製品概要
COROS PACE 4は、ランニングやトライアスロン、サイクリングなど、スピードと効率を重視するユーザーに向けて設計された超軽量AMOLED搭載GPSウォッチです。前世代の軽さとロングバッテリーという強みを受け継ぎながら、1.2インチAMOLEDタッチスクリーン、音声記録機能、新設計の光学式心拍センサー、全システムおよび二周波対応の高精度GPS、進化したトレーニング分析機能を備え、日々の練習からレース本番まで幅広く支えます。COROS PACE 4 Aluminumは、その基本性能をそのままに、6000系アルミニウム合金ベゼルや半透明の多層感ある外装、特別仕様のシリコンバンドなどを採用した上位デザインモデルで、軽量性を保ちながら質感と所有感を高めたバリエーションです。
特徴
軽量設計と装着感
- 超軽量ボディ:PACE 4はナイロンバンド装着時32g、シリコンバンド装着時40gという軽さが大きな魅力です。長時間のランニングや日常装着でも重さが気になりにくく、睡眠計測まで含めて24時間使いやすい設計です。
- 薄型プロファイル:本体厚は11.8mmに抑えられており、手首への収まりがよく、ランニングフォームの邪魔をしにくいバランスです。スポーツウォッチとしての存在感はありつつ、日常でも過度に主張しません。
- バンドの選択肢:シリコンバンドは乾きやすく扱いやすく、ナイロンバンドは通気性と吸汗速乾性に優れます。用途や好みに応じて装着感を変えられる点も実用的です。
- Aluminumの軽さの維持:PACE 4 Aluminumはアルミニウムベゼルを採用しながら、ナイロンバンド装着時33gという軽量性を維持しています。質感を高めつつ、軽さを大きく損なっていない点が特徴です。
ディスプレイと操作性
- 1.2インチAMOLEDタッチスクリーン:鮮やかな発色と高いコントラストを備えたAMOLEDディスプレイを採用し、トレーニングデータや通知を見やすく表示します。屋外での視認性にも配慮されています。
- 高解像度表示:解像度は390×390で、前世代比で表示精細感が大きく向上しています。数字やグラフ、メニュー表示がよりシャープになり、情報確認がしやすくなっています。
- 自動輝度調整:周囲の明るさに応じて輝度が自動調整されるため、日差しの強い屋外から暗い時間帯まで、視認性を保ちやすい仕様です。
- 物理操作との両立:タッチ操作に加え、デジタルダイヤルとボタンを備えており、走行中でも比較的確実に操作できます。汗をかいた状態やグローブ着用時でも扱いやすい構成です。
- アクションボタン:メイン画面から音楽操作、ルート追跡、音声メモなどへ素早く切り替えられるアクションボタンを搭載し、運動中の操作効率を高めています。
バッテリー性能
- 長時間GPS駆動:全システムモードで最大41時間のGPS連続使用に対応し、長距離走やマラソン、ウルトラ寄りの長時間トレーニングにも対応しやすいスタミナを備えています。
- 二周波モード対応:高精度な二周波モードでも最大31時間駆動でき、都市部や山間部など測位条件が厳しい場面でも精度と実用時間を両立しやすくなっています。
- 日常使用の持続力:日常使用では最大19日間、常時点灯時でも最大6日間の使用が可能です。通知、睡眠計測、日常の活動量記録を含めても頻繁な充電を避けやすい設計です。
- 充電のしやすさ:USB-C充電アダプターを使う方式で、約1.5時間で充電できます。専用ケーブル依存を減らしやすい点は実用面で便利です。
GPSとナビゲーション
- 全システムGNSS対応:GPS、GLONASS、Galileo、BeiDou、QZSSに対応し、幅広い衛星システムを活用して位置情報を取得します。
- 二周波測位:二周波衛星モードに対応しており、ビル街や樹林帯などでも測位の安定性向上が期待できます。ランニングウォッチとしての基礎性能をしっかり押さえた仕様です。
- ルート追跡機能:パンくず型のルートナビゲーションに対応し、作成済みルートの追跡やコース離脱アラートを利用できます。フルマップ表示には対応しませんが、走ることに集中したいユーザーには十分実用的です。
- 外部サービス連携:Strava、Ride with GPS、Wikilocなどからルート同期が可能で、COROSアプリ内でのルート作成にも対応します。
トレーニング機能
- ランニング指標の充実:VO2 Max、乳酸閾値、ランニングフィットネスレベルなどの高度な指標を算出し、持久力やパフォーマンスの変化を把握しやすくしています。
- レース予測:レースタイム予測機能により、現在の走力から目標タイムの目安を確認できます。トレーニングの方向性を考える材料として有効です。
- 個別化されたマラソンプラン:ユーザーの状態に合わせたマラソントレーニングプランを活用でき、自己流だけに頼らない練習設計がしやすくなっています。
- バーチャルペーサー:目標ペースとの比較をしながら走れるため、レースやペース走での配分管理に役立ちます。
- 構造化ワークアウト:インターバル、リカバリー、目標ゾーンなどを細かく設定したワークアウトに対応し、TrainingPeaksやFinal Surgeとの同期も可能です。
- ランニングパワー活用:ランニングパワーを使ったトレーニングにも対応し、心拍やペースだけでは見えにくい負荷管理を行いやすくしています。
健康管理とリカバリー
- 睡眠トラッキング:浅い睡眠、深い睡眠、レム睡眠といった睡眠段階を記録し、休養の質を把握できます。
- HRV計測:心拍変動を記録し、回復状態やコンディションの変化を見極める材料として活用できます。
- リカバリー時間表示:トレーニング後の回復目安を可視化し、負荷のかけすぎを避けながら継続的に練習しやすくします。
- 生理周期トラッキング:生理周期の記録に対応し、体調変化を踏まえたトレーニング管理に役立てられます。
- 日常データの統合管理:歩数や日々の活動量も含めてアプリ上で確認でき、トレーニングだけでなく生活全体のコンディション把握に向いています。
センサーと計測精度
- 新設計の光学式心拍センサー:大型LEDと安定した装着性を備えた新設計センサーにより、運動中の心拍データの乱れを抑えやすくしています。
- 多彩な内蔵センサー:気圧高度計、加速度計、ジャイロスコープ、3Dコンパス、光学式SpO2センサー、深度センサーなどを搭載し、ランニング以外のアクティビティにも対応しやすい構成です。
- 外部センサー連携:より高精度な心拍計測を求める場合は外部心拍センサーとのペアリングも可能で、用途に応じて拡張できます。
音声機能とスマート機能
- 内蔵マイク:トレーニング後の記録や走行中の気づきを音声で残せます。数値だけでは残しにくい感覚的なメモを記録できるのが新鮮です。
- ボイスピン:その場所で見た景色や感情、気づきを位置情報とともに残せるため、単なるログ以上に体験の記録として使えます。
- 音楽保存と操作:MP3ファイルの本体保存に対応し、スマートフォンなしでも音楽再生が可能です。加えてスマートフォン側の音楽やポッドキャストの操作も行えます。
- 通知機能:日常の通知確認にも対応し、トレーニング専用機に寄りすぎない使い勝手を備えています。
Aluminumモデル独自の魅力
- 6000系アルミニウム合金ベゼル:Standardモデルの軽快さを保ちながら、より高い剛性感と上質な見た目を実現しています。スポーツウォッチとしては珍しく、素材感そのものが魅力になる仕上がりです。
- PVD仕上げ:Black CrystalではPVD加工により、汗や塩分に強く、長期間きれいな外観を保ちやすい仕様です。
- 半透明の多層デザイン:ラグ部分に半透明の多層感ある意匠を採用し、Standardモデルよりも視覚的な深みと個性を強めています。
- 専用シリコンバンド:リップルデザイン入りの特別仕様バンドを採用し、見た目の完成度を高めています。
- 性能は基本的に共通:Aluminumは性能を大きく変えるモデルではなく、PACE 4の完成度をより上質な外装で楽しみたいユーザー向けの選択肢です。
スペック一覧
| 項目 | COROS PACE 4 | COROS PACE 4 Aluminum |
|---|---|---|
| 本体サイズ | 43.4 × 43.4 × 11.8 mm | 43.4 × 43.4 × 11.8 mm |
| 重量(ナイロンバンド) | 32g | 33g |
| 重量(シリコンバンド) | 40g | 41g |
| ディスプレイサイズ | 1.2インチ | 1.2インチ |
| ディスプレイ種類 | AMOLEDタッチスクリーン | AMOLEDタッチスクリーン |
| 解像度 | 390 × 390 | 390 × 390 |
| 画面形状 | テーパードエッジ / 2.5D系デザイン | テーパードエッジ / 2.5D系デザイン |
| ベゼル素材 | 繊維強化ポリマー | 6000系アルミニウム合金 |
| カバー素材 | 高性能ポリマー | 高性能ポリマー |
| ガラス素材 | 強化ミネラルガラス | 強化ミネラルガラス |
| バンド素材 | シリコン / ナイロン | シリコン / ナイロン |
| バンド幅 | 22mm | 22mm |
| バンド着脱 | クイックリリース | クイックリリース |
| 操作系 | デジタルダイヤル、戻る/ラップボタン、アクションボタン、タッチ操作 | デジタルダイヤル、戻る/ラップボタン、アクションボタン、タッチ操作 |
| 内蔵マイク | 対応 | 対応 |
| マイク仕様 | 音声メモ、ボイスピン、トレーニング記録対応 | デュアルマイク、アクティブノイズ低減対応 |
| GPS連続使用時間(全システムモード) | 最大41時間 | 最大41時間 |
| GPS連続使用時間(全システムモード・常時点灯) | – | 最大30時間 |
| GPS連続使用時間(全システムモード+音楽) | – | 最大14時間 |
| GPS連続使用時間(二周波モード) | 最大31時間 | 最大31時間 |
| GPS連続使用時間(二周波モード・常時点灯) | – | 最大24時間 |
| GPS連続使用時間(二周波モード+音楽) | – | 最大12時間 |
| 日常使用時間 | 最大19日間 | 最大19日間 |
| 日常使用時間(常時点灯) | – | 最大6日間 |
| 充電時間 | 約1.5時間 | 約1.5時間 |
| 充電方式 | USB-C充電アダプター | USB-C充電アダプター |
| 内蔵メモリ | 4GB | 4GB |
| アクティビティ保存容量 | 1200時間の屋外アクティビティデータ | 1200時間の屋外アクティビティデータ |
| 対応衛星 | GPS / GLONASS / Galileo / BeiDou / QZSS | GPS / GLONASS / Galileo / BeiDou / QZSS |
| 測位モード | 全システム、二周波 | 全システム、二周波 |
| ナビゲーション | パンくずナビゲーション、ルート追跡、コース離脱アラート、スタート地点へ戻る、チェックポイント | パンくずナビゲーション、ルート追跡、コース離脱アラート、スタート地点へ戻る、チェックポイント |
| 地図表示 | 非対応 | 非対応 |
| 防水性能 | 5ATM / 50m防水 | 5ATM / 50m防水 |
| 動作温度 | -20℃ ~ 50℃ | -20℃ ~ 50℃ |
| 保管温度 | -20℃ ~ 60℃ | -20℃ ~ 60℃ |
| 光学式心拍センサー | 新設計センサー | 新設計センサー |
| SpO2センサー | 対応 | 対応 |
| 気圧高度計 | 対応 | 対応 |
| 加速度計 | 対応 | 対応 |
| ジャイロスコープ | 対応 | 対応 |
| 3Dコンパス | 対応 | 対応 |
| 深度センサー | 対応 | 対応 |
| 温度関連 | 外部アクセサリー利用で体温系データ対応 | 外部アクセサリー利用で体温系データ対応 |
| ランニング指標 | VO2 Max、乳酸閾値、ランニングフィットネスレベル | VO2 Max、乳酸閾値、ランニングフィットネスレベル |
| トレーニング機能 | レース予測、個別化マラソンプラン、バーチャルペーサー、構造化ワークアウト、ランニングパワー活用 | レース予測、個別化マラソンプラン、バーチャルペーサー、構造化ワークアウト、ランニングパワー活用 |
| 健康管理 | 歩数、睡眠段階、HRV、リカバリー時間、生理周期 | 歩数、睡眠段階、HRV、リカバリー時間、生理周期 |
| 音楽機能 | MP3保存再生、スマートフォンの音楽/ポッドキャスト操作 | MP3保存再生、スマートフォンの音楽/ポッドキャスト操作 |
| 通信 | Bluetooth、Wi-Fi、COROSアプリ同期 | Bluetooth、Wi-Fi、COROSアプリ同期 |
| 外部サービス連携 | Strava、Ride with GPS、Wikiloc、TrainingPeaks、Final Surge、Stryd、Apple Health、Komoot、adidas Running、Nike Run Club ほか | Strava、Ride with GPS、Wikiloc、TrainingPeaks、Final Surge、Stryd、Apple Health、Komoot、adidas Running、Nike Run Club ほか |
| 対応言語 | 日本語、英語、中国語簡体字/繁体字、ドイツ語、スペイン語、フランス語、ポーランド語、タイ語、韓国語、ポルトガル語、イタリア語、ロシア語、ベトナム語 | 日本語、英語、中国語簡体字/繁体字、ドイツ語、スペイン語、フランス語、ポーランド語、タイ語、韓国語、ポルトガル語、イタリア語、ロシア語、ベトナム語 |
| 同梱物に関する注意 | USB-C充電ケーブルは同梱されない | USB-C充電ケーブルは同梱されない |
| カラー展開 | Standard Whiteなど | Black Crystal、Cloud White、Neon Yellow、Ultraviolet |
総合評価とレビュー
COROS PACE 4の魅力は、単に「軽いランニングウォッチ」という一言では片づけられないところにあります。軽量性、バッテリー、GPS精度、トレーニング分析、そして日常でも使いやすい表示品質まで、ランナーが本当に欲しい要素をかなり高い水準でまとめ上げているからです。特に今回のPACE 4では、従来のPACEシリーズが得意としてきた実戦的な軽さとスタミナを維持しながら、AMOLEDディスプレイと音声機能を加えたことで、使い勝手の質が一段上がりました。数字だけを見ると派手な多機能機に見えるかもしれませんが、実際の印象はむしろ逆で、必要なものをきちんと磨き込んだ、非常に整理のうまいスポーツウォッチという評価がしっくりきます。
まず強みとして大きいのは、装着していることを忘れやすい軽さです。PACE 4はナイロンバンドで32g、シリコンでも40gと非常に軽く、長時間のジョグ、ポイント練習、フルマラソン本番、さらには睡眠計測まで含めて、手首への負担感を抑えやすい設計です。ランニングウォッチはスペック表の数字以上に、毎日着け続けられるかどうかが満足度を左右します。その点でPACE 4は、トレーニングのための道具としてかなり優秀です。厚さ11.8mmという薄さも効いていて、袖口との干渉が少なく、日常生活の中でも扱いやすい。スポーツウォッチにありがちな「高機能だけれど普段は少し大げさ」という印象を和らげています。
次に評価したいのは、AMOLED化による見やすさの向上です。PACEシリーズはもともと実用性重視の印象が強いラインでしたが、PACE 4では1.2インチAMOLEDと390×390解像度によって、情報の読み取りやすさが明確に上がっています。ランニング中は一瞬で数字を把握できるかどうかが重要で、表示の鮮明さは単なる見た目の良さではなく、実用性そのものです。しかもタッチ操作だけに寄らず、物理ボタンとダイヤルを残しているため、走りながらでも操作しやすい。このあたりは、見栄えを優先して操作性を犠牲にしていない点が好印象です。
バッテリー性能もPACE 4の大きな武器です。AMOLED搭載機は便利な反面、電池持ちが不安になりやすいのですが、PACE 4は全システムモードで最大41時間、二周波でも最大31時間、日常使用で最大19日間という、かなり安心感のあるスタミナを確保しています。これは日々の練習を積み重ねるユーザーにとって非常に重要です。毎回の充電を気にしなくていいことは、継続利用のストレスを大きく減らします。レース前に充電を忘れて焦るような場面も減らしやすく、道具としての信頼感につながります。
トレーニング機能についても、PACE 4は単なる記録機ではありません。VO2 Max、乳酸閾値、ランニングフィットネス、レース予測、個別化されたマラソンプラン、バーチャルペーサーなど、走力向上に直結しやすい機能が揃っています。ここで良いのは、機能の方向性がぶれていないことです。登山用の重厚な地図機能や、日常スマートウォッチ的な派手なアプリ群に広げすぎず、あくまで「走る人が速く、賢く練習する」ことに軸足を置いています。そのため、機能の数以上に、使う意味がわかりやすい。特にフルマラソンやハーフマラソンで記録更新を狙う層には、かなり相性がいいはずです。
一方で、弱みもあります。最もわかりやすいのは、地図表示に非対応な点です。ルート追跡やコース離脱アラートは使えますが、フルマップを見ながら行動したい人には物足りません。ロード中心のランナーには十分でも、知らない山域でのトレイルや、地図を見ながら細かく判断したいユーザーには上位機種のほうが向いています。また、音楽機能はMP3保存再生には対応しているものの、主要なストリーミングサービスとの直接連携はありません。スマートウォッチ的な便利さを最優先する人には、少し割り切りが必要です。さらに、USB-C充電ケーブルが同梱されない点も、購入直後の使い勝手としては気になる人がいるでしょう。
PACE 4 Aluminumについては、性能面でStandardを大きく上回るモデルではありません。あくまでPACE 4の完成度を、より上質な外装で楽しむための派生モデルです。6000系アルミニウム合金ベゼル、半透明の多層感あるデザイン、特別仕様のバンドなどにより、見た目と質感は確かに魅力的です。しかも重量増はごくわずかで、軽さを大きく損なっていません。つまりAluminumは、機能差で選ぶというより、毎日身につける道具としての満足感や所有感を重視する人に向いたモデルです。ランニングウォッチは使用時間が長いぶん、見た目の好みや質感の納得感が意外と大切です。その意味で、Aluminumは実用品の延長にあるプレミアムモデルとしてうまく成立しています。
おすすめしたいユーザー像はかなり明確です。まず、初めて本格的なGPSランニングウォッチを買う人。軽くて扱いやすく、表示も見やすく、トレーニング機能も十分に揃っているため、入り口として非常に完成度が高いです。次に、フルマラソンやハーフマラソンで記録更新を狙う中級者。ペース管理、回復管理、走力指標の確認まで一通りこなせるので、練習の質を上げやすいでしょう。さらに、毎日着けっぱなしにしたい人にも向いています。軽さ、薄さ、バッテリーの長さが揃っているため、トレーニング時だけでなく生活全体のログを取りたい人にも使いやすいです。逆に、地図重視のトレイルランナー、スマートウォッチ機能を最優先する人、通話や決済まで一台で完結したい人には、別の方向性の製品のほうが満足度は高いかもしれません。
総評として、COROS PACE 4は「走るための道具」として非常に筋の通った一台です。軽さ、見やすさ、電池持ち、測位精度、トレーニング支援のバランスがよく、派手さよりも実用性を重視するユーザーほど、その良さを実感しやすいでしょう。PACE 4 Aluminumは、その実力をベースに質感とデザイン性を高めたモデルで、性能はそのままに、より愛着を持って使いたい人に向いています。Standardは合理的で、Aluminumは少し贅沢。どちらを選んでも、ランニングウォッチとしての芯の強さは共通しています。記録を伸ばしたい人、練習を整えたい人、毎日気持ちよく使えるスポーツウォッチを探している人にとって、非常に有力な選択肢です。
COROS PACE 4 と COROS PACE 3 の徹底比較
結論から言うと、PACE 3は「軽さ・価格・必要十分な機能」を重視する人向け、PACE 4は「視認性・操作性・バッテリー・新機能」まで含めて一段上の完成度を求める人向けです。
PACE 4はPACE 3の正統進化モデルで、単なる小幅アップデートではなく、ディスプレイ、操作系、バッテリー、音声機能、日常での使いやすさまで含めて、使い勝手がかなり洗練されています。一方でPACE 3も、今見ても軽量ランニングウォッチとしての基本性能は高く、価格差を考えると依然として魅力のあるモデルです。
まずは違いをひと目で把握
| 項目 | COROS PACE 3 | COROS PACE 4 |
|---|---|---|
| 発売時期 | 2023年9月 | 2025年11月発表 / 11月下旬〜12月上旬展開 |
| 価格 | 33,000円(税込) | 36,300円(税込) |
| 本体サイズ | 41.9 × 41.9 × 11.7 mm | 43.4 × 43.4 × 11.8 mm |
| 重量(ナイロン) | 30g | 32g |
| 重量(シリコン) | 39g | 40g |
| ディスプレイ | 1.2インチ 透過型タッチスクリーン | 1.2インチ AMOLEDタッチスクリーン |
| 解像度 | 240 × 240 | 390 × 390 |
| 表示特性 | 常時点灯しやすい反射型 | 高精細・高コントラスト・自動輝度調整 |
| GPS連続使用 | 最大38時間 | 最大41時間 |
| 日常使用 | 最大24日間 | 最大19日間 |
| 全システムGPS | – | 最大41時間 |
| 二周波GPS | 最大15時間 | 最大31時間 |
| GPS精度 | 二周波対応 | 全システム + 二周波対応 |
| 心拍センサー | 次世代光学式心拍センサー | 新設計光学式心拍センサー |
| 音声機能 | なし | 内蔵マイク、音声記録、ボイスピン |
| 音楽 | MP3保存再生対応 | MP3保存再生 + スマホメディア操作 |
| ナビ | ルートナビ対応 | ルートナビ対応 |
| 地図表示 | 非対応 | 非対応 |
| 操作系 | デジタルダイヤル + ボタン + タッチ | デジタルダイヤル + ボタン + タッチ + アクションボタン |
| 防水 | 5ATM | 5ATM |
| 充電関連 | 充電ケーブル付属 | USB-C充電アダプター方式、充電ケーブル非同梱 |
PACE 4 が PACE 3 から進化したポイント
1. ディスプレイは最も大きな進化点
PACE 3は透過型ディスプレイを採用しており、晴天の屋外では非常に見やすい一方、曇天、早朝、夕方、屋内ではやや地味に感じやすいタイプです。対してPACE 4は1.2インチAMOLEDを採用し、390×390の高解像度表示になりました。表示の鮮やかさ、文字のシャープさ、グラフやデータ画面の見やすさは明確に上です。
PACE 4はさらに自動輝度調整にも対応しており、環境に応じて見やすさを保ちやすいのも利点です。ランニング中に一瞬で数値を読み取りたい人、日常でも通知や画面表示を快適に見たい人には、この差はかなり大きいです。
要するに、
• PACE 3:屋外ラン中心なら十分実用的
• PACE 4:どんな環境でも見やすく、見た目も現代的
という違いです。
2. バッテリーは用途によって評価が分かれる
PACE 3は日常使用で最大24日間、GPS連続使用で最大38時間という、かなり優秀なスタミナを持っています。これだけでも十分長持ちです。
PACE 4は日常使用が最大19日間と、日常モードだけ見るとPACE 3より短くなっています。ただし、これはAMOLED化の影響を考えると自然で、その代わりにGPS系の実戦バッテリーが大きく伸びているのがポイントです。特にPACE 4は、
• 全システムモードで最大41時間
• 二周波モードで最大31時間
と、測位精度を高めた状態でもかなり長く使えます。PACE 3の二周波最大15時間と比べると、この差はかなり大きいです。
つまり、
• 普段使い中心で充電頻度を減らしたいならPACE 3も強い
• 長時間のGPS計測や高精度測位を重視するならPACE 4が有利
です。
3. GPSと測位性能はPACE 4がより安心
PACE 3も二周波GPSに対応しており、都市部や高層ビル街でも精度向上を狙えるモデルでした。これだけでも十分先進的でしたが、PACE 4では全システムおよび二周波衛星モードをより前面に打ち出し、精度と安定性をさらに強化しています。
PACE 4は、単に「測れる」だけでなく、より速く、より安定して位置をつかむ方向に進化したモデルと見てよいです。ロードランだけでなく、木々の多い場所や建物の多いエリアでも安心感が増しています。
4. 操作性はPACE 4のほうが一段上
PACE 3もタッチ操作、デジタルダイヤル、物理ボタンを備えており、十分使いやすいモデルです。ただ、PACE 4ではここにアクションボタンが追加されました。これにより、メイン画面から音楽操作、ルート追跡、音声メモなどへ素早く切り替えやすくなっています。
ランニングウォッチは、止まって操作するより、走りながら迷わず触れるかが重要です。その点でPACE 4は、単なるスペックアップではなく、実際の使用感をかなり意識した進化をしています。
5. 音声機能はPACE 4だけの新しい魅力
PACE 3にはない、PACE 4の大きな新要素が内蔵マイクです。
PACE 4では、
• トレーニング後の音声記録
• 走行中のボイスメモ
• ボイスピンによる位置付きメモ
といった使い方ができます。
これは単なるガジェット的な追加ではなく、たとえば「今日は後半で脚が重くなった」「この坂でフォームが崩れた」「この景色が良かった」といった、数値だけでは残しにくい感覚を記録できるのが面白いところです。トレーニングを振り返る習慣がある人には、かなり相性のいい機能です。
6. 心拍センサーもPACE 4が改良
PACE 3は5つのLEDと4つの光検出器を備えた次世代光学式心拍センサーを搭載しており、当時としてはかなり力の入った仕様でした。PACE 4ではさらに新設計の光学式心拍センサーとなり、大型LEDと装着安定性の向上によって、運動中のデータの乱れを抑える方向に進化しています。
手首心拍はどうしても個人差や装着状態の影響を受けますが、PACE 4はその弱点を少しでも減らそうとしている印象です。
PACE 3 の強みは今でもはっきりしている
PACE 4が進化したとはいえ、PACE 3の価値が薄れたわけではありません。むしろPACE 3は、今でもかなり魅力的です。
価格が安い
発売時価格ベースで見ると、PACE 4はPACE 3より3,300円高いです。差額としては大きすぎるわけではありませんが、必要十分な機能でよければPACE 3のコスト感はやはり魅力です。
軽さは依然として優秀
PACE 3はナイロンバンドで30g。PACE 4の32gも十分軽いですが、絶対的な軽さではPACE 3が上です。少しでも軽いほうがいい、という人にはまだ刺さります。
日常バッテリーはむしろ長い
日常使用最大24日間という数字は、PACE 4より長いです。GPS高精度化やAMOLEDをそこまで重視しないなら、PACE 3のほうが「充電を忘れられる時計」として優秀に感じる人もいます。
基本的なトレーニング機能は十分強い
ルートナビ、音楽保存、二周波GPS、心拍、SpO2、睡眠、各種スポーツモード、Training Hub連携など、ランナー向けの基本機能はしっかり揃っています。
「ランニングウォッチとして必要なことはほぼできる」という意味では、PACE 3は今でも完成度が高いです。
どちらを選ぶべきか
PACE 3 がおすすめな人
• できるだけ価格を抑えたい
• 軽さを最優先したい
• 屋外ラン中心で、MIP系表示でも問題ない
• 音声メモやAMOLEDは必須ではない
• 基本性能が高いコスパモデルを選びたい
PACE 3は、必要な機能をしっかり押さえた実戦派です。派手さはなくても、ランニングウォッチとしての芯は強いです。
PACE 4 がおすすめな人
• 画面の見やすさを重視したい
• 早朝、夜、屋内でも快適に使いたい
• GPS精度と長時間駆動を両立したい
• 操作性の良さも重視したい
• 音声記録やボイスピンを活用したい
• 長く使う前提で、より新しい完成度を選びたい
PACE 4は、PACE 3の良さを残しながら、日常の使いやすさとトレーニング体験を底上げしたモデルです。価格差を考えると、進化の内容はかなり納得しやすいです。
総評
COROS PACE 3とPACE 4は、どちらも「軽量で高性能なランニングウォッチ」という同じ軸に立っています。ただし、PACE 3が合理的で無駄のない高コスパ機だとすれば、PACE 4はそこに視認性、操作性、音声機能、GPS実用性の強化を加えた、より完成度の高い後継機です。
特に大きいのは、
• AMOLED化
• アクションボタン追加
• 音声記録機能
• 高精度GPS時のバッテリー強化
の4点です。
そのため、今あえて一台を選ぶなら、総合力ではPACE 4が優勢です。
一方で、価格や軽さを重視し、ランニングウォッチに過剰な華やかさを求めないなら、PACE 3もまだ十分に魅力的です。


