EPZ TP35 PRO
EPZ TP35 PROは、デュアルCS43198 DACを搭載したUSB-C接続のミニポータブルDAC兼ヘッドホンアンプで、3.5mmシングルエンドと4.4mmバランス出力、専用アプリやWeb経由のEQ・PEQチューニング、ゲーム機対応UAC1.0モード、マイク対応などを一体化した「音楽・ゲーム・通話」向けオールインワン・ドングルとして設計されたモデルである。
特徴
デュアルCS43198 DACと高音質設計
- ハイレゾ対応のデュアルDAC構成:
Cirrus Logic CS43198をデュアル構成で搭載し、PCM最大32bit/384kHzおよびDSD256までのハイレゾ音源に対応することで、解像度の高いクリアなサウンドと広いダイナミックレンジを実現している。 - 高出力かつ低歪み・低ノイズ:
3.5mmシングルエンド出力で32Ω時112mW、4.4mmバランス出力で32Ω時262mWを確保し、THD+Nはそれぞれ0.00045%以下、0.0003%以下と非常に低く抑えられている。S/N比は3.5mmで131dB超、4.4mmで133dB超とされ、スマートフォンやノートPC内蔵出力に比べてノイズフロアが低く、静かな背景を提供する。
出力・インターフェース・対応デバイス
- 3.5mmシングルエンド+4.4mmバランスのデュアル出力:
3.5mmシングルエンドと4.4mmバランスの2系統を搭載し、既存のケーブルやイヤホン/ヘッドホンをそのまま活かしながら、用途や機器に応じて柔軟に使い分けることができる。 - USB-C接続と付属アダプター:
本体はUSB-C接続に対応し、USB-C–USB-CケーブルとUSB-C–USB変換アダプタが同梱されるため、スマートフォン、タブレット、ノートPC、デスクトップPCなど多様な機器と簡単に接続できる。 - マルチプラットフォーム対応とUAC1.0ゲームモード:
Android、Windows、macOS、iOS(アダプタ経由)など主要OSに幅広く対応し、SwitchやPS5などゲーム機向けにUAC1.0モードを備えることで、「接続すればそのまま使える」ゲーム用途にも配慮した設計となっている。 - マイク対応3.5mm端子:
3.5mm端子はマイク付きイヤホンにも対応しており、オンライン会議やボイスチャット、ゲーム中のボイスコミュニケーションなど、通話用途にも活用できる。
チューニング・フィルター機能
- 専用アプリ/WebによるEQ・PEQ調整:
Android向けのWalkPlayアプリおよびブラウザベースのWeb Tuningに対応し、PEQ/EQによる細かな音質調整やプロファイル管理が可能。設定は本体側に保存されるため、接続機器を変えても好みの音を維持できる。 - 5種類のデジタルフィルター:
内蔵された5種類のデジタルフィルターモードから好みの音調を選択でき、音の立ち上がりや余韻のニュアンスを自分の嗜好に合わせて切り替えられる。
デザイン・ビルドクオリティ
- CNCアルミ合金ボディによる堅牢性と質感:
高品質CNCアルミ合金から削り出された筐体は、日常使用に耐える堅牢性とスリムでコンパクトな携帯性を両立し、滑らかで高級感のある質感を備えている。 - ポータブル性重視のコンパクト設計:
ドングルタイプの小型ボディでありながら、デュアル出力や高出力アンプ、チューニング機能を詰め込んでおり、外出先でも本格的なリスニング環境を持ち運べる。
スペック一覧
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | EPZ TP35 PRO |
| 型番 | EPZ-TP35PRO |
| 種別 | USB-C接続 ミニポータブル IEM DAC/ヘッドホンアンプドングル |
| DACチップ | Cirrus Logic CS43198 ×2(デュアル構成) |
| 対応フォーマット | PCM 最大32bit/384kHz、DSD64/DSD128/DSD256 |
| 出力端子 | 3.5mmシングルエンド、4.4mmバランス |
| 出力(3.5mm) | 112mW @ 32Ω |
| 出力(4.4mm) | 262mW @ 32Ω |
| S/N比(3.5mm) | >131dB |
| S/N比(4.4mm) | >133dB |
| THD+N(3.5mm) | ≤0.00045%(公式仕様では <0.0005%) |
| THD+N(4.4mm) | ≤0.0003% |
| 周波数特性 | 20Hz〜40kHz |
| デジタルフィルター | 5種類のデジタルフィルターモード |
| EQ/PEQ機能 | WalkPlayアプリ(Android)およびWeb TuningによるカスタムEQ・PEQ、プロファイル管理・メモリー機能 |
| 接続インターフェース | USB-C(USB-C–USB-Cケーブル、USB-C–USB変換アダプタ同梱) |
| 対応OS/デバイス | Android、Windows、macOS、iOS(アダプタ経由)、ゲーム機(UAC1.0モード対応) |
| マイク対応 | 3.5mm端子でマイク付きイヤホンに対応 |
| ボディ素材 | 高品質CNCアルミ合金 |
| カラー | Black/Silver/Golden Hour など |
| 付属品 | DAC本体、USB-C–USB-Cケーブル、USB-C–USB変換アダプタ |
総合レビュー(強み・弱み・おすすめユーザー・総評)
EPZ TP35 PROの最大の強みは、「小さなドングル1本で、音楽・ゲーム・通話のすべてをきちんと底上げできる」設計思想にある。デュアルCS43198 DACによる高解像度再生と、3.5mm/4.4mm両出力で十分な駆動力を確保しているため、一般的なイヤホンはもちろん、やや駆動力を要するヘッドホンでも余裕を持って鳴らせるポテンシャルを備えている。スマートフォンやノートPCの内蔵出力にありがちな「ざらつき」や「情報量の不足」を感じているユーザーにとって、ノイズフロアの低さとS/N比の高さは、ボーカルの抜けや細かなディテールの描写力という形で、分かりやすいアップグレード感につながるだろう。
また、専用アプリやWeb TuningによるEQ・PEQ機能は、単なる「音質調整」を超えて、用途ごとにプロファイルを切り替えながら使う楽しさを提供している。音楽鑑賞用にフラット寄りのチューニングを作りつつ、FPSゲーム向けには足音を強調した設定を用意し、通話用には声の明瞭さを優先したプロファイルを用意する、といった使い分けが1台で完結するのは、ドングルDACとしてはかなり贅沢な体験だ。UAC1.0ゲームモードやマイク対応3.5mm端子と組み合わせれば、「スマホ+PC+ゲーム機+通話」をTP35 PROに集約するワークフローが現実的になる。
一方で、弱みとして挙げられるのは、機能の豊富さゆえの「とっつきにくさ」だ。単純にUSB DACとして音を出すだけなら難しくないものの、EQ・PEQやデジタルフィルター、ゲームモードなどをフル活用しようとすると、アプリの導入やWeb Tuningの操作にある程度の慣れが必要になる。オーディオにあまり詳しくないユーザーにとっては、「何から触ればいいのか」が分かりにくく感じられる場面もあるだろう。また、出力や機能面では価格以上の内容だが、同価格帯には他社のドングルDACも多数存在するため、「シンプルさ」を重視するユーザーには、ここまで多機能であることが必ずしもプラスに働かない可能性もある。
おすすめできるユーザー像としては、まず「スマホやノートPCの音を本格的にアップグレードしたいが、据え置き機材までは持ち込みたくない」というライト〜ミドルクラスのオーディオファンが挙げられる。3.5mmと4.4mmの両出力を備えているため、既にバランスケーブルを導入しているユーザーにとっても、サブ機としてではなくメインのポータブルDACとして十分に活躍できるスペックだ。また、ゲームと音楽を同じ環境で楽しみたいゲーマーにも相性が良い。UAC1.0モードでゲーム機に接続しつつ、EQプロファイルで足音や環境音の聞こえ方を追い込めるため、「音で勝ちたい」タイプのプレイヤーにとっては、ヘッドセットの買い替えよりも効果的な投資になり得る。さらに、オンライン会議やボイスチャットを日常的に行うユーザーにとっては、マイク対応3.5mm端子と静かなバックグラウンドが、声の聞き取りやすさと疲れにくさという形でメリットをもたらす。
総評として、EPZ TP35 PROは「1台で何役もこなす」ことを狙った多機能ドングルDACでありながら、音質面でも妥協の少ないバランスの良い製品に仕上がっている。デュアルCS43198による透明感のあるサウンド、十分な出力、低ノイズな背景、そしてEQ・PEQやゲームモード、マイク対応といった機能群が、価格帯以上の満足度を生み出している印象だ。シンプルなUSB DACを求めるユーザーにはややオーバースペックかもしれないが、「音楽もゲームも通話も、全部まとめて良くしたい」という欲張りなニーズには、非常に素直に応えてくれる一本と言えるだろう。
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