キヤノンは、静止画・動画において作品性を追求するユーザーに向けて、新たなデザインを採用し、多彩な表現機能と高い機動力を備えた小型・軽量モデルのフルサイズミラーレスカメラ「EOS R8 Mark II」を10月29日に発売する。ボディ単体のほか、「RF45 F1.2 STM レンズキット」、「RF24-105 IS STM レンズキット」をラインアップ。直販価格は、ボディ単体が275,000円、「RF45 F1.2 STM レンズキット」が317,900円、「RF24-105 IS STM レンズキット」が324,500円。
製品概要
フルサイズミラーレスカメラ「EOS R8 Mark II」は、小型・軽量ボディにボディー内5軸手ブレ補正機構と最新のAF・動画機能を凝縮した、エントリークラスながら作品づくりをしっかり楽しめるハイブリッドモデルだ。直線と面を基調としたシャープな新デザインを採用し、若い世代の感性に寄り添いながら、約2,420万画素フルサイズCMOSセンサーと映像エンジン「DIGIC X」による高画質、最高約40コマ/秒の高速連写、6Kオーバーサンプリングによる4K 60p動画など、静止画・動画の両方で本格的な撮影体験を提供する。発売日は2026年10月29日で、ボディー単体に加え「RF45mm F1.2 STM」レンズキット、「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」レンズキットをラインアップし、直販価格はそれぞれ275,000円、317,900円、324,500円(税込)となる。
主な特徴
デザインとボディーコンセプト
EOS R8 Mark IIは、従来のEOSシリーズが持っていた曲面基調のデザインを刷新し、直線と円弧を軸としたシンプルでモダンな外観を採用したフルサイズミラーレスカメラである。初代EOSフィルム一眼レフ「EOS 650」のシルエットをインスパイアしつつ、前面・背面グリップの造形にはエルゴノミクスを追求した形状を取り入れ、長時間の撮影でもしっかりとしたホールド感を得られるよう配慮されている。専用エクステンショングリップ「EG-E2」を装着することで、さらにホールド性を高めつつ、バッテリー交換や三脚取り付けもスムーズに行える設計となっている。
小型・軽量ボディと操作性
本体サイズは約131.4(幅)×90.0(高さ)×79.7(奥行)mm、質量は約546g(バッテリー・カード含む)と、ボディー内手ブレ補正機構を搭載したフルサイズEOSとしては最軽量クラスのコンパクトなボディーを実現している。上位機種EOS R6 Mark IIIに匹敵する操作性を目指し、背面にはAFポイントを直感的に移動できるマルチコントローラーを新搭載し、シャッターボタン全押しから最大20コマ分さかのぼって記録できる「プリ連続撮影」機能も備えるなど、決定的瞬間を逃さないための操作系が整えられている。
高画質と高感度性能
撮像素子には有効画素数約2,420万画素のフルサイズCMOSセンサーを採用し、映像エンジン「DIGIC X」との組み合わせにより、高い解像感と豊かな階調表現を実現している。常用ISO感度は静止画撮影時でISO 100〜102400(拡張ISO 50相当/204800相当)に対応し、暗所でもノイズを抑えたクリアな描写が可能だ。動体優先HDRモードや豊富なピクチャースタイル、カスタムピクチャーに加え、Cinema EOS共通の「Canon Log 3」にも対応し、ハイライトの階調が飛びにくい映像づくりを行える。
ボディー内手ブレ補正と協調制御
EOS R8 Mark IIは、ボディー内5軸手ブレ補正機構を新たに搭載し、手ブレ補正機構を備えたRFレンズとの協調制御により、中央最大7.5段・周辺最大7.0段の手ブレ補正効果を発揮する。静止画撮影だけでなく、動画撮影時には電子ISの「切/入/強」に加え、より強力な「強+」モードを選択でき、歩き撮りや小走り撮りなど大きなブレが発生しやすいシーンでも安定した映像を記録できる。被写体を画面内の任意の位置に安定させる「被写体追尾IS」など、シーンに応じた補正モードも用意されている。
高精度AFと高速ドライブ
AFシステムには「デュアルピクセル CMOS AF II」を採用し、AIを活用した被写体認識アルゴリズムにより、人・動物(犬・猫・鳥・馬)・モータースポーツ車両などを高精度に検出・追尾する。低輝度合焦限界はEV−7.5(F1.2レンズ使用時)とされ、暗い環境でも確実なピント合わせが可能だ。電子シャッター使用時にはAF/AE追従で最高約40コマ/秒の高速連続撮影に対応し、電子先幕シャッターでは最高約6.0コマ/秒の連写が可能で、プリ連続撮影機能と組み合わせることで、瞬間的な動きも余裕を持って捉えられる。特定の人物をあらかじめ登録して優先的に検出・追尾する「登録人物優先AF」にも対応し、集合写真やイベント撮影で狙った主役をしっかりと捉え続けることができる。
表現機能とカラーフィルター
EOS R8 Mark IIは、静止画・動画の両方で使える「カラーフィルター」機能を備え、フィルム特有の色味を再現する「Negative Filmtone」と「Positive Filmtone」を新たに追加し、全16種類のフィルターを用意している。Negative Filmtoneは全体の彩度を落としつつ赤をオレンジ寄りに設定し、ネガフィルムらしいくすんだ色と豊かな階調を再現し、Positive Filmtoneは彩度を高めながら青や赤を鮮やかにし、ポジフィルムらしい高コントラストな仕上がりを生み出す。フィルター効果量は11段階で調整でき、シーンや好みに合わせて細やかな画作りが楽しめる。手持ち夜景モードには、Standard/Blue/Black & Orange/Pink/Greenの5種類のカラーバリエーションが追加され、工場夜景や繁華街など、夜の雰囲気に合わせた色味で印象的な夜景写真を撮影できる。
動画機能とクリエイティブな演出
動画機能では、6Kオーバーサンプリングによるクロップなしの4K 60p記録に対応し、フルHDでは最大180pのハイフレームレート撮影が可能で、滑らかなスローモーション表現を手軽に楽しめる。クリエイティブアシストの「背景ぼかし」が動画撮影時にも利用でき、スライダー操作でボケ量を5段階に調整しながら、自然で高品位なボケ表現を得られる。任意のボタンに割り当てて押すだけで自動的にピントをフォーカスアウトさせる「フォーカスアウト」機能や、シネマティックなアスペクト比2.35:1で撮影できる「シネマビューモード」など、映画やCMのような演出を意識した機能も搭載されている。さらに、美肌動画・レビュー用動画・手ブレ補正動画の3種類の動画撮影モードや、「スロー&ファストモーション動画モード」により、テンポの良い映像表現を簡単に実現できる。
ライブ配信・インターフェース・拡張性
EOS R8 Mark IIは、UVC/UAC対応によりUSB Type-Cケーブル1本で4K 60p配信と給電が可能で、HDMI出力やWi-Fi 6(2.4GHz/5GHz)による高速転送にも対応し、ライブ配信やリモート撮影のワークフローをスムーズに構築できる。ライブ配信方法は有線2種類・無線2種類の計4パターンが用意され、選択した方法に応じて接続ガイダンスが表示されるため、初めての配信でも迷いにくい。音声面では、3.5mmマイク端子と3.5mmヘッドホン端子を備え、マルチアクセサリーシューを活用した最大4chの音声収録にも対応する。記録メディアはSD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-II対応)を採用し、側面配置のカードスロットにより、三脚使用時でもカード交換がしやすい。
スペック一覧
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | EOS R8 Mark II |
| マウント | キヤノン RFマウント |
| 撮像素子 | フルサイズ CMOSセンサー |
| 有効画素数 | 約2,420万画素 |
| 画像処理エンジン | DIGIC X |
| 常用ISO感度(静止画) | ISO 100〜102400(拡張ISO 50相当/204800相当) |
| 手ブレ補正方式 | ボディー内5軸手ブレ補正機構(協調制御対応) |
| 手ブレ補正効果 | 中央最大7.5段/周辺最大7.0段 |
| AF方式 | デュアルピクセル CMOS AF II |
| 低輝度合焦限界 | EV−7.5(F1.2レンズ使用時) |
| 被写体検出 | 人物/動物(犬・猫・鳥・馬)/モータースポーツ車両など |
| 特殊AF機能 | 登録人物優先AF、プリ連続撮影対応 |
| シャッター速度(電子先幕) | 1/4000〜30秒 |
| シャッター速度(電子シャッター) | 1/16000〜30秒(Av・Pモードは1/8000〜30秒) |
| 連続撮影速度(電子先幕) | 最高約6.0コマ/秒(AF/AE追従) |
| 連続撮影速度(電子シャッター) | 最高約40コマ/秒(AF/AE追従) |
| 連続撮影枚数(RAW) | 約73枚(電子シャッター時) |
| ファインダー | 0.39型 OLEDカラー電子ビューファインダー(約236万ドット) |
| ファインダー倍率 | 約0.70倍 |
| モニター | 3.0型TFTカラー液晶(約162万ドット)バリアングル方式 |
| 記録メディア | SD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-II/UHS-I対応) |
| 動画記録(最大) | 4K 60p(6Kオーバーサンプリング、クロップなし)/フルHD 180p |
| 動画ガンマ・ピクチャー | ピクチャースタイル、カラーフィルター、カスタムピクチャー、Canon Log 3、Look File対応 |
| 音声入力端子 | 3.5mmマイク端子 |
| 音声出力端子 | 3.5mmヘッドホン端子 |
| HDMI端子 | マイクロHDMI端子 |
| USB端子 | USB Type-C(USB 10Gbps、UVC/UAC対応) |
| その他端子 | リモート端子(E3タイプ) |
| 無線通信 | Wi-Fi 6(2.4GHz/5GHz)、Bluetooth 5.3 |
| 記録方式・ライブ配信 | UVC/UAC対応、HDMI出力、Camera Connect/Switcher Mobileアプリによる無線配信 |
| バッテリー | LP-E17 |
| 撮影可能枚数(ファインダー撮影) | 約220枚(省電力優先設定時)/約150枚(なめらかさ優先設定時) |
| 撮影可能枚数(モニター撮影) | 約340枚(省電力優先設定時)/約270枚(なめらかさ優先設定時) |
| 外形寸法 | 約131.4(幅)×90.0(高さ)×79.7(奥行)mm |
| 質量 | 約546g(バッテリー・カード含む)/約499g(本体のみ) |
| 発売日 | 2026年10月29日 |
| 価格(直販・税込) | ボディー:275,000円/RF45 F1.2 STMレンズキット:317,900円/RF24-105 IS STMレンズキット:324,500円 |
EOS R8 Mark IIとEOS R8とEOS R6 Mark IIIを徹底比較
キヤノンのフルサイズミラーレスは、ここにきて選び方がぐっと面白くなってきました。
EOS R8は、いま見ても驚くほど軽く、フルサイズの入口として魅力が色あせません。そこへEOS R8 Mark IIが登場し、弱点だった部分を丁寧に埋めながら、より“日常に連れ出しやすい本格機”へと進化。そしてEOS R6 Mark IIIは、そのさらに上で、静止画も動画も妥協したくない人に向けて、ひと段深い安心感と余裕を手に入れた存在です。
結論からいえば、軽さを最優先するならEOS R8、軽量さを保ちつつ完成度を高めたいならEOS R8 Mark II、撮影領域を一気に広げたいならEOS R6 Mark III。この3台は似ているようで、性格はかなりはっきり分かれています。
まずは違いを一覧で確認
主要スペック比較
| 項目 | EOS R8 Mark II | EOS R8 | EOS R6 Mark III |
|---|---|---|---|
| センサー | フルサイズCMOS | フルサイズCMOS | フルサイズCMOS |
| 有効画素数 | 約2420万画素 | 約2420万画素 | 約3250万画素 |
| 映像エンジン | DIGIC X | DIGIC X | DIGIC X |
| ボディー内手ブレ補正 | あり | なし | あり |
| 補正効果 | 中央最大7.5段、周辺最大7.0段 | なし | 中央最大8.5段、周辺最大7.5段 |
| 電子シャッター連写 | 最高約40コマ/秒 | 最高約40コマ/秒 | 最高約40コマ/秒 |
| 電子先幕/メカ系連写 | 最高約6コマ/秒 | 最高約6コマ/秒 | 最高約12コマ/秒 |
| AF | デュアルピクセルCMOS AF II | デュアルピクセルCMOS AF II | デュアルピクセルCMOS AF II |
| 動画 | 6Kオーバーサンプリング4K60p、フルHD180p | 6Kオーバーサンプリング4K60p、フルHD180p | 4K120p、7Kオープンゲート対応 |
| カードスロット | SD UHS-II×1 | SD UHS-II×1 | CFexpress Type B+SD UHS-II |
| EVF | 0.39型 約236万ドット | 0.39型 約236万ドット | 0.5型 約369万ドット |
| 質量 | 約546g | 約461g | 約699g |
| 本体サイズ | 約131.4×90.0×79.7mm | 約132.5×86.1×70.0mm | 約138.4×98.4×88.4mm |
| バッテリー | LP-E17 | LP-E17 | LP-E6P |
| 発売時期 | 2026年10月 | 2023年4月 | 2025年11月 |
この表だけでも、3台の考え方の違いはかなり見えてきます。
R8系の2台は小型軽量を軸にしながら、そのうちMark IIは“軽さだけでは済ませない”方向へ踏み込み、R6 Mark IIIは最初から“より高い完成度”を狙った設計です。
EOS R8 Mark IIは、R8の不満点をきれいに解消した後継機
いちばん大きい進化はボディー内手ブレ補正
EOS R8 Mark IIを語るうえで、まず触れないわけにいかないのがボディー内手ブレ補正です。
初代EOS R8は、フルサイズとして驚異的な軽さを実現した一方で、ボディー内手ブレ補正を持たないことが、人によってははっきりした割り切りになっていました。夜景、室内、動画、単焦点レンズ中心の撮影では、その差がじわじわ効いてくるからです。
そこに対してR8 Mark IIは、中央最大7.5段という強力な補正効果を手に入れました。これは単なるスペック向上ではありません。
“今日は軽いカメラで出かけたいけれど、画づくりの自由さも手放したくない”という気持ちに、ちゃんと応えてきた進化です。
軽量路線は維持しつつ、使い勝手は明確に上昇
R8 Mark IIは約546g。初代R8の約461gより重くなりました。数字だけ見ると軽快感が薄れたようにも見えますが、フルサイズ機としてはまだ十分に軽量級です。
むしろ、この重量増で得られたものが大きい。手ブレ補正に加えて、マルチコントローラーの搭載、操作性の見直し、タリーランプの追加など、日々の撮影で“地味にうれしい改善”が積み重なっています。
初代R8は、良くも悪くもミニマルでした。対してR8 Mark IIは、持ち歩きやすさを保ちながら、道具としての頼もしさを一段引き上げた印象です。
画質そのものはR8と近いが、撮影体験はかなり違う
有効画素数は約2420万画素で、R8と同じクラスです。高感度性能や連写性能の方向性も近く、撮れる絵のベースは大きく離れていません。
けれど、実際の撮影では“撮れたカットの歩留まり”に差が出やすそうです。特に手持ち撮影、動画、少し長めのレンズを使う場面、そして一瞬を狙うシーンでは、その差は思った以上に大きいはずです。
つまりR8 Mark IIは、画質を劇的に変える機種というより、撮影の安心感と成功率を引き上げるモデル。ここがとても現代的です。
EOS R8は、いまもなお軽さで輝く1台
フルサイズのハードルを下げた功労者
EOS R8の魅力は、何よりその身軽さです。
約461gという軽さは、フルサイズミラーレスとして見てもかなり際立っています。小さなバッグにも入れやすく、旅行、散歩、日常の記録、Vlogまで、とにかく「持ち出す気持ち」を後押ししてくれる1台でした。
フルサイズというと、どこか身構えてしまう人もいます。重そう、高そう、本格的すぎそう。そんな空気をふっと和らげたのがR8です。気負わず使えるのに、描写はしっかりフルサイズ。ここは今でも強い価値があります。
弱点ははっきりしているが、割り切れれば非常に魅力的
ただし、R8には明確な弱点もあります。
最大のポイントはボディー内手ブレ補正非搭載。さらにカードスロットはシングル、バッテリーも小型のLP-E17系で、上位機のような余裕はありません。ファインダーも約236万ドット級で、価格帯相応のまとめ方です。
それでも、電子シャッターで最高約40コマ/秒、6Kオーバーサンプリング4K60p、フルHD180p、デュアルピクセルCMOS AF IIと、根本性能はかなり高い。
この“撮れる絵は本格派、でもボディーは軽快”という組み合わせこそがR8の美点です。
値ごろ感が出てきた今こそ、再評価したい
後継機が登場したことで、R8の立ち位置はさらにはっきりしました。
最新機能ではMark IIに譲るものの、価格差が広がるほどR8の魅力は増していきます。フルサイズをなるべく軽く、なるべく現実的な予算で始めたい人にとって、依然としてかなり有力な選択肢です。
“スペックの不足”よりも“持ち出す回数の多さ”を重視するなら、R8は今でもとても正しい選び方でしょう。
EOS R6 Mark IIIは、3台の中でいちばん余裕がある
画素数アップで、作品づくりの幅が広がった
EOS R6 Mark IIIは、有効約3250万画素へと高画素化したことで、R8系とは一段違う立ち位置に入りました。
2420万画素クラスでも多くの用途には十分ですが、トリミング耐性、細部描写、風景や商品、ポートレートでの情報量を重視し始めると、3250万画素の余裕はしっかり効いてきます。
写真を大きく見せたい、構図の追い込みに余地を残したい、静止画の完成度をさらに高めたい。そんな欲に対して、R6 Mark IIIはとても素直です。
R8系より明確に“上の道具”
R6 Mark IIIの強みは、画素数だけではありません。
中央最大8.5段のボディー内手ブレ補正、CFexpress Type B+SDのデュアルスロット、約369万ドットEVF、LP-E6P採用による電力面の余裕、そしてメカ/電子先幕で最高約12コマ/秒という安定した連写性能。どこを見ても、撮影現場での信頼性が一段上です。
この差は、スペック表以上に“撮っているときの落ち着き”として表れます。
長時間撮る、失敗しにくさがほしい、保存面にも余裕がほしい、少しハードな現場でも使いたい。そんな場面で、R6 Mark IIIはぐっと頼もしい存在になります。
動画性能は3台の中で最も本気
4K120pや7Kオープンゲート対応は、R8系にはない大きなアドバンテージです。
もちろん誰もがそこまで必要とするわけではありませんが、編集耐性や表現の幅、仕事寄りの運用まで視野に入れるなら、この差はかなり大きい。単なるスチル機の延長ではなく、ハイブリッド機として本気度が高いモデルです。
価格は高く、サイズも重量も増します。けれど、その代わりに得られるものが非常に多い。上位機らしい説得力があります。
どの違いが実際の使い心地を分けるのか
持ち歩きやすさはEOS R8がまだ最強
純粋な軽さだけならEOS R8が抜群です。
約461gという数字は、本当に日常へ溶け込みやすい。レンズ次第では“今日はフルサイズを持ち出している”という意識がかなり薄くなります。この身軽さは、一度ハマると簡単には手放せません。
R8 Mark IIも十分軽いのですが、初代R8の切れ味のある携帯性には一歩及びません。
R6 Mark IIIは、当然ながらさらにしっかりしたサイズ感になります。
バランスの良さはEOS R8 Mark II
最も多くの人に刺さりそうなのは、やはりEOS R8 Mark IIです。
軽さ、性能、手ブレ補正、操作性、動画の扱いやすさ。その全部を見たとき、非常にまとまりがいい。初代R8の魅力を残しながら、「ここがもう少しこうだったら」という声に丁寧に応えたような仕上がりです。
特に、旅行、家族撮影、スナップ、Vlog、ポートレートまで幅広く楽しみたい人には、この“万能だけれど大げさではない感じ”が心地よく映るはずです。
本格運用ならEOS R6 Mark III
一方で、撮影の比重が高い人、カメラに求める責任が重い人にとっては、R6 Mark IIIの優位は揺らぎにくいでしょう。
記録メディア、手ブレ補正、EVF、画素数、動画拡張性、バッテリー持ち。どれも実戦で効く要素ばかりです。
趣味の延長であっても、撮るテーマが明確で、作品づくりに踏み込むなら、R6 Mark IIIの“余裕”は想像以上に気持ちいいものです。
用途別におすすめを整理するとこうなる
EOS R8がおすすめな人
- できるだけ軽いフルサイズがほしい
- 価格を抑えつつ画質は妥協したくない
- 旅行や散歩、日常撮影が中心
- 手ブレ補正非搭載を割り切れる
- 最新機能よりコストパフォーマンスを重視したい
EOS R8 Mark IIがおすすめな人
- 小型軽量は大事だが、手ブレ補正もほしい
- 動画も静止画もバランスよく楽しみたい
- 初代R8の思想は好きだが、弱点は減らしたい
- 操作性や歩留まりの良さも重視したい
- 1台で長く満足したい
EOS R6 Mark IIIがおすすめな人
- 高画素と信頼性を両立したい
- 静止画も動画も本格的に取り組みたい
- デュアルスロットや上位EVFが必要
- 夜景、スポーツ、ポートレート、仕事用途まで視野に入る
- 価格より完成度と余裕を優先したい
最終結論
いちばん悩ましいのはEOS R8とEOS R8 Mark II
この2台は方向性が近いからこそ、迷いが深くなります。
ただ、率直にいえば、予算が許すならEOS R8 Mark IIの完成度はかなり魅力的です。ボディー内手ブレ補正の追加はやはり大きく、軽量フルサイズの使いやすさが一段上のものになっています。
とはいえ、価格差が気になるならEOS R8の価値はまったく揺らぎません。むしろ後継機が出たからこそ、初代R8の“軽くて安くてちゃんと本格派”という個性は、以前よりくっきり見えてきました。
EOS R6 Mark IIIは別軸で選ばれる上位機
R6 Mark IIIは、R8系の延長線上にあるようでいて、実際にはかなり別物です。
軽量フルサイズを求める人にとってはオーバースペックに映るかもしれませんが、撮影機材としての完成度、安心感、将来性を重視するなら、この1台がもっとも懐が深い。価格差にもきちんと理由があります。
3台をひとことで言い表すなら
- EOS R8は、軽さが武器のフルサイズ入門機
- EOS R8 Mark IIは、軽量路線を崩さず完成度を高めた本命機
- EOS R6 Mark IIIは、表現力と信頼性を広げる上位機
カメラ選びは、スペックの勝ち負けだけでは決まりません。
どの1台がいちばん優れているかではなく、どの1台がいちばん持ち出したくなるか、どの1台がいちばん撮りたい気持ちに火をつけるか。その視点で見直すと、3台それぞれの魅力が、ぐっと立体的に見えてきます。

