GMKtec EVO-X3 の製品概要
GMKtec EVO-X3は、AMD Ryzen AI Max+ 395を核に、128GBのLPDDR5XメモリとRadeon 8060S、XDNA 2 NPUを組み合わせた薄型のAIワークステーションです。ミニPCの省スペース性を保ちながら、ローカルAIの実行、動画編集、3D制作、ゲーム、高負荷なマルチタスクまで幅広くこなせる構成が大きな魅力で、さらにOCuLinkによる外付けGPU拡張にも対応します。従来の「小さいが高性能」という枠を一歩越え、手元に置ける本格派の演算機としてまとめ上げられた1台です。
特徴
AI処理に強く振り切った中核設計
- Ryzen AI Max+ 395を搭載:16コア32スレッド、最大5.1GHz駆動の高性能プロセッサを採用し、CPUとしての基礎性能が非常に高く、AI処理だけでなく日常の重い作業や複数アプリの同時進行にも余裕があります。
- CPU・GPU・NPUを一体化した構成:Zen 5世代CPU、Radeon 8060S、XDNA 2 NPUを1つのプラットフォームに統合しており、処理内容に応じて役割分担しやすい構成です。一般的なミニPCよりも、AI用途をかなり意識した設計になっています。
- 最大126 TOPSの総合AI性能:NPU単体で最大50 TOPS、システム全体で最大126 TOPSのAI演算性能を備え、ローカル推論やAI支援ワークフローに向いた性能バランスを実現しています。
- ローカルAIとの相性が良い:クラウド任せではなく、データを手元に置いたままAIを活用したい用途に向いており、機密データを扱う環境や応答遅延を抑えたい使い方とも噛み合います。
128GBユニファイドメモリの価値が大きい
- 128GB LPDDR5X-8000を標準搭載:大容量メモリを最初から備えているため、複数の重い作業を同時に走らせても息切れしにくく、ミニPCとしてはかなり異例の余裕を持った構成です。
- GPU用メモリを大きく確保しやすい:内蔵GPUと共有する大容量メモリの恩恵が大きく、VRAMを多く必要とするAIやグラフィックス処理で扱いやすいのが特徴です。設定次第で大きなメモリ領域をGPU側に寄せられる点も、この機種の個性です。
- 大規模モデルや重量級クリエイティブ作業に有利:メモリ容量が不足しやすいローカルLLM、巨大な画像・映像素材、複雑な3Dデータを扱う場面で真価を発揮します。
- 増設不可でも設計思想は明確:オンボード実装のため後からメモリを増やすことはできませんが、最初から最大級の容量を載せているので、拡張より完成形を重視した設計と考えたほうが自然です。
内蔵GPUとしてはかなり強力
- Radeon 8060Sを内蔵:RDNA 3.5アーキテクチャ、40 Compute Units、最大2900MHz動作のGPUを搭載し、単なる表示用にとどまらない高い描画・演算性能を備えます。
- 動画編集や3D処理にも対応しやすい:GPUアクセラレーションを活かす映像編集、画像処理、3D制作との相性が良く、内蔵GPU中心の環境としてはかなり踏み込んだ作業領域まで狙えます。
- ゲーム用途も視野に入る:AI専用機という印象を持たれがちですが、グラフィックス性能そのものも高く、ゲーム用途まで含めて使える懐の深さがあります。
OCuLinkで外付けGPUを増設できる
- PCIe Gen4 x4のOCuLinkポートを標準搭載:必要なときに外付けGPUを追加できるため、本体を丸ごと買い替えずに描画性能やAI性能を強化しやすい構成です。
- eGPU運用の現実味が高い:USB系の外付け接続よりも帯域と遅延の面で有利で、より本格的なGPU拡張を狙いやすいのがポイントです。
- 投資を段階的に進めやすい:まずは本体単体で使い、必要になった時点で外部GPU環境を足すという運用ができるため、用途拡大に柔軟です。
- ホットプラグ非対応:便利な反面、接続や取り外しは電源オフ時が前提になるため、気軽な抜き差しを繰り返す用途には向きません。
薄型ボディと静音性を両立した筐体設計
- 厚さ41mmのスリムな縦置き系デザイン:従来の箱型ミニPCとは少し違い、薄く背の高いレイアウトを採用しており、デスク上での存在感はありつつも、設置面積の考え方が独特です。
- フルメタルCNC筐体を採用:質感の高さと剛性感を両立し、フラッグシップらしい仕上がりになっています。見た目も道具感が強く、単なる小型PC以上の雰囲気があります。
- 3本のヒートパイプと3基のファンを搭載:高発熱な構成を支えるために冷却系はかなり手厚く、連続した高負荷処理を見据えた設計です。
- 静音・バランス・パフォーマンスの3モードを用意:静音54W、バランス85W、ピーク140Wのパフォーマンスモードを使い分けられ、速度重視にも静かさ重視にも寄せやすいのが魅力です。
- 静音性の改善が見どころ:高性能機らしいパワー感を維持しながら、動作音の扱いやすさにも配慮されており、長時間回し続ける使い方とも相性が良い仕上がりです。
ストレージ拡張性も高い
- M.2 2280 PCIe 4.0 x4を2基搭載:高速NVMe SSDを2本使える構成で、OS用とデータ用を分けたり、大容量データの保管先を本体内に集約したりしやすくなっています。
- 合計最大16TBまで拡張可能:AIモデル、動画素材、ゲームライブラリ、制作データをローカルに抱えたいユーザーにとって心強い仕様です。
- 標準では2TBまたは4TB構成:導入時点で十分な容量を確保しやすく、最初から重い用途を前提に組みやすいのも美点です。
接続性は必要十分だが、割り切りもある
- USB4を搭載:最大40Gbpsの転送と映像出力に対応し、高速ストレージや外部ディスプレイとの接続にも使えます。
- HDMI 2.1で高解像度出力に対応:8K/60Hz出力に対応し、高精細ディスプレイ環境を組みやすい仕様です。
- Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4、2.5GbEを搭載:無線・有線の両面で新しめの規格を押さえており、NASや高速回線と組み合わせる用途にも合わせやすくなっています。
- 端子数は万能型ほど多くない:AIワークステーションとしての性格が強く、一般的な多端子ミニPCに比べると、インターフェースは整理された印象です。周辺機器を大量接続する人は事前確認が必要です。
OSと用途の幅が広い
- Windows 11 Proを標準搭載:導入直後からビジネス用途や開発用途に移りやすく、一般的なWindows環境としての扱いやすさがあります。
- UbuntuやLinuxも視野に入る:AI開発、検証、ローカルサーバー的な運用など、Windows以外の選択肢にも広がりを持たせられます。
- 用途の中心はプロ寄り:日常用途にももちろん使えますが、この製品の本領は、生成AI、開発、映像制作、3D、重量級マルチタスクといった一段上の作業領域にあります。
スペック一覧
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | GMKtec EVO-X3 |
| 製品カテゴリー | AIワークステーション / ミニPC |
| CPU | AMD Ryzen AI Max+ 395 |
| CPUコア / スレッド | 16コア / 32スレッド |
| CPUアーキテクチャ | Zen 5 |
| 製造プロセス | TSMC 4nm FinFET |
| 最大ブーストクロック | 最大5.1GHz |
| L2キャッシュ | 16MB |
| L3キャッシュ | 64MB |
| GPU | AMD Radeon 8060S Graphics |
| GPUアーキテクチャ | AMD RDNA 3.5 |
| GPU Compute Units | 40 CU |
| GPU最大クロック | 最大2900MHz |
| NPU | AMD XDNA 2 |
| NPU性能 | 最大50 TOPS |
| 総合AI性能 | 最大126 TOPS |
| メモリ種類 | LPDDR5X |
| メモリ容量 | 128GB |
| メモリ速度 | 8000MT/s |
| メモリ実装 | オンボード |
| メモリ増設 | 不可 |
| GPU向けメモリ割り当て | 最大96GB |
| 標準ストレージ | M.2 2280 PCIe 4.0 x4 NVMe SSD 2TB / 4TB |
| ストレージスロット | M.2 2280 PCIe 4.0 x4 ×2 |
| 最大ストレージ容量 | 合計16TB(8TB×2) |
| 映像出力 | HDMI 2.1 ×1、USB4 Type-C ×1 |
| HDMI仕様 | 8K/60Hz対応 |
| USB4仕様 | 最大40Gbps、映像出力対応、100W給電対応 |
| 画面出力数 | 2画面表示対応 |
| 有線LAN | 2.5GbE RJ45 ×1(RTL8125BG) |
| 無線LAN | Wi-Fi 7(RZ717 / MT7925) |
| Bluetooth | Bluetooth 5.4 |
| 前面ポート | USB-A 3.2 Gen1(5Gbps)×1、USB-A 2.0 ×1、3.5mmオーディオコンボジャック×1、電源ボタン×1 |
| 背面ポート | HDMI 2.1 ×1、OCuLink(PCIe Gen4 x4)×1、USB-A 3.2 Gen2(10Gbps)×1、USB4 Type-C ×1、2.5GbE RJ45 ×1、DC入力 ×1 |
| OCuLink | PCIe Gen4 x4、理論帯域64Gbps、外付けGPU拡張対応 |
| 冷却機構 | 3本のヒートパイプ + 3基の冷却ファン |
| 動作モード | 静音54W / バランス85W / パフォーマンス最大140W |
| 電源入力 | DC IN 19.5V / 11.8A |
| ACアダプター | 230.1W |
| OS | Windows 11 Pro |
| 対応OS | Windows 11 Pro / Ubuntu / Linux |
| 本体サイズ | 353 × 186 × 41mm(スタンド除く) |
| 重量 | 約2.3kg |
| 筐体 | フルメタルCNC筐体 |
| カラー | グレー + グリーン |
| バッテリー関連 | CMOSバッテリー内蔵 |
| 標準構成 | 128GB RAM + 2TB SSD / 128GB RAM + 4TB SSD |
| 同梱物 | EVO-X3本体、電源アダプター、HDMIケーブル、取扱説明書、保証カード |
| 発売時期 | 2026年7月グローバル発売、国内では2026年8月販売展開 |
総合評価とレビュー
GMKtec EVO-X3の魅力は、単に「高性能なミニPCです」というひと言では片付けられないところにあります。むしろこの製品は、ミニPCというジャンルの中に、AIワークステーションという別の文脈を持ち込んだことに価値があります。見た目はスリムで省スペース、それでいて中身は16コア32スレッドのRyzen AI Max+ 395、128GBのLPDDR5X、Radeon 8060S、さらにOCuLinkまで備えるという構成は、はっきり言ってかなり野心的です。普通の小型PCが目指すのは「日常作業を快適に」あるいは「省スペースで高性能」あたりですが、EVO-X3はそこからさらに踏み込み、「大きめのローカルAIやクリエイティブ用途まで机の上で成立させる」という明確な目標を感じさせます。
まず強みとして最も大きいのは、やはり128GBメモリの説得力です。いまのPC市場ではCPUやGPUの型番ばかりが注目されがちですが、実際の使い勝手を左右するのはメモリ容量であることが少なくありません。特にAI、動画編集、3D制作、仮想環境の同時運用といった分野では、その傾向がより強くなります。EVO-X3はそこを真正面から押さえてきました。しかも単に多いだけではなく、内蔵GPUと広く共有できるため、一般的な「内蔵GPU機なのにメモリ不足で力を出し切れない」というもどかしさがかなり薄い。ここがこの製品の芯であり、価格の高さを正面から支える根拠にもなっています。スペック表だけを見ると高額に見えるのですが、実際にはこのメモリ容量こそが、EVO-X3を単なる高級ミニPCではなく、特殊な需要に応える仕事道具へ引き上げています。
次に評価したいのは、OCuLinkをきちんと正面装備した点です。高性能な内蔵GPUを積んでいるとはいえ、用途によってはやはり外部GPUが欲しくなる瞬間があります。たとえばCUDA系のソフトウェアを本格的に使いたい、あるいはより重い描画・推論環境へ段階的に移行したい、そんな局面です。そのとき、通常のミニPCだと本体の寿命がそこで尽きがちですが、EVO-X3は外付けGPUという逃げ道をあらかじめ用意しています。これは、いま買ってすぐに使うための便利さというより、数年単位で見たときの保険に近い価値です。高額な製品ほど、この「先の選択肢が残っている」ことは効いてきます。買った瞬間がピークではなく、後から構成を育てられる。その安心感はかなり大きいはずです。
さらに、冷却設計と静音性の方向性も見逃せません。EVO-X3は派手なベンチマーク競争で1点でも上を狙うより、長時間回し続けたときの扱いやすさに重心を置いた印象があります。AI推論やレンダリングのような仕事は、短距離走の速さより、安定して長く回せることのほうが重要です。その意味で、トリプルファンとヒートパイプを使って熱と騒音のバランスを整えている点は、スペック以上に実用的です。とくに高負荷をかけっぱなしにする人ほど、ファンノイズの蓄積に疲れます。そこを地味に抑えてくる製品は、使い込むほど印象が良くなりやすいものです。
一方で、弱みもはっきりしています。まず価格です。これはもう、ミニPCという言葉から連想する金額帯を大きく超えています。一般的な「小さくて便利なPC」を求めている人には、まったく向きません。ブラウジング、Office、軽い写真編集、たまのゲームといった用途に対しては、完全にオーバースペックですし、予算配分としても合理的ではありません。また、端子構成は必要十分ではあるものの、多ポート万能型とは言いにくい側面があります。AIワークステーションとして割り切ったぶん、従来型のハイエンドミニPCにあった「何でもたくさん挿せる便利さ」は少し薄れました。周辺機器を大量につなぎたい人や、ディスプレイ出力の柔軟性を最重視する人にとっては、想像より用途特化型に感じられるかもしれません。
加えて、この製品は誰にでも優しいわけではありません。メモリは増設不可、価格は高い、しかも性能の本質はAIや重量級ワークロードに寄っています。つまり、買ったあとに「ここまでの構成は要らなかったかもしれない」と感じる人も確実に出ます。EVO-X3は、スペックの派手さだけで買うと持て余しやすい1台です。逆に言えば、自分の作業内容がはっきりしていて、ローカルAI、映像制作、3D、巨大データ処理、将来的なeGPU活用といった軸が見えている人には、とても刺さりやすい製品でもあります。
おすすめしたいユーザー像はかなり明確です。第一に、ローカルAIを本気で回したい人。第二に、机のスペースを節約しながらもワークステーション級の処理環境を確保したい人。第三に、内蔵GPUだけである程度戦いつつ、必要になれば外部GPUで拡張したい人です。逆に、純粋なコストパフォーマンスだけを重視するなら、もっと安価な構成でも満足できる可能性は高いでしょう。EVO-X3は、安さで選ぶモデルではありません。必要性がはっきりしている人が、納得して予算を投じるタイプの製品です。
総評としては、GMKtec EVO-X3は「万人向けではないが、刺さる人にはかなり強い」完成度の高いAIミニワークステーションです。性能そのものの迫力、128GBメモリの安心感、OCuLinkによる将来性、薄型金属筐体の所有感、そして高負荷時の扱いやすさまで含めて、狙いが非常に明快です。弱点は価格と用途の尖り方ですが、それは裏返せば、この製品が中途半端な万能機ではなく、明確な目的を持って設計されている証拠でもあります。ローカルAI時代の仕事道具として見たとき、EVO-X3はとても面白く、そしてかなり実戦的な1台です。必要な人にとっては高い買い物で終わらず、長く頼れる相棒になってくれる可能性があります。もし「小さいのに速いPC」ではなく、「小さいのに本気で仕事ができるPC」を探しているなら、EVO-X3はしっかり候補に入ってくるはずです。
GMKtec EVO-X3 と GMKtec EVO-X2 との徹底比較
GMKtec EVO-X3とGMKtec EVO-X2は、まず大前提として「中核性能は非常に近い兄弟機」です。どちらもAMD Ryzen AI Max+ 395、Radeon 8060S、128GB LPDDR5X-8000、最大126 TOPSのAI性能という土台を共有しており、ローカルAI、重めの制作作業、マルチタスクといった本質的な処理能力はかなり近い水準にあります。
そのうえで、EVO-X3は「将来の拡張まで見据えた新世代モデル」、EVO-X2は「端子の多さと取り回しに強い従来型フラッグシップ」と見ると、とてもわかりやすいです。つまり、単純な速さだけで勝敗が決まる比較ではなく、どんな運用を想定するかで評価が変わる2機種だと言えます。
まず押さえたい違い
EVO-X3最大の注目点は、やはりOCuLinkを標準搭載したことです。これによって外付けGPUをより本格的に接続しやすくなり、内蔵GPUでは足りなくなったときの拡張ルートが明確になりました。AI用途でも、3D用途でも、将来的にCUDA系ワークフローへ寄せたい場合でも、この差はじわじわ効いてきます。
一方のEVO-X2は、OCuLinkこそありませんが、USB4を2基備え、USB-Aポート数も多く、DisplayPort 1.4まで用意されています。つまり、本体単体での汎用性や周辺機器との接続自由度は、むしろEVO-X2のほうが豊かです。新しいから必ずしも全部が上、という単純な話ではなく、X3は役割を絞って進化し、X2は多用途性を残したまま仕上がっている、という違いがあります。
スペック比較表
| 項目 | GMKtec EVO-X3 | GMKtec EVO-X2 |
|---|---|---|
| CPU | AMD Ryzen AI Max+ 395 | AMD Ryzen AI Max+ 395 |
| コア / スレッド | 16コア / 32スレッド | 16コア / 32スレッド |
| 最大ブーストクロック | 最大5.1GHz | 最大5.1GHz |
| CPUアーキテクチャ | Zen 5 | Zen 5 |
| GPU | Radeon 8060S | Radeon 8060S |
| GPUアーキテクチャ | RDNA 3.5 | RDNA 3.5 |
| GPU構成 | 40 CU | 40 CU |
| NPU | AMD XDNA 2 | AMD XDNA 2 |
| NPU性能 | 最大50 TOPS | 最大50 TOPS |
| 総合AI性能 | 最大126 TOPS | 最大126 TOPS |
| メモリ | 128GB LPDDR5X-8000 | 128GB LPDDR5X-8000 |
| メモリ実装 | オンボード | オンボード |
| GPU向けメモリ割り当て | 最大96GB | 最大96GB |
| ストレージ | M.2 2280 PCIe 4.0 x4 SSD | M.2 2280 PCIe 4.0 x4 SSD |
| M.2スロット数 | 2基 | 2基 |
| 最大ストレージ容量 | 合計16TB | 合計16TB |
| OCuLink | あり(PCIe Gen4 x4) | なし |
| USB4 | 1基 | 2基 |
| USB-A | 3基 | 5基 |
| DisplayPort | なし | あり(DP 1.4) |
| HDMI | HDMI 2.1 | HDMI 2.1 |
| 有線LAN | 2.5GbE | 2.5GbE |
| 無線LAN | Wi-Fi 7 | Wi-Fi 7 |
| Bluetooth | Bluetooth 5.4 | Bluetooth 5.4 |
| OS | Windows 11 Pro / Ubuntu / Linux | Windows 11 Pro |
| 冷却 | 3本ヒートパイプ + 3基ファン | 高性能冷却設計 |
| 動作モード | 54W / 85W / 最大140W | 最大140W級運用 |
| 本体サイズ | 353 × 186 × 41mm | 約193 × 186 × 77mm |
| 重量 | 約2.3kg | X3よりコンパクトな箱型 |
| 筐体 | フルメタルCNC、薄型縦置き系 | 箱型ミニPCスタイル |
| 価格帯の目安 | 約60万円台前後 | 約35万円台前後から |
デザインと設置性の違い
見た目と置き方の感覚は、この2機種でかなり異なります。EVO-X2は、いわゆる高性能ミニPCらしい箱型に近く、コンパクトにまとまりやすい一方で、EVO-X3はかなり薄く、横に長い独特のスタイルです。厚さ41mmというスリムさは印象的ですが、そのぶんフットプリントの考え方はX2と違います。
狭い場所にギュッと置きたいならX2のほうが扱いやすい場面がありますし、デスク上でスタイリッシュに立てて置きたい、あるいは外付けGPUと組み合わせて“ワークステーション感”のある構成にしたいならX3のほうがしっくりきます。性能だけでなく、机の使い方まで含めて選び分けるべき2台です。
拡張性の考え方はかなり違う
ここは最重要ポイントです。
EVO-X3は、ポート総数では必ずしも豊富ではありません。むしろUSB4が1基に減り、USB-Aも絞られ、DisplayPortも省かれています。その代わりに、OCuLinkを搭載して外部GPU拡張という強い武器を手に入れました。つまり、端子を横に広く増やす方向ではなく、将来の性能増強に価値を置いた設計です。
EVO-X2は逆に、いまこの瞬間の本体単体での便利さが強みです。USB4が2基あり、USB-Aも多く、映像出力も豊富で、周辺機器をたくさんつなぎたい人にとっては明らかに扱いやすい構成です。ドックやハブに頼りたくないなら、X2の快適さは無視しにくいはずです。
AI用途ならどちらが有利か
ローカルAIを走らせるうえで重要なCPU、GPU、メモリ容量、メモリ速度は両機でほぼ同じです。そのため、「本体単体で大きなLLMを動かす」という主題だけを見るなら、EVO-X3が劇的に上というわけではありません。70Bクラスを視野に入れた大容量メモリ機としての本質は、両機ともかなり近いです。
ただし、将来的に外付けGPUを足してさらに上を狙いたいなら話は別です。その時点でEVO-X3の優位ははっきりします。今は同等に近くても、拡張後の伸びしろまで含めると、X3のほうが長期戦向きです。逆に、最初から本体単体で完結させるつもりで、外部GPU構成を考えていないなら、X2でも満足度は高いでしょう。
クリエイティブ用途ではどう見るべきか
動画編集、画像処理、3D制作などでは、どちらも高いポテンシャルを持っています。Radeon 8060Sと128GBメモリの組み合わせは、一般的なミニPCの枠を超えた余裕を感じさせます。
ただ、クリエイターの現場では「後からグラフィックス性能を足せるか」が思いのほか重要です。制作内容が重くなればなるほど、いずれ外部GPUに頼りたくなることがあります。その可能性が少しでもあるなら、EVO-X3の設計思想は魅力的です。
一方で、普段から複数の外部ストレージ、キャプチャ機器、カードリーダー、ディスプレイを本体へ直接つないで使うなら、X2の端子の多さはかなり実務的です。この比較は、スペック表だけでは見えにくいのですが、実運用でははっきり差になります。
価格差はどう考えるべきか
価格はかなり重要です。EVO-X3は60万円台クラス、EVO-X2はそれより大きく安い水準で見かけることが多く、差額は決して小さくありません。
そのため、EVO-X3を選ぶ理由は「少しだけ速そうだから」では弱いです。中核性能が近い以上、その差額を納得できるのは、OCuLinkの価値を本気で必要としている人、あるいは新しい設計に将来性を感じている人です。
逆に、「外付けGPUはたぶん使わない」「本体単体でローカルAIを触りたい」「端子は多いほうが助かる」「予算は抑えたい」という条件なら、EVO-X2のほうが冷静で賢い選択になりやすいです。
どちらを選ぶべきか
EVO-X3がおすすめな人
- 将来的に外付けGPUを使う可能性が高い人
- ローカルAI環境を長く育てていきたい人
- 新世代の薄型AIワークステーションとして所有したい人
- 多少高くても、拡張の逃げ道を残したい人
EVO-X2がおすすめな人
- 本体単体での完成度とコストバランスを重視する人
- USB4やUSB-A、DisplayPortの豊富さを活かしたい人
- すでに十分高いAI性能を、より低い価格で手に入れたい人
- 外付けGPUの追加予定がない人
総評
この2機種の比較でいちばん大切なのは、「X3はX2を全面的に置き換える完全上位機ではない」と理解することです。中核性能はかなり似ていますし、便利さの面ではX2が勝つ部分もあります。
ただし、EVO-X3にはOCuLinkという明確な進化があります。これをどう見るかで評価は大きく変わります。将来のeGPU拡張を真面目に考えるならEVO-X3は魅力的ですし、本体単体の完成度と価格の納得感を優先するならEVO-X2は今でも非常に強い選択肢です。
ひと言でまとめるなら、今をお得に完成させるならEVO-X2、先の伸びしろまで買うならEVO-X3。この整理が、いちばん実態に近い比較だと思います。
※セール開催・内容・価格等は、予告なく変更となる場合がございます。正確な情報は、販売ページ上でご確認ください。


