の印象だけが先行しやすい分、実際の利用条件まで確認しておくことが大切です。
また、そもそもこれは血圧の数値を直接測るものではありません。医療機器のような計測と混同しないようにしたいところです。
価格はどう見るべきか
Ultra 4の価格は142,800円からです。新型と聞くと値上げを覚悟しがちですが、今回は据え置きに見える価格設定になっています。
ただ、ここには少し複雑な背景があります。というのも、Ultra 3も途中で価格改定が入り、現在の価格帯はUltra 4と近い水準になっています。つまり、「新型だから高い」というより、「旧型も安くない」という状況です。
このため、価格差だけでUltra 3を選ぶ意味は以前より薄くなりました。もし近い金額で迷うなら、中身が新しいUltra 4を選ぶ判断はかなり自然です。逆に、Ultra 3を選ぶ理由は“価格差”ではなく、“機能差がそこまで必要ない”という考え方のほうがしっくりきます。
買い替える価値はあるのか
これはいちばん気になるところかもしれません。結論としては、Ultra 3からUltra 4への買い替えは、人を選びます。
買い替え満足度が高そうな人
- バッテリー不足をすでに感じていた人
- 長時間のワークアウトを本気で使う人
- 準備度や高頻度心拍測定を活かしたい人
- 体調管理の粒度を上げたい人
いまのままでも満足しやすい人
- 通知、支払い、睡眠記録が中心の人
- Ultra 3の性能に大きな不満がない人
- 見た目の変化や新鮮さを重視する人
- 健康データをそこまで細かく見ない人
Ultra 4は、わかりやすい見た目の変化ではなく、使い込むほど良さが見えるタイプのアップデートです。だからこそ、ライフスタイルに刺さる人には強いですが、そうでない人にはUltra 3の完成度の高さがむしろ光ります。
どちらを選んでも失敗しにくいポイント
Ultraシリーズは、そもそもベースの出来がかなり高い製品です。だから、今回の比較では「どちらが圧倒的に上か」よりも、「どこに価値を感じるか」が大事になってきます。
外観や耐久性、衛星通信、ダイビング対応など、Ultraらしさを求めるだけならUltra 3でも十分に満たせます。けれど、そこに加えて“体調をもっと細かく読みたい”“長距離でも余裕を持たせたい”という気持ちがあるなら、Ultra 4の進化はかなり魅力的です。
まとめ
Apple Watch Ultra 4は、見た目を大きく変えずに、中身の完成度を高めてきたモデルでした。特に目を引くのは、最大50時間のバッテリー、最大45時間の長時間ワークアウト記録、新しいヘルスセンシングシステム、そして準備度の追加です。毎日使うほど、その進化のありがたみを感じやすい仕上がりになっています。
一方で、Ultra 3もいまなお強力です。画面、耐久性、衛星通信、ダイビング対応といったUltraの魅力はすでにしっかり備わっており、日常使いや一般的なアウトドア用途なら、まだまだ満足度は高いままでしょう。
派手な刷新を期待していた人には少し意外な世代かもしれません。でも、実用性の積み上げという意味では、Ultra 4はとても堅実で、かなり“らしい”進化を遂げた1本です。いま選ぶなら、最新の体験を取りたい人はUltra 4、すでにUltra 3を使っていて不満が少ない人は無理に急がなくてもいい。そんなバランスのいい結論に落ち着きます。


