SOUNDPEATS Engine 4

レビュー【SOUNDPEATS Engine 4】1万円以下で同軸デュアルダイナミック型ドライバー採用した、ハイレゾ対応の完全ワイヤレスイヤホン

独自開発のクロスオーバー技術を採用した同軸デュアルダイナミックドライバー搭載完全ワイヤレスイヤホン【SOUNDPEATS Engine 4】をレビューする。

LDAC対応およびハイレゾワイヤレス規格に準拠した音質重視の設計とあわせ、かすかな起伏が落ち着いた光沢を放つブラックスティール調の筐体デザインや、充電ケースと合わせると最大43時間の再生能力、2台のデバイスと同時接続できるマルチポイント機能など、細部にまでこだわり抜いた。

ダイナミックドライバーを同軸上に2基配置する「同軸・デュアルダイナミック型ドライ バー」を採用した。中低音域を担う10mm径、高音域を担う6mm径のダイナミックドライバーは互いに干渉せず、振動板の同期性を高め音の歪みを抑制するとともに、位相特性の優れたシームレスで自然な音調表現と繊細な解像感を高い次元で両立させる。

同軸・デュアルダイナミック型ドライバーは、PUにチタンメッキを施した3層構造からなる10mm径PET複合振動板と、同じくチタンメッキを施した6mmのPET径振動板で構成。設計にあたり徹底して素材を吟味し、柔軟性と反発力に優れたPET素材に高硬度のチタンを組み合わせることで、力強く迫力がある低域と見通しよくクリアで明るい中高域を実現した。

物理的なクロスオーバーと電子回路によるクロスオーバーを組み合わせた独自開発の「デュアルクロスオーバー技術」を採用。 物理的なクロスオーバーでは、低域と高域それぞれに独立した音導管を割り当てることで、 分割されている周波数帯域間の違和感低減とスムーズな音調を実現した。電子回路クロ スオーバー技術は、演算により高・中・低の各音域をバランスよく分離。 ハードウェアとソフトウェアという異なるアプローチを活用したクロスオーバー技術と、新開発の振動板を組み合わせることで、分離感を維持しながらも一貫性のある、クリアーで滑らかな音を実現。

音質志向のワイヤレスイヤホン/ヘッドホンに多数の採用実績を誇る、高効率・高音質オーディオコーデック「LDAC」に対応した。同じくLDACに対応する再生機と組み合わせれば、サンプリング周波数最大96kHz・量子化ビット数24bitというハイレゾ相当の再生が可能。

一般社団法人日本オーディオ協会が定める「40kHz以上の高域再生性能」や 「96kHz/24bitの信号処理性能」などの基準をクリア、ハイレゾオーディオワイヤレスの認証を取得。

イヤホン本体の周囲にうっすらと施された菱形の起伏は、美観のみならず実用性を兼ね備えている。指でつまめば適度な摩擦により落下防止となるうえ、装着しやすさとケースからの取り出しやすさが容易になる。充電ケースは、手にしたときの収まりのよさに留意しつつ、温かみと柔らかさを感じさせるコンパクトな楕円形にデザインしている。

Bluetoothのマルチポイント接続に対応。パソコンとスマートフォンを利用しているとき、両方にマルチポイント接続していれば、突然パソコン側でビデオ会議が始まったとしても、スマートフォン側の音楽再生を停止しパソコンにつなぎ替える必要がない。

10バンドEQ機能搭載・iOS/Android OS対応の専用アプリ「SOUNDPEATS」を用意。低域を強調したい、高域 を抑え気味にしたい、といった繊細な音質カスタマイズの要望に応える。ファームウェアアップデートなど、長く利用するためにも役立つ。

店頭予想価格は8,480円。

Engine 4(エンジン・フォー)
形式カナル
本体操作タッチ
ドライバー方式同軸・デュアルダイナミック型(φ6mm + φ10mm)
再生周波数帯域20Hz~40KHz
BluetoothプロファイルA2DP 、AVRCP 、HFP、SPP 、GATT
対応コーデックAAC、SBC、LDAC
BluetoothバージョンBluetooth 5.3
最大持続時間(単体)12.5時間
最大持続時間(充電ケース併用)43時間
充電時間約2.5時間
重量 (単体)6.5g
重量 (イヤホン両側+充電ケース)43g
充電コネクタUSB Type-C
通話ノイズキャンセリング対応(ENC:環境ノイズキャンセリング)
マルチポイント対応(LDAC再生時使用不可)
マイク計2基(片側1基)
専用アプリ対応
防水性能IPX4準拠(イヤホン本体)
カラーブラックスティール
付属品USB Type-C充電ケーブル、説明書、アプリ説明書

黒を基調とし、製品画像を掲載したシンプルな化粧箱。金色の差し色を使い高級感を出している。裏には技適番号も記載されている。

アプリガイド、取扱説明書はフタの裏にある。

イヤーピースS/M(イヤホンに装着)/L

同梱物は、【SOUNDPEATS Engine 4】本体、充電用USBケーブル(USB Type-A to USB Type-C)、イヤーピースS/M(イヤホンに装着)/L、アプリガイド、取扱説明書となっている。

充電ケースは光沢のあるブラウン。公式ではブラックスティールカラーと呼んでいるみたいだが、深みがあり高級感のあるカラー。しかし、光沢仕上げなので、指紋が目立つ。

ケース底面には、USB Type-C充電ポートとベアリングボタンを備える。残念ながらワイヤレス充電には対応していない。

ケースの実測重量は31.3g。

イヤホンは、ローレット加工みたいなデザインが施されておりデザインは少し個性的。採用されいるカラーと相まって上品で高級感があり、とても1万円以内で購入できるイヤホンには見えない。

イヤホン本体は少し滑りやすく、充電ケースと本体の磁石の吸着力が強いため、取り出そうとすると手を滑らせ、落としてしまう危険性がある。

イヤホン本体を少し回転させながら捻り出すようにすると、スムーズに取り出すことができるが、特に扱いに慣れていない最初のうちは注意が必要。

イヤホン片耳の実測重量は6.6g。

ノズルは正円系で、イヤホン側は他社性のイヤーピースでも問題なく装着できそう。

独特の筐体デザインで、耳に装着したとき最初はしっくりこなかった。しかし、何度か装着するとなれてきて、耳に入れた後少し回転させることで違和感なく装着できるようになった。また、圧迫感はあまりなく快適に使えた。

ただし、外側に大きく張り出しており、重量バランスがあまり良い感じはしない。人によっては長時間使用すると疲れる人もいるだろう。

対応コーデックはSBCとAAC、高音質コーデックのLDACにも対応。今回はLDACコーデックで接続して検証した。

低音の量感が多めなサウンド。重みを感じる低音で、ゆったりとした響きも感じられる。

中音域もかなりの厚みがあり、非常にクリア。ボーカルにもツヤ感を感じられる。低音~中音が非常に前のめりかつ量感多め。解像度感は高くしっかりと輪郭をくっきりと表現してくれる。

高音は、低音・中音に比べると癖のないニュートラルな音質。

謳い文句通り非常に解像度が高くバランスの良い音。量感のある低音はもちろんのこと、中音域の明瞭感も高い。デュアルドライバーらしい音の厚みを楽しめる。ロックやジャズ、ポップスとジャンルを問わずに気持ちよく再生してくれる。

ゲームモードを搭載しているため、音声と映像をズレが少なく、動画鑑賞やスマホゲームを自然に楽しむことができる。

バトルロワイヤルやFPS、音楽ゲームなどの瞬時の判断が必要なゲームには向いていない。RPGやシミュレーション、アクションゲームはかなり楽しめる。

ゲームモードをONにしなくても遅延は少ないので、YouTubeやNetflixを見る分には問題はない。

ダイナミック型イヤホンとは

ダイナミック型イヤホンは、さまざまな形状のイヤホンやヘッドホンに幅広く採用されており、もっとも一般的なドライバー。
そのため、安価なものからハイクラスなものまで販売されており、選択肢が広い。
音の再生が得意で、音圧もしっかりとある。
ドライバーを大きくすることで、よりパワフルな音を楽しめる。
また、ダイナミック型には2基のドライバーを搭載するデュアルドライバー型もあり、ドライバーの負担を軽減しつつ音に広がりを出すことができる。
一方でバランスドアーマチュア型に比べて小型化が難しいというデメリットもある。

バランスドアーマチュア型イヤホンとは

バランスドアーマチュア型は小型でクリアな音を再現できることがメリットですが、その分高価であるため、ハイクラスのイヤホンや医療用の補聴器などに使われることが多いドライバー。
また、音楽制作現場でモニターヘッドホンにもよく使用されている。
音の再現性が高く、中音~高音の再生が得意だとされている。
Bluetoothコーデックビット数サンプリング周波数最大ビットレートレイテンシ(遅延)特徴
SBC16bit48kHz328kbps220ms(±50ms)Bluetoothオーディオの標準コーデック。
遅延性は比較的高い。
AAC16bit48kHz非公表120ms(±30ms)
@128kbps
おもにiPhoneで採用されている高音質コーデック。
遅延性は中程度。
aptX16bit48kHz352kbps @ 44.1kHz

384kbps @ 48kHz
70ms(±10ms)SBCやAACより高音質・低遅延。
aptX LL16bit48kHz40ms未満aptXと同等の音質かつもっとも遅延が少ない。
aptX HD24bit48kHz576kbps

620kbps ※Snapdragon 865以降
130ms24bit / 48kHzに対応した高音質コーデック。
低遅延。
aptX Adaptive24bit96kHz420kbps50~80ms高音質・低遅延・接続安定性を実現したコーデック。
LDAC24bit96kHz990kbpsSONYが開発した最大24bit / 96kHzに対応した高音質コーデック。
遅延性は比較的高い。
Samsung Scalable Codec24bit96kHz512kbpsサムスン独自のコーデックで、高音質・接続安定性を実現。
遅延性については非公開。
LHDC24bit96kHz900kbps台湾の半導体メーカーSavitechが開発したコーデック。Huaweiによる独自コーデック「HWA」のベースにもなっている。
HWA24bit96kHz900kbps50~400msHuaweiが開発した高音質・低遅延コーデック。
UAT24bit192kHz1.2MbpsHiby Music独自のコーデックで24bit / 192kHzの超高音質。

音声はややこもり感はありますが、音量は十分。はっきりと声が相手に届いた。ただノイズにはやや弱く、周囲が騒がしいとその音も結構拾う。

専用アプリが提供されており、アプリを使用すると2台のデバイスと同時接続できるマルチポイント接続、遅延を抑えるゲームモード、ユーザーの聴力に合わせて音の出力をカスタマイズできるアダプティブサウンド設定、プリセットイコライザー、カスタムイコライザー、全てのタッチ操作の無効化オプションなどを利用できる。

操作はタッチパネルで行う。SOUNDPEATSのロゴが記載されているところにタッチセンサーを搭載。感度はちょうど良いくらいで操作にストレスは感じない。

イヤホンのタッチセンサーによる操作の種類も豊富にあり、これらを覚えて利用することで非常に快適に音楽鑑賞を楽しむことができる。

機能操作
電源オン自動:充電ケースを開く
手動:タッチボタンを約1.5秒長押し
電源オフ自動:イヤホンを充電ケースに入れてフタを閉じる
手動:タッチボタンを約10秒長押し
再生/一時停止任意側イヤホンのボタンを2回タップ
音量を下げる左側イヤホンのボタンを1回タップ
音量を上げる右側イヤホンのボタンを1回タップ
曲送り右側イヤホンのボタンを約1.5秒長押し
曲戻し左側イヤホンのボタンを約1.5秒長押し
電話を受ける/切る任意側イヤホンのボタンを2回タップ
受信拒否任意側イヤホンのボタンを約1.5秒長押し
通話切り替え(通話中)任意側イヤホンのボタンを約1.5秒長押し
手動でペアリング任意側イヤホンのボタンを約6秒長押し
音声アシスタントを起動右側イヤホンのボタンを3回タップ
ゲームモードオン/オフ左側イヤホンのボタンを3回タップ

イヤホン単体で最大12.5時間、さらに充電ケース併用で最大43時間使用可能。リモートワーク時などは、途中で充電することなく一日中使える。

また、マルチポイントに対応しているので、2台の端末と同時に接続することが可能。PCとスマホを都度接続設定することなく使えて非常に便利。テレワーク時などに活躍するだろう。

ただし、このマルチポイント機能を利用している間には、LDACの利用ができないという点には注意が必要。

アクティブノイズキャンセリングは非対応だが、この価格では謳い文句通り非常に解像度が高くバランスの良い音で、デュアルドライバーらしい音の厚みを楽しめる。アンダー1万円ではトップクラスの音質といえる。

またビルドクオリティもこれまで以上に高く、とても1万円以下のものには見えない。イヤホンはローレット加工みたいな形成が施さているうえ、ケースは本当に上質なカラーを採用。

イヤホンがケースから取り出しずらいことやイヤホンの装着方法など気になるところがあるが、音質やビルドクオリティは素晴らしい。

気になった方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

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