Edifier MR4
Edifier MR4は、1インチシルクドームツイーターと4インチウーファーを搭載したアクティブ2chスタジオモニタースピーカーで、DTMや映像制作などクリエイティブ用途を意識したフラット志向のチューニングと、日常リスニング向けのミュージックモードを両立し、TRSバランス入力や前面ヘッドホン端子などを備えた、デスクトップ向けのエントリークラス・モニターとして設計されています。
特徴
音質・チューニング関連
- プロフェッショナル志向のフラットチューニング:
ドイツKLIPPELシステムによるユニット特性解析と、Edifier Acoustic Labによる多数回のチューニングにより、モニタースピーカーに求められるフラットな周波数特性を追求し、ミックスのバランス確認に適した音作りが行われています。 - 周波数特性と低域表現:
再生周波数帯域は60Hz〜20kHzで、4インチウーファーとClass-Dアンプの組み合わせにより、小型ながら60Hzまで伸びる低域を確保し、キックやベースの輪郭を把握しやすいバランスに仕上げられています。 - シルクドームツイーターによる自然な高域:
特別なコーティングを施した1インチシルクドームツイーターを採用し、滑らかでナチュラルな高域再生と、専用設計のフロントパネル形状による高域の拡散性向上が図られています。 - MICA配合PPコーンによる中低域強化:
従来のPPコーンに適度なMICAを配合することで剛性と硬度を高めつつ、柔らかくリラックスした聴感を維持し、自然なディテールと量感のある低域を両立しています。 - 2次クロスオーバーによるピュアな出力:
インダクタとコンデンサによる2次クロスオーバーネットワークを採用し、ウーファーとツイーター双方により良質な信号を供給することで、帯域間のつながりと音の純度を高めています。
アンプ・電子回路・S/N
- Class-DアンプとTI製DSP/ADC:
内蔵アンプはClass-D構成で、TI製の高品質ADCチップとデジタルパワーアンプTAS5713を採用し、内蔵DSPによる音質調整を行うことで、モニター/ミュージック両モードで安定したパフォーマンスを実現しています。 - S/N比と定格出力:
システムとしてのS/N比は85dB以上(A-weighted)、定格出力は21W+21Wの合計42Wで、デスクトップ用途として十分な音量とダイナミックレンジを確保しています。
キャビネット・筐体設計
- MDF木製キャビネット:
エンクロージャーにはMDF木製キャビネットを採用し、不要な共振や箱鳴りを抑制して、音色の着色を抑えたモニターライクな再生を目指しています。 - コンパクトなブックシェルフサイズ:
アクティブ側は幅140×高さ228×奥行197.5mm、パッシブ側は幅140×高さ228×奥行184mmと、PCデスクにも置きやすいコンパクトなブックシェルフサイズで設計されています。
接続性・インターフェース
- TRSバランス入力対応:
背面に6.35mm TRSバランス入力を備え、+4dBuの入力感度でオーディオインターフェースやミキサー、コンソールなどプロ機器と直接接続できるため、小規模な制作環境のモニターとして使いやすい構成です。 - RCA/AUXアンバランス入力:
TRSに加え、RCAアンバランス入力(定格入力レベル -10dBV)と3.5mmステレオミニのAUX入力を装備し、PC、スマートフォン、タブレット、CDプレーヤーなど複数機器を同時接続できます。 - 前面ヘッドホン出力とAUX入力:
前面にはヘッドホン出力とAUX入力を備え、ケーブルの抜き差しを最小限にしながら、スピーカー再生からヘッドホンモニターへの切り替えをスムーズに行えます。
操作性・機能
- モニター/ミュージックのデュアルモード:
制作時には原音に忠実なモニターモード、日常の音楽鑑賞時には高域と低域をやや演出したミュージック(スピーカー)モードを選択でき、用途に応じて音のキャラクターを切り替えられます。 - マルチファンクションノブ:
前面のノブ1つで電源オン/オフ(長押し)、音量調整(回転)、サウンドモード切替(ダブルクリック)を行えるシンプルな操作系を採用しています。
カラー・デザイン・市場ポジション
- カラーバリエーション:
カラーはブラック(ED-MR4-BK)とホワイト(ED-MR4-WH)の2色展開で、PCデスクやスタジオのインテリアに合わせて選択できます。 - エントリークラス・モニターとしての価格帯:
国内では2022年12月16日に発売され、想定市場価格は約17,980円前後のエントリークラス・モニタースピーカーとして位置づけられています。
スペック一覧
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | Edifier MR4(ED-MR4-BK / ED-MR4-WH) |
| ブランド | Edifier(エディファイア) |
| タイプ | アクティブ・スタジオモニタースピーカー / 2chスピーカー |
| チャンネル構成 | 2.0ch(ステレオ) |
| アンプ方式 | 内蔵Class-Dアンプ |
| 定格出力(RMS) | 21W+21W(総合42W) |
| 再生周波数帯域 | 60Hz〜20kHz |
| S/N比 | ≥85dB(A) |
| スピーカーユニット(ツイーター) | 1インチ(約25mm)シルクドームツイーター(特別コーティング) |
| スピーカーユニット(ウーファー) | 4インチ(約106mm)ミッド・バスユニット(MICA配合PPコーン) |
| キャビネット材質 | MDF木製キャビネット |
| 入力端子 | 6.35mm TRSバランス入力×1、RCAアンバランス入力×1、3.5mmステレオミニAUX入力×1 |
| 入力感度 | TRSバランス入力:+4dBu、AUX/RCAアンバランス入力:-10dBV |
| 出力端子 | 前面ヘッドホン出力×1 |
| サウンドモード | モニターモード / ミュージック(スピーカー)モード |
| 電源 | AC(内蔵電源) |
| 外形寸法(アクティブ) | 約140(W)×228(H)×197.5(D)mm |
| 外形寸法(パッシブ) | 約140(W)×228(H)×184(D)mm |
| 質量 | 約4.5kg(1セット合計) |
| カラーバリエーション | ブラック(ED-MR4-BK)、ホワイト(ED-MR4-WH) |
| 発売日(日本) | 2022年12月16日 |
| 付属品 | スピーカー本体(アクティブ+パッシブ)、3.5mm-RCAケーブル、3.5mm-3.5mmケーブル、取扱説明書 ほか |
強み・弱み・おすすめユーザー
Edifier MR4の最大の強みは、「制作にもリスニングにも使えるモニター」というコンセプトが、価格帯を考えるとかなり高いレベルで実現されている点です。ドイツKLIPPELシステムを用いた測定と、Edifier Acoustic Labによるフラット志向のチューニングにより、DTMや動画編集でのバランスチェックに十分耐えうるモニター性能を備えつつ、ミュージックモードに切り替えれば、低域と高域に少し味付けを加えた“気持ちよく聴ける”サウンドに変化するため、制作とプライベートリスニングを1ペアで完結させたいユーザーにとって非常に扱いやすい存在です。
音質面では、1インチシルクドームツイーターの滑らかな高域と、4インチMICA配合PPコーンウーファーの量感ある中低域がバランスよくまとまっており、ボーカル帯域の見通しの良さと、キックやベースの輪郭の分かりやすさが両立しています。特に、エントリークラスのPCスピーカーからのステップアップを考えているユーザーにとっては、「音場の奥行き」と「定位の明瞭さ」が大きく向上したと感じやすいモデルで、モニターモードではパンニングやリバーブ量の違いが把握しやすく、ミックスの粗もきちんと浮かび上がる傾向があります。
接続性の面でも、TRSバランス入力を備えたことはこの価格帯では大きなアドバンテージで、オーディオインターフェースやミキサーからノイズに強いバランス接続が行えるため、宅録環境でありがちなPCノイズやグラウンドループの影響を軽減しやすい構成です。加えて、RCAと3.5mm AUXを同時に使えるため、「PCはTRSで、ゲーム機はRCAで、スマホは前面AUXで」といった複数機器の常時接続が現実的で、前面ヘッドホン出力からモニターモードでヘッドホンへ切り替えられる点も、夜間作業や集合住宅での制作において実用性が高いポイントです。
一方で、弱みとしてまず挙げられるのは、物理的なサイズとウーファー径に起因する「超低域の限界」です。公称60Hzまで再生できるとはいえ、サブベース帯(40Hz前後)を正確にモニターするには物理的に厳しく、EDMやヒップホップなど、サブベースが重要なジャンルを本格的にミックスする場合は、別途サブウーファーを追加するか、ヘッドホンとの併用が前提になります。また、Bluetoothなどのワイヤレス機能は搭載していないため、「スマホから手軽にワイヤレス再生したい」というライトユーザーには、ややハードルが高く感じられるかもしれません。
さらに、S/N比は85dB以上とスペック上は十分ですが、完全なプロ用スタジオモニターと比べると、音の分解能やダイナミックレンジ、特に大音量時の余裕感では一歩譲る部分があります。とはいえ、価格帯を考えれば妥当なトレードオフであり、「本格スタジオクオリティを求めるハイエンド志向」ではなく、「自宅での制作・配信・リスニングを一段引き上げたい」という層に向けた設計であると捉えると、バランスの良い落としどころと言えます。
おすすめのユーザー像としては、まずDTM初心者〜中級者で、オーディオインターフェースを用いた宅録環境を構築している人が筆頭に挙げられます。TRSバランス入力でインターフェースと直結し、モニターモードでミックスを詰め、作業後はミュージックモードでそのまま音楽を楽しむ――という一連の流れを1ペアで完結できるため、「最初のモニタースピーカー」として非常に扱いやすい選択肢です。また、動画編集者や配信者にとっても、ナレーションやBGM、効果音のバランスを確認しやすいフラット寄りの特性と、デスクトップに置きやすいサイズ感は大きなメリットになります。
次に、PC用のアクティブスピーカーからのステップアップを考えているオーディオファンにも適しています。一般的なPCスピーカーよりも音場の広がりと定位の明瞭さが高く、MDFキャビネットによる落ち着いた鳴り方は、長時間のリスニングでも耳疲れしにくい傾向があります。逆に、「迫力重視のドンシャリサウンド」や「映画用のサラウンド環境」を求めるユーザーには、ややストイックに感じられる可能性があり、その場合はサブウーファーや別系統のシアター用スピーカーとの併用が現実的な選択になるでしょう。
総じてEdifier MR4は、「制作とリスニングを一台二役でこなしたい」「バランス接続対応のエントリーモニターが欲しい」「デスクトップに収まるサイズで、ちゃんと“モニターらしい”音が欲しい」というユーザーに強くおすすめできるモデルです。一方で、サブベースまで厳密にチェックしたい本格的なミキシングや、ワイヤレス再生を前提としたカジュアル用途には、別の機材や上位機種との組み合わせを検討するのが現実的であり、自分の制作スタイルやリスニング環境をどこまで高めたいのかを考えながら選ぶと、このスピーカーの価値を最大限に引き出せます。
Edifier MR3・MR4・MR5 比較表
| 項目 | MR3 | MR4 | MR5 |
|---|---|---|---|
| 製品タイプ | アクティブ・スタジオモニター | アクティブ・スタジオモニター | アクティブ・スタジオモニター |
| ドライバー構成 | 3.5型ミッドロー + 1型シルクドーム | 4型ウーファー + 1型シルクドーム | 5型ウーファー + 1型シルクドーム |
| 出力(RMS) | 18W × 2(36W) | 21W × 2(42W) | 25W × 2(50W) |
| 周波数特性 | 52Hz – 40kHz | 60Hz – 20kHz | 45Hz – 20kHz |
| 最大音圧 | 92.5dB SPL | 記載なし | 101dB SPL |
| ハイレゾ | 対応(40kHz) | 非対応 | 非対応 |
| 入力端子 | TRSバランス、RCA、AUX、Bluetooth 5.4 | TRSバランス、RCA、AUX | TRSバランス、RCA、AUX |
| Bluetooth | あり(5.4・マルチポイント) | なし | なし |
| DSP / ルーム補正 | アプリ対応(EQ・補正) | なし | 高域/低域 ±6dB |
| キャビネット | MDF | MDF | MDF |
| サイズ(アクティブ) | 125.5 × 220 × 185 mm | 140 × 228 × 197.5 mm | 173 × 267 × 225 mm |
| 重量(セット) | 約3.85kg | 約4.5kg | 約6.5kg |
| 特徴 | ハイレゾ・Bluetooth・アプリ調整 | コスパ重視の定番モニター | 5インチで低域に余裕 |
3モデルの違いと選び方
EdifierのMRシリーズは、いずれも価格以上の音質と作りの良さで高評価ですが、3モデルには明確な方向性の違いがあります。
MR3 は、シリーズ唯一の ハイレゾ対応(40kHz) と Bluetooth 5.4(マルチポイント) を搭載した多機能モデルで、アプリによるルーム補正やEQ調整も可能です。3.5インチながら52Hzまで伸びる低域は優秀で、デスクトップ用途に最適。制作と日常リスニングを1台でこなしたいユーザーに向いています。
MR4 は、最もコストパフォーマンスに優れた「定番モニター」で、4インチウーファーと42W出力により、MR3よりも余裕のある音場を提供します。Bluetoothやハイレゾには対応しませんが、モニター用途としての素直な音質と価格の安さが魅力です。DTM初心者の最初の1台として最適です。
MR5 は、5インチウーファーによる45Hzまで伸びる低域と50W出力で、MRシリーズの中で最もパワフルなモデルです。TRSバランス入力やルーム補正ノブを備え、より本格的な制作環境に対応します。デスクだけでなく小規模スタジオやリスニング用途にも向きます。
総合すると、
- MR3 → 多機能・ハイレゾ・Bluetooth・アプリ調整が欲しい人
- MR4 → 価格重視で「間違いないモニター」が欲しい人
- MR5 → 低域の余裕とパワーを求める制作・リスニングユーザー
という選び方が最適です。
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